実施 2026.04 ・ 更新 2026.08.17
人材開発助成金で5日間の生成AI研修、社員40名の建設・不動産会社が全部署に定着
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- ベテランの頭の中にしかない見積のコツ
- 研修にかける予算が取れない
- ツールを入れても誰も使わない
どのようなAIの取り組み?
人材開発助成金を使った5日間研修と月次の伴走支援で、各部署に生成AIリーダーを立て、過去の積算データのナレッジ化まで進めたAI取り組み
業種
建設・リフォーム業(不動産)
取り組み領域
積算業務/全社のナレッジ共有
使ったAI
NotebookLM(生成AIによる社内データ検索)
主な成果
部長陣7名の研修修了と各部署へのAIリーダー5名配置で全部署にAI活用が定着(積算の時間短縮効果は検証中)
長崎県で建設・リフォーム・不動産を手がける株式会社グッドハウス(従業員約40名)が、全社での生成AI活用に踏み出した取り組みです。支援に入ったのは福岡の株式会社BoostXで、厚生労働省の人材開発助成金を使って研修費用の負担を抑えたうえで、部長陣7名が5日間、座学を最小限にしたハンズオン中心の研修を受けました。その後は各部署に生成AIリーダーを5名配置し、自部署の業務課題を顧問と一緒に解いていく形で展開。リフォーム部の積算業務では、過去データを工事の種類・規模・材料・工期・金額といった項目ごとに整理し、NotebookLMに集約して過去事例を呼び出せる状態をつくっています。研修が終わったあとも、その場で質問できるチャットと月1回のミーティングが続いています。
出典:【導入事例】建設・リフォーム業のAI活用|人材開発助成金×研修で全社導入を実現した方法 発行元:株式会社BoostX
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
同じ手作業の繰り返しに時間を取られ、ノウハウはベテランの頭の中にしかない。業界のDXから取り残されるという漠然とした不安の一方で、社内には「AIで本当に仕事が楽になるのか」「導入しても結局使われなくなるのでは」という懐疑の声がありました。
編集部の見立てでは、この会社が最初に突き当たっていたのは、AIの性能でも予算でもなく、社内の誰も「うちの仕事にどう効くのか」を具体的に語れなかったことではないでしょうか。実際、積算データの整理を進める過程で「この情報、今まで記録してなかったね」という気づきが生まれています。ベテラン頼みという状態は、経験が属人的だから起きるというより、判断の材料を残す習慣がなかったために起きていた。だとすれば、必要だったのはツールの導入というより、社内の知識を書き出せる形に変える作業そのものだったと考えられます。
どうやって、うまくいったのか
研修の入口を部長陣7名に絞り、座学を最小限にしてハンズオン中心に組んだ設計が、この取り組みの土台になっています。管理職が自分の手で動かして「これはいける」と感じた状態をつくってから各部署へ広げる順序は、現場に降りてきた指示が「上はよく分かっていないのに言っている」と受け取られる余地を先に潰します。さらに人材開発助成金の活用によって会社の費用負担を抑えた点は、経営層の合意形成を後押しし、5日間という腰を据えた時間の確保にもつながりました。
各部署に生成AIリーダーを立て、「教える」のではなく「一緒にやる」進め方を選んだことも見逃せません。リーダーと顧問が横に並んで自部署の課題に取り組み、見てもらいながらやる段階から一人でできる段階へ移していく。この段階の踏み方は、研修で得た知識が業務に接続されないまま消えていく典型的な失敗を避ける形になっています。IT専門の部署がない会社で自走が始まった背景には、社内に相談相手を先につくった順番の効果があるのではないでしょうか。
過去の見積書をそのまま集めるのではなく、工事の種類・規模・材料・工期・金額といった項目に分けて構造化してからNotebookLMに載せる。この一手間を伴走の中に組み込んだことが、実用に足る精度を左右したポイントだと考えられます。しかもこの整理作業は、記録の抜けを可視化して業務フローの見直しまで引き出しました。加えて、疑問が出た瞬間に聞けるチャットと月1回のミーティングで効果確認と次の課題出しを回し続ける仕組みが、「わからないから後回し」を溜めない歯止めとして働いています。専門用語に頼らず現場の言葉で説明する姿勢も、この歯止めを機能させる前提でした。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
部長陣7名が研修を修了し、各部署に生成AIリーダー5名が立ち、AI活用は全部署へ広がりました。積算業務の時間短縮効果は現在検証中ですが、現場からは過去の事例をすぐ引き出せるようになったという声が上がっています。導入前は半信半疑だった社員が自らデータの構造化に取り組むようになり、リフォーム部の動きを見た建設部門では施工事例のデータベース化、不動産部門では物件情報の整理へと取り組みが波及し始めています。数値の裏づけはこれからでも、知識の置き場所が変わったこと自体が実務上の変化として大きいはずです。
うちでも使える?
相性がよいのは、過去の見積・施工・物件といった実績データが手元にあり、それを引き出せるのが特定のベテランに限られている業務です。項目に分けて整理できる情報であれば、社内向けの検索先として形にしやすく、部門をまたいで横展開する余地も生まれます。一方で、記録そのものが残っていない業務や、現場ごとに条件が違いすぎて項目に落とせない判断は、同じ手順を踏んでもうまくいきにくい。この事例で成果が出た積算業務も、金額や工期という数値に落ちる情報が中心だったからこそ構造化が成立した面があります。
もう一点、研修費用を助成金で抑えられるかどうかは制度の要件次第です。金額の前提が変われば、5日間という時間の取り方も変わります。手をつけるなら、直近の見積を数件並べて、工事の種類・規模・材料・工期・金額にあたる欄が自社の記録に揃っているかを確かめるところから。揃っていない欄が見つかれば、それが最初に埋めるべき記録の穴です。
この事例は2026年4月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
株式会社BoostX
中小企業の生成AI導入を支援する「生成AI伴走顧問」サービスを提供。業務可視化から定着支援まで、要件定義・実装・定着を一気通貫で伴走している。
株式会社グッドハウス
出典・参考情報
【導入事例】建設・リフォーム業のAI活用|人材開発助成金×研修で全社導入を実現した方法
発行元:株式会社BoostX
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