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  5. 熟練者の判断を再現するAIで、紙製品の荷積み計画を10秒以内に短縮|北越物流株式会社×横河電機株式会社の導入事例

✓ やさしく事例解説
運輸・物流
紙・パルプ製品の輸送・物流

実施 2025.07 ・ 更新 2026.08.17

熟練者の判断を再現するAIで、紙製品の荷積み計画を10秒以内に短縮

コンサル(導入支援・AI戦略支援)
開発(実装支援・AI搭載支援)

※イメージ画像です

熟練者の判断を再現するAIで、紙製品の荷積み計画を10秒以内に短縮 のプロジェクト概要図解

取り組み概要

やさしく事例解説

プロジェクト解析

実施・導入企業

こんな方へおすすめのAI解説です

  • ベテランしか組めない計画がある
  • 積み付けや配車の計画に時間がかかる
  • 後任が育たず引き継ぎが進まない
OVERVIEW

どのようなAIの取り組み?

熟練担当者の思考プロセスを再現するAIで、トラックの荷積み計画の自動立案を検証した実証実験の事例

業種

紙・パルプ製品の物流(運輸・物流)

取り組み領域

出荷業務/トラックの荷積み計画立案

使ったAI

荷積み計画AI(熟練者の思考プロセスを再現)

主な成果

一度の荷積み計画を10秒以内で立案できることを確認

熟練者の判断を再現するAIで、紙製品の荷積み計画を10秒以内に短縮 のプロジェクト概要図解

横河電機の子会社である横河デジタルが、北越コーポレーションの物流子会社・北越物流を対象に、トラックの荷積み計画をAIで自動立案する実証実験を行いました。紙製品の荷積み計画は、それまで複数の熟練担当者が製品の形状や出荷地域ごとに積載効率を見ながら組み立ててきた業務です。この実証実験では、YOKOGAWAのAIコンサルタントが熟練者の思考プロセスを聞き取り、現場の状況を踏まえたうえで、その判断を再現する荷積み計画AIを独自に開発しました。出荷品や車両、届け先からの指定といった複雑な条件を扱いながら、一度の計画作業を10秒以内で正確に立案できること、ドライバーの負担を抑えるための配送先の集約といった配慮まで織り込めることが確認されています。この結果を受け、北越コーポレーションと北越物流は2025年7月から当該AIを正式に採用しました。

出典:匠の思考プロセスを再現するYOKOGAWAの荷積み計画AIが計画立案作業を大幅に短縮 | YOKOGAWA 発行元:横河電機株式会社

EASY GUIDE

やさしく事例解説

何に困って、AIを入れたのか

紙製品の出荷計画には、製品の形状、運搬する車両、届け先からの指定といった制約が幾重にも重なります。そこへさらに、配送ドライバーの労働負荷が高まりすぎないよう届け先をできるだけ1か所にまとめ、複数になるならなるべく近隣で揃えるという配慮が加わる。従来の一般的な最適化技術では、目的と制約条件が複雑になるほどロジックの組み方の難易度が上がり、計画ができあがるまでの時間も延びていきます。自動化しにくく、後任の育成も容易ではない状態が続いていました。

編集部の見立てでは、この行き詰まりの中心にあったのは条件の数の多さではなく、条件として書き出されていない判断こそが業務の主役だった点ではないでしょうか。ドライバーへの気遣いのような「明文化されていない良し悪し」は、仕様書にも計算式にも載っていません。だからこそ機械に渡せず、同時に後任にも渡せなかったと考えられます。

どうやって、うまくいったのか

起点になっているのは、AIコンサルタントが熟練者本人から思考プロセスを聞き取り、現場の状況を理解したうえでAIを組み立てるという進め方です。ここで選ばれたのは、既存の最適化ロジックに条件を足し込んでいく方向ではなく、人がどの順で何を見て決めているのかという判断の道筋そのものを写し取る方向でした。制約を並べるだけでは表現しきれない業務ほど、この選択の差は大きく効いてきます。

