実施 2025.01 ・ 更新 2026.08.17
労務特化AIの入口を一本化。社労士事務所6名全員が日常的に使うまでの展開
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 調べ物に時間を取られている
- AIの回答の根拠が不安
- スタッフがAIを使ってくれない
どのようなAIの取り組み?
労務に特化したAIエージェントを調べ物の入口として一本化し、事務所の全6名に日常利用として定着させたAI取り組み
業種
社会保険労務士事務所(士業・コンサルティング)
取り組み領域
労働・社会保険の調べ物/顧問先対応
使ったAI
HRbase PRO(労務特化のAIエージェント)
主な成果
労働・社会保険の調べ物時間を大幅に削減し、全6名に定着
福岡県朝倉市の社会保険労務士法人WISEは、社労士3名とスタッフ3名の計6名で約120社の顧問先を担当しています。汎用のAIでは回答の情報源がはっきりせず、労働・社会保険の調べ物に不安と時間が残っていたため、2025年1月に株式会社HRbaseが提供する労務専門のAIエージェント「HRbase PRO」を導入しました。参照する情報が公的機関の資料とリーガルチェック済みの独自資料に絞られている点を評価し、まず推進役の役員が使い込んだうえで全員へ広げています。展開にあたっては、労務アシスタントAIに質問を投げ、そこから労務管理ガイドへ移動するという一本の流れだけを最初に伝える方法をとりました。約1年を経て、70代の代表を含む6名全員が日常的に使う状態になっています。
出典:複数のAIを使い分けるからこそわかる。HRbase PROが変えた社労士事務所の日常 | HRbase PRO|シェアNo.1の労務専門AI エージェント 発行元:株式会社HRbase
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
導入前に挙がっていたのは、汎用のAIが知らないサイトから情報を持ってくることがあり回答の正確さに確信を持てなかったこと、検索に時間がかかっていたこと、そしてスタッフの多くがAIに不慣れで活用が広がっていなかったことです。
編集部の見立てでは、ここでの困りごとの本質は回答の精度そのものではなく、根拠を後からたどれない状態にありました。労働・社会保険の実務では、顧問先に伝える内容がどの法令や通達に基づくのかを示せるかどうかが、そのまま専門家としての信頼に直結します。裏づけを確認できない回答は、たとえ結果的に正しくても調べ直しが避けられず、時間の節約になりません。スタッフの活用が進まなかったのも、操作の難しさというより、確信の持てない道具を任される居心地の悪さが背景にあったのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
AIごとに担当領域を決めて使い分ける運用が、この取り組みの土台になっています。事務所では用途別に8〜10種類のAIツールが使われており、そのなかでHRbase PROには「労働・社会保険の調べ物はここ」という役割が明確に割り当てられました。ずれた回答が返ってきたらすぐ別のAIに切り替える判断も、「何でもAI」ではなく得意な部分だけを任せると決めているからこそ迷いなく下せます。道具の得意不得意を見極める役割を人の側に残した設計が、専門領域での実用性を支えていると考えられます。
全員への展開では、機能を網羅的に説明せず「入口を一本化する」工夫がとられました。まず労務アシスタントAIに質問を投げ、そこから関連する労務管理ガイドへ飛ぶ、という流れだけを最初に伝える進め方です。機能紹介から入ると覚えることが増えて最初の一回が遠のきますが、動線を一つに絞れば「困ったらここを開く」という習慣づけだけで済みます。普通の話し言葉で質問してよいと繰り返し伝えた点も、書き方を考え込んで手が止まる状態を避けるうえで効いたはずです。
使い方を役割ごとに固定しなかったことも、定着を後押しした要素として読み取れます。社労士は自分の見解に穴がないかを確かめる補強材料として使い、スタッフは育児休業や契約更新といった手続きの流れを調べてそのままガイドで確認する、という棲み分けが自然に生まれました。短い質問でも「こういった場合はこう」と場合分けして回答が返る性質は、質問の仕方を訓練しなくても必要な情報に届くことを意味し、AIに不慣れな人ほど恩恵が大きい設計だといえます。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
導入から約1年で、根拠の明確な情報にすぐたどり着けるようになり、労働・社会保険の調べ物にかかる時間は大幅に減っています。代表を含む6名全員が日常的に使い、案件が発生すると誰に促されなくても自分で開いて調べる状態になりました。顧問先向けのニュースレターも、労務マガジンから旬のトピックを選べるようになったことで内容の質が安定し、記事をきっかけとした問い合わせが届くようになっています。HRbase PROに限らず用途ごとにAIを使い分けた結果として、業務時間は体感で半分ほど減ったと述べられています。
うちでも使える?
応用しやすいのは、答えそのものより「どの資料に基づくか」が重視される調べ物が多い業務です。参照範囲が公的資料などに限定された特化型のサービスがすでに存在する分野であれば、汎用AIとの併用でも同じ発想を持ち込めます。反対に、顧問先ごとの個別事情や過去の経緯を踏まえた判断が必要な場面、あるいはその領域に信頼できる情報源を絞り込んだサービスがまだない分野では、同じ効果は見込みにくいでしょう。この事例でも最終的な法的判断は社労士が担っており、AIは回答の補強と手続きの流れの確認に位置づけられています。
少人数の組織で試すなら、まず推進役が一人で使い込み、伝える動線を一つに絞る進め方が参考になります。今週、調べるのに時間がかかった質問を一つ選び、同じ質問を手元のAIに投げて、回答の根拠がどこまで示されるかを見比べてみてはどうでしょうか。根拠が示せる問いと示せない問いの線引きが見えれば、任せる範囲の決め方も具体的になります。
この事例は2025年1月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
株式会社HRbase
社労士がつくった労務専門AIエージェント「HRbase PRO」を提供する企業。情報セキュリティマネジメントシステムに関する国際規格の認証を取得している。
社会保険労務士法人WISE
出典・参考情報
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