更新 2026.08.17
有料老人ホームのシフト作成時間を約9割削減、AI自動作成の導入効果
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 毎月のシフト作成に半日近く取られている
- 夜勤や短時間勤務の組み合わせが複雑
- シフトを組めるのが特定の人だけ
どのようなAIの取り組み?
AIによる勤務シフトの自動作成で、1ホームあたりの作成時間を約9割短縮した介護事業者のAI取り組み
業種
有料老人ホーム運営(介護・福祉)
取り組み領域
人事労務/勤務シフト作成
使ったAI
勤務シフト自動作成サービス「Shiftmation」
主な成果
1ホームのシフト作成時間が5〜6時間から15〜30分に短縮
首都圏と近畿圏で有料老人ホームを運営する株式会社チャーム・ケア・コーポレーションが、各ホームの勤務シフト作成にAIを取り入れました。同社の介護DX推進課は「入居者へのサービスレベルの向上」と「現場業務の効率化」を掲げており、その手段として、毎月マネージャーの時間を大きく占めていたシフト作成の自動化を選んでいます。採用したのは、Shiftmation, Inc. が提供する勤務シフト自動作成サービスのShiftmationです。同社は事前に2社のシフト作成システムを試していたものの想定した効果は得られず、検討が難航していました。今回は提供元のカスタマーサクセス担当と検証を重ね、夜勤のシフト、出勤時間の異なるパートの組み合わせ、フロア別の出勤人数といった介護現場に必要なルールを設定に反映させたうえで導入に至っています。
出典:株式会社チャーム・ケア・コーポレーション様 – 勤務シフト自動作成サービス | Shiftmation(シフトメーション) 発行元:Shiftmation, Inc.
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
シフト作成は毎月マネージャーの時間の多くを費やす作業で、以前から改善の検討が続けられてきました。ただし2社のシフト作成システムを試した段階では、想定する効果に届かないまま検討が止まっています。
編集部の見立てでは、困りごとの本質は作業時間の長さそのものではなく、介護のシフトが満たすべき条件が幾重にも重なり、しかもその大半が担当者の頭の中にしか存在していなかった点にあります。夜勤の並べ方、パートごとに異なる出勤時間、フロア別に確保すべき人数。こうした条件は「ルール」として書き出されていないため、自動化の仕組みに載せても現場が使える形の答えが返ってこない。先行して試した2システムで効果が出なかったのは、ツールの性能というより、現場の条件を機械が扱える形に表現しきれなかったことの表れと読めます。さらに、組める人が限られる状態は、毎年10ホーム以上の新規開設を目指す事業計画とも噛み合いません。
どうやって、うまくいったのか
最初に効いたのは、介護のシフト作成に必要なルールを、そのまま条件として持ち込めるかどうかを確かめる進め方です。難しい夜勤のシフト、出勤時間の異なるパートの組み合わせ、フロア別の出勤人数の考慮といった項目は、どれも介護の現場でなければ生まれない制約です。汎用的な自動作成の機能をそのまま当てるのではなく、この業種固有の制約を満たせることを前提条件に置いた設計だったからこそ、現場が実際に運用できる出力にたどり着いたのではないでしょうか。
提供元のカスタマーサクセス担当とともに検証を進めた点も、成否を分けた要素です。条件設定は一度で正解に届く性質のものではなく、出てきたシフトを現場の目で見て、足りない制約を足していく往復が要ります。検証を始めて1ヶ月程度という短い期間で実用の水準に届いていることからも、設定と確認を小刻みに回す進め方が機能したと考えられます。
そしてこの手順そのものが、暗黙知を形式知へ移す作業になっていた点は見逃せません。AIに任せるには、これまで担当者の勘と経験で処理していた配置の判断を、機械が解釈できるルールとして外に出さざるを得ない。自動化を目的に始めた設定作業が、結果的に「なぜこの並びなのか」を言語化する場になったところに、この事例の面白さがあります。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
この事例で出た成果
もともと1ホームあたり5〜6時間かかっていたシフト作成時間は、15〜30分にまで短縮され、作成業務の約9割が削減されました。時間の効果にとどまらず、作成ルールが形式知になったことで、各ホームの働きやすさの平準化や、シフト作成権限の引き継ぎのしやすさにもつながっています。生み出されたマネージャーの時間は、入居者のケアやスタッフとのコミュニケーションに充てることが想定されており、サービスレベルの向上そのものはこれから実現を目指す段階です。年10ホーム以上の新規開設を掲げる事業計画にとって、シフトを組める人を増やせる意味は小さくありません。
うちでも使える?
応用が利くのは、守るべき条件が数多くあり、しかもそれを文章や表として書き出せる種類の業務です。夜勤の並び、時間帯ごとの必要人数、資格や担当の制約といった要素は、ルールとして表現できれば機械が扱えます。複数の拠点で同じ性質の作業を繰り返している組織ほど、一度作った条件のひな形を横に展開できるため、効果は積み上がりやすいでしょう。
一方で、シフトの善し悪しが「誰と誰を同じ日に入れると現場が回る」といった、記録に残っていない人間関係や体調の機微で決まっている場合は、そのままでは条件に落とせません。拠点ごとにルールの解釈が食い違っている状態も、自動化以前の整理が必要になります。この事例でも、先に試した2システムでは効果が出ていない以上、自社の制約を表現できるかどうかを見極める検証期間を確保できるかが分かれ目になります。
まず試すなら、直近1ヶ月の完成したシフトを1枚だけ手元に置き、担当者に「なぜこの配置にしたのか」を一つずつ説明してもらってはどうでしょうか。説明が言葉になる部分と、ならない部分の比率が、そのまま自動化のしやすさの目安になります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
導入部門・データ活用
導入部門:バックオフィス・管理部門(人事・経理・法務)
活用したデータ:数値・Excel・ログ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:AIモデル・構築手法
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
Shiftmation, Inc.
複雑な勤務シフトを自動作成するサービス「Shiftmation」を提供。介護・医療業界を中心に、専門職の夜勤を伴うシフトを短時間で作成し、きめ細やかな条件設定によって事業運営とスタッフの希望の両立を図る。
株式会社チャーム・ケア・コーポレーション
出典・参考情報
株式会社チャーム・ケア・コーポレーション様 – 勤務シフト自動作成サービス | Shiftmation(シフトメーション)
発行元:Shiftmation, Inc.
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