実施 2025.07 ・ 更新 2026.08.17
介護記録と議事録の作成を生成AIで、社会福祉法人の事務負担を減らした現場運用
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 記録や書類作成に追われて残業が続く
- 家族や外部向けの文書に気を遣い時間がかかる
- AIに不慣れな職員が多く使ってもらえない
どのようなAIの取り組み?
介護記録や議事録、家族・ケアマネジャー向けの文書作成を業界特化型の生成AIサービスで肩代わりし、現場の事務負担を軽くした事例
業種
介護施設運営(介護・福祉)
取り組み領域
介護記録・対外文書作成/議事録作成
使ったAI
介護医療業界特化の生成AIサービス「むすぼなAI」
主な成果
記録業務の負担が軽減し、対外向け文書を短時間で作成
介護施設を運営する社会福祉法人神戸福生会が、株式会社やさしい手の提供する介護医療業界向け生成AIサービス「むすぼなAI」を業務に取り入れました。日々の記録や議事録づくりに時間を取られ、残業が常態化していた事務作業の見直しが出発点です。運用が始まってからは、社内向けに書かれた記録をケアマネジャー向け・家族向けの表現へ書き換える作業、外国人職員に渡す説明資料の作成、ミーティングの録音を文字起こしして議事録に仕上げる流れなどをAIが担うようになりました。最も使われているのはチャット機能で、何でもAIに尋ねる習慣が現場に根づいています。導入にあたっては半年間のサポート期間が設けられ、同業者の活用事例の共有が進め方の下敷きになりました。
出典:5,900人の実務者が実証した業務改革ツール むすぼなAI - 株式会社 やさしい手 発行元:株式会社やさしい手
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
導入前の神戸福生会では、記録や議事録といった事務作業が積み上がり、残業が常態化していました。記録が溜まること自体がスタッフのストレスになるという声もあり、家族やケアマネジャーへ渡す、気を遣うべき対外文書の作成にも時間が吸われていました。加えて、AIの利点や可能性を実感している職員が少なく、この先の技術変化に取り残されるのではないかという懸念も抱えていました。
編集部の見立てでは、ここでの困りごとは作業量の多さだけに収まりません。介護の記録は、書くこと自体よりも「誰に向けて、どこまで、どんな言葉で書くか」を調整する部分に神経を使う仕事です。同じ出来事でも、社内の申し送りと家族への説明では言葉づかいも粒度も変わる。その気疲れを伴う書き換えが、時間の消費と心理的な負担を同時に生んでいたのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
あらかじめ利用パターンを登録しておける設計が、現場が使い始めるまでの距離を縮めたと考えられます。生成AIは自由に指示を出せる反面、何をどう頼めばよいか分からないところで手が止まります。使う場面を型として先に用意しておけば、職員は白紙から指示文を組み立てる必要がなくなる。管理者側からの入れやすさと、現場にとっての取っつきやすさを同時に満たした点が、採用の決め手として挙げられています。
半年間のサポート期間に、同業者の具体的な活用事例をまとめて受け取れた進め方も見逃せません。まずは他施設のやり方をまねるところから始められるため、自分たちで用途を発想する難所を迂回して使い始められます。できることとできないことがはっきり説明されていたことも、社内への説明を後押ししました。新しい道具の社内展開でつまずくのは操作の習得より合意形成であることが多く、境界線を先に示す説明の仕方は、その摩擦を和らげる働きをしたと見ています。
登録のしやすさと、使える範囲の絞り込みを両立させた運用も特徴的です。URLさえ分かればどのメールアドレスでも登録できる仕組みを、施設側の判断で登録可能なアドレスを限定したうえで使っています。現場に配るときの手間を増やさずに、情報の扱いに対する不安を抑える。手軽さか統制かのどちらかを諦めがちな場面で、設定の側で折り合いをつけた形です。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
家族やケアマネジャーへ渡す文書の体裁が整い、プロフェッショナルな印象の文書を短時間で作成できるようになりました。記録業務の負担は大きく軽くなり、空いた時間をより手厚い介護へ振り向ける動きが生まれています。予想外の効果として挙げられているのが、時間無制限で付き合ってくれる優秀な秘書がいる感覚です。上司に相談する前にAIと考えを整理することで話し合いが建設的になり、変化は業務効率だけでなく職場のやり取りの質にも及んでいます。
うちでも使える?
応用しやすいのは、書く内容そのものよりも、相手に合わせた書き分けや体裁づくりに時間を取られている仕事です。介護に限らず、社内メモを取引先向けの文書に直す、会議の録音から議事録を起こすといった作業は判断の余地が小さく、AIに任せても業務の質が揺らぎにくい領域と言えます。使う場面をいくつか型として登録できる仕組みがあれば、AIに不慣れな人でも入り口でつまずきにくくなります。
一方で、利用者本人の状態をどう見立てるか、家族とどう折り合いをつけるかといった、現場での観察と関係性に根ざした判断は、文章にする前の段階から人が担う必要があります。AIが引き受けられるのは、決まった中身を相手に合う言葉へ整える部分まで。試すなら、直近に自分が書いた対外向けの文書を一本選び、元になった社内メモとどこが違うかを見比べてみてください。その書き換えの中身が、任せられる仕事の輪郭になります。
この事例は2025年7月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
株式会社やさしい手
長年の介護業界での知見と自社の現場で培ったノウハウを活かし、介護医療業界に特化したAIサービス「むすぼなAI」を開発・提供。2024年10月のリリースから2025年7月現在で103法人が導入している。特養、老健、通所介護(デイ)、居宅介護、訪問介護、訪問看護、病院(看護)、障害の各サービス業態に対応し、介護記録・看護記録などの各種計画書や帳票作成を簡単・スピーディーに行えるようにしている。
社会福祉法人神戸福生会
出典・参考情報
5,900人の実務者が実証した業務改革ツール むすぼなAI - 株式会社 やさしい手
発行元:株式会社やさしい手
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