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  5. ドローンとAI解析で森林調査の工数8割減を実証、林業向けにサービス化|宮城県女川町、北海道芦別市の導入事例

✓ やさしく事例解説
農業・林業・漁業
林業(森林調査・森林経営管理)

実施 2025.03 ・ 更新 2026.08.17

ドローンとAI解析で森林調査の工数8割減を実証、林業向けにサービス化

コンサル(導入支援・AI戦略支援)
開発(実装支援・AI搭載支援)

※イメージ画像です

ドローンとAI解析で森林調査の工数8割減を実証、林業向けにサービス化 のプロジェクト概要図解

取り組み概要

やさしく事例解説

プロジェクト解析

実施・導入企業

こんな方へおすすめのAI解説です

  • 現地調査に人手と時間を取られている
  • 危険な場所での作業を減らしたい
  • 高齢化で調べられる人が足りない
OVERVIEW

どのようなAIの取り組み?

ドローンとAI解析ソフトウェアで森林の情報を一本ごとに可視化し、実証実験で調査工数の約8割削減を確認したうえでサービス化されたAI取り組み

業種

林業(農業・林業・漁業)

取り組み領域

森林調査/森林経営管理

使ったAI

AI解析ソフトウェア(DF Scanner/DF LAT)とドローン

主な成果

実証実験で調査工数を約8割削減(19人日→4人日程度)

ドローンとAI解析で森林調査の工数8割減を実証、林業向けにサービス化 のプロジェクト概要図解

日立システムズは2025年3月17日、ドローンとAI解析ソフトウェアを組み合わせた「森林調査DXサービス」の提供を始めました。空から取得したデータをAIで解析し、樹木一本ごとの樹種、樹高、胸の高さでの幹の直径、幹の体積、CO2固定量までを推定して可視化する内容です。想定する利用者は地方公共団体や森林組合などの林業事業体で、人が斜面を歩いて測る従来の調査を、より短期間で安全に置き換えることを狙っています。解析だけにとどまらず、写真測量やLiDAR(レーザー光で距離や形を測る技術)を用いたドローン測量まで含めて請け負う形も選べます。中核となるAI解析ソフトウェアは京都大学発のDeepForest Technologiesが提供し、両社は同年3月12日に最上位の特約店として提携契約を結んでいます。

出典:ドローンとAI解析ソフトウェアによる「森林調査DXサービス」を提供開始:ニュースリリース:2025年:株式会社日立システムズ 発行元:株式会社日立システムズ

EASY GUIDE

やさしく事例解説

何に困って、AIを入れたのか

森林調査は、間伐や保全の計画を立てる前に必ず挟まる作業です。ところが人が立ち入る調査には大きな労力と時間、コストがかかり、傾斜地では転倒や滑落の危険もつきまといます。担い手である林業事業体は高齢化と人手不足を抱えており、調査に回せる人そのものが細っている状況。

一方で、2019年に施行された森林経営管理法に基づく制度やカーボンニュートラルの推進を受けて、手入れの行き届かない森林の整備は活発になり、森林由来のカーボンクレジット(削減・吸収したCO2を取引できる形にした仕組み)を生むには長期的な管理計画が欠かせません。編集部の見立てでは、この事例の困りごとの本質は調査が大変だということ自体ではなく、需要が増える方向に動いているのに、供給側の調査能力だけが人と地形という物理的な制約で伸びない点にあります。前工程が詰まれば、その先の計画づくりもクレジット化も動き出しません。

どうやって、うまくいったのか

出力を単木単位に置いたことが、この設計の芯だと考えられます。樹種、樹高、胸高直径、幹の体積、CO2固定量という項目は、いずれも森林経営の計画づくりやクレジット量の推定でそのまま使われる数値です。AIに何を推定させるかを、森全体のおおまかな様子ではなく、後工程が必要とする粒度に合わせている点が効いています。林地の材積生産力を示す「地位」の特定にも解析結果を回せるのは、この粒度があってこそ。

データを取る段階まで引き受けた構成も見逃せません。解析だけを提供すれば、利用者は自前で測量する必要に迫られ、そこで手が止まります。写真測量に加えてLiDARによるレーザー測量にも対応し、J-クレジット制度の申請ではLiDAR搭載ドローンでの計測が前提になるという制度側の条件まで含めて選べるようにした設計は、精度の議論に入る前の実務のつまずきを先回りして外しています。森林内の作業道や微地形まで捉えた地形図が同時に得られるのも、測量と解析を切り離さなかったことの効用でしょう。

