更新 2026.08.17
サービス付き高齢者向け住宅がプライバシー配慮の見守りシステムで訪室せず様子把握
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 入居者の居室の様子が見えない
- 家族への説明に根拠がない
- スタッフ間で情報が伝わりきらない
どのようなAIの取り組み?
居室の様子を画面で把握できる見守りシステムを取り入れ、プライバシーに配慮しながら入居者の生活を職員が確認できるようにした取り組み
業種
サービス付き高齢者向け住宅(介護・福祉)
取り組み領域
居室の見守り/入居者ケア
使ったAI
見守りシステム「LASHIC-care」
主な成果
訪室せずに居室の様子を把握でき、業務に余裕が生まれた
サービス付き高齢者向け住宅「ウエリスオリーブ吹田千里丘」(79戸)は、居室が入居者自身の住まいであるためプライバシーへの配慮が欠かせず、部屋の中の様子をつかみにくいという事情を抱えていました。新設オープンにあたり、社内の施設でそれまで使われていたシステムに代わる仕組みを探し、インフィック株式会社が提供する見守りシステム「LASHIC-care」を採用しています。職員は訪室しなくても画面から居室の状況を確認でき、自立フロアと介護フロアが同じ建物に併存する環境でも、相手に応じた声かけができるようになりました。入居者の様子を家族や医師へ説明する際の根拠も得られています。
出典:LASHIC-care(ラシク)| プライバシーに配慮した 見守りが実現 発行元:インフィック株式会社
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
開設前から挙がっていた困りごとは三つありました。個人の住まいである以上プライバシーに立ち入れず、居室の様子が分かりにくいこと。入居者の生活を家族へ説明するときの拠り所がないこと。そして入居者ごとに自立度の差が大きく、一人ひとりに合わせたケアが職員の負担になっていたことです。
編集部の見立てでは、この三つは別々の問題というより、確かめる手段が訪室しかないという一点に集約されます。訪ねれば分かるものの、訪ねること自体がプライバシーへの介入になる。そこで確認を控えれば今度は記録が残らず、家族への説明も、自立度に応じた接し方の判断も、職員個人の記憶と勘に委ねられていきます。足りなかったのは情報の量ではなく、踏み込まずに確かめる方法だったのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
プライバシーに配慮したまま居室の状況を可視化するという設計の考え方が、この事例の出発点にあります。サービス付き高齢者向け住宅の居室は、確認したいからといって自由に立ち入れる場所ではありません。その制約を動かせない前提として受け止め、訪室という手段に頼らずに様子を把握できる形を選んだことが、現場が抱えていた矛盾をほどく糸口になったと考えられます。
画面で確かめてから動く、という順序を業務そのものに組み込んだ運用も効いています。自立フロアと介護フロアが同一の建物に同居し、声をかけられること自体を快く思わない入居者もいる環境では、誰にどう接するかをその場の空気で決めるのは難しい。事前に確認した情報を判断の起点に据えたことで、一律の対応も、経験の長さに左右される対応も避けやすくなりました。
三つ目は、個人の道具ではなく共有の道具として使える形に落とし込まれた点です。操作が簡単で画面が見やすいという性質は地味に映りますが、複数の職員が同じ画面を一緒にのぞいて確認する使い方や、自分のシフト外の時間帯の様子を引き継ぎに用いる運用は、誰もが抵抗なく開ける画面でなければ続きません。仕組みが職員同士の会話の中心に置かれたことが、定着を後押ししたとみられます。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
この事例で出た成果
成果は数値ではなく、現場の動き方の変化として表れています。訪室しなくても居室の様子が分かるため、職員は以前より余裕をもって業務に臨めるようになり、画面で情報を確認してから行動する、同じ画面を見ながらスタッフ同士で確かめ合う、という進め方へ変わりました。入居者の様子を家族や医師へ説明する際の根拠が得られたこと、職員間で漏れなく共有され、全員が共通の認識をもってケアにあたれるようになったことも挙げられています。
うちでも使える?
応用が利くのは、相手の生活空間に立ち入りにくく、様子を知る手段が足を運ぶことしかない現場です。高齢者向けの住まいに限らず、寮や単身者向け住宅の管理、訪問の頻度に限りがある在宅の支援なども、同じ構造を抱えています。反対に、体調の変化を肌で感じ取り、言葉を交わしながら判断することが仕事の中心にある場面では、画面越しの情報は補助にとどまります。置き換えを狙うより、訪室の回数ではなくその質を選べるようにする道具として捉えたほうが、実態に近いはずです。
この事例が新設の施設で始まっている点も見落とせません。開設と同時に取り入れれば、確かめてから動く順序を最初から標準の手順にできますが、すでに動いている施設では既存のやり方との摺り合わせが要ります。試すなら、次の申し送りで話題に上がった入居者の様子のうち、実際に部屋を訪ねた人にしか分からなかった情報がどれかを一つ拾い出すところから。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:機械・設備・位置
採用したAI技術・ツール
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
インフィック株式会社
見守りシステム「LASHIC-care(ラシク)」を提供する企業。プライバシーに配慮した見守りを掲げ、介護・高齢者向け住宅の施設へ導入している。
ウエリスオリーブ吹田千里丘
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