実施 2026.04 ・ 更新 2026.08.17
楽天トラベル、AIが好みに合う宿を提案し予約まで完結させる対話型の設計
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 候補は絞れても予約まで進まない
- 選択肢が多すぎて客が選びきれない
- 申込フォームの途中で離脱される
どのようなAIの取り組み?
AIエージェントとの対話で、宿泊施設の提案から予約の確定までを一続きにしたAI取り組み
業種
オンライン旅行予約(宿泊・観光)
取り組み領域
宿泊予約サービス/提案から予約までの導線
使ったAI
対話型AIエージェント「Rakuten AI」
主な成果
利用者数とAI経由の予約・転換率が継続的に増加
楽天グループが運営する旅行予約サービス「楽天トラベル」は、2026年4月30日、宿泊施設を提案するAIエージェント「Rakuten AI」に予約機能を追加しました。前身は2025年9月に始まった「AI Hotel Search」で、話し言葉で伝えられた要望を読み取り、Web検索の結果に口コミ、施設情報、予約データを組み合わせた候補を示します。候補は最大30件まで一覧や地図で見比べられます。今回の追加により、希望の日程や設備をチャットで伝え、提案された宿泊プランを選び、そのまま予約を確定するところまでが一つの流れになりました。楽天IDでログインしていれば、クーポンや割引を適用した料金と獲得予定のポイントを確認でき、氏名や連絡先、クレジットカード情報を入力し直す必要もありません。
出典:Rakuten Travel Adds New Booking Feature to Enhance Hotel Recommendation AI Agent | Rakuten Group, Inc. 発行元:楽天グループ株式会社
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
楽天トラベルは国内最大級の宿泊施設の掲載数を持ち、AIエージェントも最大30件の候補を一覧や地図で見比べられるようにしています。候補を集めて並べるところまでは、すでに対話の中で完結していました。ただ、予約を確定する行為そのものは、対話の外側に置かれたままでした。
編集部の見立てでは、ここでの詰まりは「良い宿を見つけられるか」ではなく、「決めたあとに手が止まるか」にあったのではないでしょうか。条件を言葉で伝えて候補が絞り込まれた直後は、利用者の気持ちがもっとも前のめりになっている瞬間です。そこで会話を離れ、氏名や連絡先、カード情報を入力し直す手続きが挟まれば、温まった検討は一度冷めてしまいます。提案の精度をさらに上げることよりも、提案と予約のあいだに残った段差をなくすほうが実際の予約に効く——今回の機能追加は、その判断として読めます。
どうやって、うまくいったのか
対話の中に予約の確定までを収めた設計が、この取り組みの中心にあります。利用者は希望の日程や設備をチャットで伝え、提案された宿泊プランを選び、条件が満たされているかを確かめたうえで、その場で予約を確定できます。楽天IDでログインしていれば、クーポンや割引を適用した料金と獲得予定のポイントが同じ流れの中で確認でき、氏名・連絡先・クレジットカード情報を打ち直す必要もありません。会員基盤がすでに保持している情報を最終段階で呼び出す構造にしたことで、対話から手続きへ移るときの断絶が生まれにくくなっています。
推薦の材料を束ねながら、見比べる画面を残した点も見逃せません。このAIエージェントは話し言葉の要望を読み取り、Web検索の結果に加えて口コミ、施設情報、予約データまで組み合わせて候補を提示します。そのうえで最大30件を一覧や地図に並べ、AIが絞り込む役割と、人が自分の目で確かめる役割を切り分けています。対話型のサービスは会話だけで完結させたくなるものですが、比較という行為を利用者の手元に残した判断は、宿選びのように好みが細かく分かれる買い物では効いてくると考えられます。
過去の予約履歴を入口に据えた導線にも、設計の意図が表れています。「いつもの宿を来週末に」といった曖昧な言い方でも、以前予約した施設の中から空いている宿泊プランを示すため、常連の利用者は条件を一から説明せずに済みます。同じプランや部屋が確保できないときには、価格帯と部屋タイプが近い代替案を出す動きも用意されています。要望に応えられない場面をあらかじめ想定し、行き止まりを作らないようにしたことが、対話を予約という結果につなげるうえでの要になっているのではないでしょうか。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
2025年9月に前身のAIエージェントが登場して以降、利用者数と、その後の予約に至る転換率はいずれも伸び続けています。Rakuten AI経由の予約件数も、正式提供の開始から着実に増えています。具体的な数値までは公開されていませんが、今回の機能追加がこの伸びを踏まえた判断として示されている点からは、対話から予約までを一本化する方向に手応えが得られている状況がうかがえます。
うちでも使える?
応用しやすいのは、利用者が多くの選択肢から一つを選び、そのまま申し込みまで進む商売です。宿泊に限らず、レンタル、講座、車両やスペースの予約など、在庫と価格をその場で引ける仕組みがあり、会員情報や決済手段を事前に預かっていれば、対話の中で申し込みを終える形は組み立てやすくなります。反対に、契約条件が一件ごとに変わる取引や、対面での説明・審査・承認が法令や社内規程で求められる場面では、確定まで任せる構成にはしにくいはずです。履歴を手掛かりにした「いつもの」提案も、繰り返しの利用が少ない商材では働きません。
まず試すなら、自社の予約・申込フォームを会員としてログインした状態で最後まで通し、途中で何回、すでに社内にあるはずの情報を入力させているかを数えてみる。AIを載せる前に埋められる段差が、そこに残っているかもしれません。
この事例は2026年4月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
導入部門・データ活用
導入部門:マーケティング
活用したデータ:数値・Excel・ログ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
楽天グループ株式会社(楽天トラベル)
日本の大手オンライン旅行予約サービス。2001年に提供を開始し、国内の宿泊施設の掲載数は国内最大級。海外を含む14拠点で事業を展開し、英語・日本語・簡体字中国語・繁体字中国語(台湾/香港)・韓国語・タイ語・インドネシア語・ベトナム語の9言語に対応する。運営元の楽天グループは、EC、フィンテック、デジタルコンテンツ、通信など70を超える事業を展開している。
出典・参考情報
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