技術と現場知を分けて持ち寄る体制の組み方も、この取り組みの特徴です。AI解析ソフトウェアは「DF Scanner」「DF LAT」を主軸とする京都大学発のDeepForest Technologiesが担い、日立システムズは森林組合との協業で蓄えてきた調査の段取りやデータ加工のノウハウを持ち込む形で、最上位の特約店として提携しています。主要な人工林ではない樹種には現地情報を一部入力して対応する仕組みも、すべてをモデル任せにせず人の知見を必要な分だけ足すという割り切りで、現場の多様さを吸収する現実的な折り合いの付け方です。

具体的に、どんな成果が出たのか

改善・向上したこと

コスト削減
人手不足の解消
生産性向上
品質・安全性向上
データ分析・意思決定支援

推進したこと

プロトタイプ開発(PoC)
新サービス・製品開発

この事例で出た成果

サービス提供に先立つ実証実験では、宮城県女川町で、人が立ち入ると19人日ほどかかる場所の調査がわずか4人日程度で実施でき、業務工数の約8割削減が確認されました。北海道芦別市では、本州の主要な人工林であるスギやヒノキ以外の樹種でも、9割以上の精度で樹種を識別できることが確かめられています。取得した森林情報は長期的な森林管理の計画に寄与し、将来的に創出できるカーボンクレジット量の推定にも活用できることが分かっています。一方、調査時間の短縮に伴う人的コストの削減や、森林所有者への施業提案がしやすくなることは、サービスとして期待される効果として示されている段階です。

うちでも使える?

応用しやすいのは、対象が上空から見えていて、知りたいことを数値の項目として決められる領域です。森林の一本ごとの高さや太さのように、測る対象と測り方が定義できるなら、人が現地を歩く回数を減らせる余地は大きくなります。反対に持ち込みにくいのは、主要な人工林ではない樹種に現地情報の入力が要ったように、現場の人が知っていることを足さないと判定が定まらない対象を多く含む場合です。さらに、J-クレジットの申請のように成果物の使い道が外部の基準に縛られる場面では、精度だけでなく計測の方法まで基準に合わせる必要があり、使える機材や手順の幅は狭まります。

まず試すなら、自社が外部に出している計画書や報告書を一件開き、そこに並ぶ数字がどの現地確認から来ているのかを逆にたどってみるところから。人が行かないと埋まらない欄がはっきりすれば、置き換えを検討すべき工程はおのずと絞られます。

この事例は2025年3月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。

ANALYSIS

プロジェクト解析

プロジェクト内容

AI導入・支援形態

SaaS・AIツール導入
PoC(実証実験・概念実証)

導入部門・データ活用

導入部門:全社共通・汎用業務

専用AIツールの導入
森林調査
森林資源の画像解析
生育状況のモニタリング

活用したデータ:画像・動画・3D

ドローン・空撮映像
衛星・地図・空間データ

採用したAI技術・ツール

採用したAI技術:画像AI

樹種識別
立木サイズ推定
CO2固定量推定

AIモデル・ツール

DF Scanner
DF LAT

連携ツール

連携したシステム・外部サービス

LiDAR搭載ドローン
COMPANIES

プロジェクト実施・導入企業

実施・支援企業 (VENDOR)

株式会社日立システムズ

東京都品川区
東京都品川区

さまざまな業種の課題解決で培った業務知識やノウハウを持つ人財が、日立グループ各社やビジネスパートナーと連携し、One HitachiでLumada事業を中心に顧客のデジタル変革を支援するITサービス企業。全国約300拠点のネットワークを持ち、森林組合との協業を通じて森林調査でのドローン活用やデータ加工・解析の知見を蓄えている。代表取締役 取締役社長は柴原節男氏。

この取り組みに関心があれば 株式会社日立システムズの公式情報をご覧ください

導入先企業 (CLIENT)
宮城県女川町、北海道芦別市
業種:林業(森林調査・森林経営管理)

出典・参考情報

※本事例は以下の公開情報を元にWarpBiz編集部がリサーチ・作成しました。

ドローンとAI解析ソフトウェアによる「森林調査DXサービス」を提供開始:ニュースリリース:2025年:株式会社日立システムズ

発行元:株式会社日立システムズ

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