実施 2025.12 ・ 更新 2026.08.17
NTTロジスコ、画像AIと搬送ロボットで回収機器の仕分けを自動化し生産性30%向上
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 多品種の目視確認に手間取っている
- 仕分けが熟練者頼みになっている
- 登録と仕分けが二度手間
どのようなAIの取り組み?
画像認識AIと無人搬送ロボットを組み合わせ、回収したレンタル通信機器の登録から仕分けまでを自動でつないだAI取り組み
業種
総合物流・3PL(運輸・物流)
取り組み領域
物流センターの回収品登録・仕分け
使ったAI
AI画像認識システム(画像AI)+無人搬送ロボット(AGV)
主な成果
作業者1人当たりの処理台数で生産性が30%向上
NTTロジスコは、レンタル通信機器を回収して再生するリファビッシュ業務のうち、回収品の登録と仕分けの工程を自動化するシステムを埼玉物流センターに導入しました。従来は、開梱した機器の物品名を作業者が目視で確認し、備え付けのバーコードブックから一致するバーコードを探してハンディスキャナーで読み取り、物流管理システム(WMS)に登録したうえで、物品コード別の仕分けも手作業で行っていました。新しい仕組みでは、機器背面の物品名の文字やMACアドレスのバーコードを画像認識AIが自動で判別してWMSに登録し、その情報をもとに無人搬送ロボットが仕分け搬送まで担います。搬送を受け持つt-Sortはプラスオートメーションが提供する無人搬送ロボットで、AI画像認識システム4台とAGV24台を組み合わせた構成になっています。
出典:「AI画像認識技術を用いた自動登録・仕分けシステム」の導入について~「AI画像認識技術×AGV(t-Sort)」で生産性30%向上と仕分けミス0%を実現~ | NTTロジスコ 発行元:株式会社NTTロジスコ
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
自動化以前の登録工程は、作業者が機器本体に貼付された物品名を目で読み取り、備え付けのバーコードブックから一致する物品名のバーコードを探し出してスキャンする、という手順で回っていました。対象となるレンタル通信機器は約300種類以上に及び、そのうえで物品コード別の仕分けも人の手で行う必要があったため、人手頼りの作業と熟練者による属人化が課題として残っていました。
編集部の見立てでは、ここでの難所は作業量の多さそのものよりも、300種類を見分けるための判断基準が、紙の索引と作業者の慣れの中にしか存在しなかった点にあります。どの機器がどのコードに当たるのかを素早く引き当てられるかどうかは、経験の蓄積に左右されます。品質のばらつきも処理速度の頭打ちも、突き詰めればこの一点から生じていたのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
読み取りの対象を、機器そのものに最初から印字されている情報に置いた点が、この自動化の起点になっています。背面の物品名の文字とMACアドレスのバーコードという、人が目視で確認していた情報をそのまま画像認識AIの入力へ移したことで、識別のためのラベルを新たに貼るような前工程を足さずに済みます。同時に、索引から該当する行を探し当てるという、経験差が最も出やすい照合作業が工程から丸ごと消えました。人の判断を機械に真似させるのではなく、判断が必要になる原因のほうを取り除いた設計と読めます。
機器本体の画像を複数回高速で撮影し、識別精度と識別時間の双方を最適化する方式も、現場の事情を踏まえた選択です。1回の撮影で確実に読み切ろうとすれば撮り方や照明の作り込みに負担が寄り、逆に速度を優先すれば読み違いが増えます。撮影回数という調整しやすい変数を挟むことで、精度と時間のどちらかを諦める形にせず折り合いをつけている点が効いています。
従来は別々の作業工程に分断されていたWMSへの回収実績登録と、t-Sortによる物理的な搬送・仕分けを、単一のシステムに束ねた構成も大きい。識別結果がそのまま搬送指示に変わるため、工程の継ぎ目で人が情報を受け渡す場面がなくなります。AI画像認識システム4台とAGV24台という編成は、この一連の流れを並列に走らせて処理量を積み上げる考え方に沿ったものです。リファビッシュ業務では2018年のクリーニング工程、2020年の電源アダプターケーブルの洗浄・結束、2021年のセット化検品と自動化を重ねてきた延長線上に今回の登録・仕分けが置かれており、切り出しやすい工程から順に片づけてきた進め方がうかがえます。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
この事例で出た成果
作業者1人当たりの処理台数で見た生産性は30%向上し、仕分けミスは0%を達成しています。熟練作業者に依存しない作業体制も確立され、2018年から段階的に進めてきたリファビッシュ業務は全工程の自動化に到達しました。ミスが残らなかったのは、後工程の検査で拾い上げる形ではなく、人が情報を受け渡す場面自体を減らした結果と考えられます。今後は、従来システム化できなかった他の物流における目視検品作業への展開も予定されています。
うちでも使える?
応用が利きやすいのは、扱う品目が多くても、識別に必要な情報が対象物そのものに印字されている業務です。型番や管理番号、バーコードが本体側に付いているなら、人が目で読んでいる情報をそのまま画像認識の対象に置き換えられますし、登録という情報処理と物理的な移動が別作業に分かれている職場ほど、両者をつないだときの効き目は大きくなります。
反対に、外装の汚れや傷、個体ごとの状態差で印字が読み取れない品物や、識別の手がかりが現物の形状や質感の側にしかない品物では、同じ形では成立しません。搬送ロボットを24台走らせる編成も、床面積と一定の物量があって初めて釣り合う前提です。まずは自社の現場で、作業者が何を見て品目を判断しているのか、その手がかりが現物のどこに、どんな形で存在しているのかを1品目分だけ確かめてみる。応用可能性の見極めは、その確認から始まります。
この事例は2025年12月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:数値・Excel・ログ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
株式会社NTTロジスコ
東京都中央区に本社を置く3.5PL事業者。顧客のサプライチェーン最適化に貢献する物流サービス・ソリューションを提供し、サプライチェーントータルコーディネーター(SCTC)を目指している。埼玉物流センターでは、返却されたレンタル通信機器を再利用するリファビッシュ業務(回収品の登録・仕分け、クリーニング、動作試験、再生品のセット化等)を環境配慮型の3Reサービスの一環として実施している。
出典・参考情報
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