人ならではの「気遣い」を、付け足しではなく計画の要件として組み込んだ設計も見逃せません。各トラックの配送先をできる限り1か所に集約し、複数になる場合は近い届け先で揃え、そのうえで積載量も見る。積載効率だけを突き詰めれば、計算上は良くても現場が受け入れにくい計画が出てきます。人の負担に関わる判断を最初から要件に含めたことが、机上で終わらない計画づくりを支えたのでしょう。

複雑な条件が増えるほどロジックの難易度が跳ね上がるという、従来手法の構造から降りた点も要因に挙げられます。条件の組み合わせを人が設計しきる前提を外し、熟練者の判断パターンを再現する形に置き換えたことで、考慮すべき事情が増えても組み立て直しの負担が膨らみにくい設計になっています。

具体的に、どんな成果が出たのか

改善・向上したこと

対応時間・リードタイムの短縮
業務の自動化
属人化解消
社内ナレッジ活用
従業員満足度・働き方改善

推進したこと

プロトタイプ開発(PoC)

この事例で出た成果

実証実験では、出荷品や車両、届け先の指定といった複雑な条件を考慮しながら、一度の荷積み計画作業を10秒以内で正確に立案できることが確認されました。配送先を1か所に寄せる、複数になる場合は届け先を近くにする、積載量も見るといった熟練者の気遣いを織り込んだ計画立案が行えることも、あわせて確認されています。この結果を受けて北越コーポレーションと北越物流は2025年7月から正式採用に移っており、検証で終わらず実務に載った点が、この取り組みの到達点を示しています。

うちでも使える?

応用しやすいのは、判断の材料と良し悪しの基準を、担当者が自分の言葉で説明できる業務です。荷積み計画のように、出荷品・車両・届け先という材料がそろっていて、熟練者に「なぜこの積み方にしたのか」を語ってもらえるなら、その道筋を再現する形へ持ち込む余地があります。配車、シフト、生産の割り付けといった計画づくりは、構造としてこの事例に近い位置にあります。

逆に難しいのは、配慮の中身が担当者ごとにばらついていて、社内でどれを正とするか決着していない場合です。この事例では、ドライバーの負荷を高めすぎないという方針がはっきりしていたからこそ、届け先の集約という具体的な要件に落ちています。基準が割れたまま写し取れば、誰の判断を再現したのか分からないものができあがります。

まずは直近に組んだ計画を1件持ち出し、担当者に「ここで何を避けたのか」を聞いてみるところから。避けた理由の側にこそ、明文化されていない判断が残っています。

この事例は2025年7月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。

ANALYSIS

プロジェクト解析

プロジェクト内容

AI導入・支援形態

AIシステム受託開発
PoC(実証実験・概念実証)

導入部門・データ活用

導入部門:全社共通・汎用業務

AIによる定型業務の自動化
荷積み計画立案
配車計画の自動化
配送ルート最適化
輸配送コストの最適化

活用したデータ:文書・ナレッジ

匠の思考プロセス
在庫・生産・物流データ

採用したAI技術・ツール

採用したAI技術:AIモデル・構築手法

その他のAIモデル・手法

AIモデル・ツール

荷積み計画AI
COMPANIES

プロジェクト実施・導入企業

実施・支援企業 (VENDOR)

横河電機株式会社

東京都武蔵野市
東京都武蔵野市

子会社の横河デジタル株式会社を通じ、匠の思考プロセスを再現する荷積み計画AIを独自開発。各社の事情に合わせた提供により、物流現場の業務効率化と持続可能な運用体制の構築に取り組んでいる。

この取り組みに関心があれば 横河電機株式会社の公式情報をご覧ください

導入先企業 (CLIENT)
北越物流株式会社
業種:紙・パルプ製品の輸送・物流

出典・参考情報

※本事例は以下の公開情報を元にWarpBiz編集部がリサーチ・作成しました。

匠の思考プロセスを再現するYOKOGAWAの荷積み計画AIが計画立案作業を大幅に短縮 | YOKOGAWA

発行元:横河電機株式会社

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