実施 2025.07 ・ 更新 2026.08.17
ジョイフル、セルフオーダーや公式アプリを6言語化するAI翻訳の運用
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 外国人のお客様の対応が従業員の語学力頼み
- メニュー更新のたびに翻訳作業が発生する
- 多言語対応の運用コストが重くて踏み出せない
どのようなAIの取り組み?
更新を自動検知して翻訳する仕組みと用語集の運用により、セルフオーダーや公式アプリなど3つのサービスを6言語で公開した多言語対応の取り組み
業種
ファミリーレストラン(飲食サービス)
取り組み領域
注文サービス・公式アプリの多言語対応
使ったAI
WOVN.io(Webサイト多言語化AIソリューション)
主な成果
3サービスを日本語+6言語で公開開始
全国に600店舗以上(2025年5月31日現在)を展開する九州・大分県発のファミリーレストラン「ジョイフル」が、QRセルフオーダーシステム、ネット注文サイト「Joyfullネット注文」、公式アプリ「ジョイフルアプリ」の3つのサービスについて、日本語に加えて英語、簡体字、繁体字、韓国語、ベトナム語、ポルトガル語の6言語での公開を開始しました。使われたのは、Wovn Technologiesが提供するWebサイト多言語化AIソリューション「WOVN.io」です。インバウンド客や在留外国人が増える一方で、各種デジタルサービスは日本語のみの運用にとどまり、外国人のお客様への対応が店舗従業員の語学力に頼る部分が大きくなっていました。元のコンテンツの追加・変更を自動で検知して翻訳・反映する仕組みと、サービスをまたいで固有名詞の訳を揃える「用語集」機能を組み合わせ、更新が頻繁に起きる情報も多言語で出し続けられる形を整えています。
出典:ジョイフル、『ネット注文』『セルフオーダー』『公式アプリ』の3サービスに WOVN.io を導入 - WOVN.io BLOG 発行元:Wovn Technologies株式会社
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
ジョイフルは2024年4月にQRセルフオーダーシステムを全店舗へ導入するなど、デジタル施策を進めてきました。ところがそれらのサービスはいずれも日本語のみの運用で、都心や観光地の店舗を中心に外国人のお客様が増える中、対応が店舗従業員の語学力に頼る部分が大きくなるという課題が表面化します。多言語対応そのものは検討されていたものの、初期のシステム開発だけでなく運用にも多大なコストがかかる点がネックになっていました。
編集部の見立てでは、この困りごとの本質は「翻訳すべき量が多い」ことではなく、「翻訳が一度で終わらない」ことにあります。公式アプリのクーポンやお知らせは頻繁に書き換わり、セルフオーダーシステムやネット注文サイトの情報もメニュー変更のたびに更新されます。つまり多言語対応は完成させる作業ではなく、日本語側の更新に永久についていく運用業務です。ここを見誤ると、初期の翻訳費用だけを見て導入し、更新のたびに翻訳が滞って表示がちぐはぐになる、という結末を招きかねません。
どうやって、うまくいったのか
更新の検知と翻訳・反映を人の作業から切り離した設計が、この取り組みの土台になっています。WOVN.ioの独自技術は元コンテンツの追加・変更を自動で検知し、自動翻訳して反映します。日本語側を書き換えれば多言語側が追従する構造にしたことで、担当者が更新のたびに翻訳を手配し、反映を確認するという工程そのものが運用から外れました。更新頻度の高いコンテンツを抱える事業にとって、翻訳の手間を減らすことより、翻訳を発生させる作業手順をなくすことのほうが効いてくるのではないでしょうか。
固有名詞の訳をサービス横断で共通化するという判断も見逃せません。「用語集」機能を使えば、Webサイトやアプリといった別々のサービスをまたいでメニュー名などの固有名詞を揃えられ、類似する原文には過去の翻訳を再適用できます。飲食店の場合、同じ一皿がセルフオーダーの画面とネット注文とアプリで違う名前に見えると、注文体験そのものが崩れます。翻訳品質を語調の巧拙ではなく表記の一貫性として捉え、そこに機能を当てた点が、複数サービスへ同時に広げても破綻しない条件をつくったと考えられます。
品質の要求水準に応じて翻訳方式を切り替えられるようにした点も、実運用に耐える構成です。ジョイフルはスピーディな多言語対応を前提としつつ、一部のコンテンツにはネイティブレベルの高品質な翻訳を求めていました。AIによる自動翻訳とプロの翻訳者による人力翻訳の両方を選べる形にすることで、全体は自動で回しながら、慎重さが要る箇所だけ人が担う配分が可能になります。加えて、対応言語を在留外国人の約8割をカバーする6言語に絞った選定にも、対象を広げすぎず運用可能な範囲に収める判断が表れています。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
この事例で出た成果
QRセルフオーダーシステム、ネット注文サイト、公式アプリの3サービスで、日本語に加えた6言語での多言語公開が開始されました。言語や国籍にかかわらずすべてのお客様が食事を楽しめる環境づくりという当初の狙いに沿った形です。今後については、外国人のお客様がより便利に利用できるサービスを提供することで、店舗そのものへの親しみを持ってもらうことが目標として掲げられています。画面の言語が増えたこと自体より、更新が続いても6言語が揃った状態を保てる運用に移った点が、この取り組みの実質的な到達点だと編集部は見ています。
うちでも使える?
参考にしやすいのは、自社サイトやアプリ、注文端末など複数の画面で同じ商品名・サービス名を出しており、その内容が日々書き換わる事業です。飲食チェーンに限らず、小売や宿泊、EC事業でも、既存のサイトに後付けする方式であれば大がかりな作り直しを避けられる可能性があります。判断の分かれ目は翻訳の量ではなく、更新の頻度と、複数チャネルで名称を揃える必要があるかどうかです。
一方で、相性が良くない状況もあります。日本語側のメニュー名や商品名がシステムごとにばらばらに管理され、社内でも表記が統一されていない場合、用語集を整えること自体が先に必要な仕事になります。また、注文や案内の大半が対面の会話で進み、画面に載る情報が少ない業態では、画面の多言語化だけでは効果が届きにくいでしょう。アレルギー表示や規約のように誤訳が事故につながる箇所は、自動翻訳に任せきりにせず人の確認を残す前提で考えたほうが無難です。
最初の一歩としては、自社の注文画面や予約ページを実際に英語表示に切り替えて、外国のお客様が最初にどこで手が止まるかを自分の目で確かめてみてはいかがでしょうか。詰まる箇所が数か所に集中しているなら、全面的な多言語化を待たずに手を打てます。
この事例は2025年7月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
Wovn Technologies株式会社
Webサイト多言語化AIソリューション「WOVN.io」、アプリ多言語化AIソリューション「WOVN.app」の開発・運営を行う企業。WOVN.ioはWebサイトを最大45言語・79のロケールに多言語化するソリューションで、既存のWebサイトに後付けでき、18,000サイト以上に導入されている。資本金53億6,701万円(資本準備金含む、2021年9月1日現在)。
株式会社ジョイフル
出典・参考情報
ジョイフル、『ネット注文』『セルフオーダー』『公式アプリ』の3サービスに WOVN.io を導入 - WOVN.io BLOG
発行元:Wovn Technologies株式会社
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