実施 2023.07 ・ 更新 2026.08.17
未経験から9チームが現場データで課題解決、ポーラ・オルビスのAI人材育成
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 社内にデータはあるが活かせていない
- AIの話が外部任せで前に進まない
- 研修が座学止まりで終わる
どのようなAIの取り組み?
プログラミング未経験の社員がAI人材育成講座で学び、9つのチームが自社の現場データで業務改善に取り組んだ事例
業種
化粧品メーカー(製造業)
取り組み領域
AI人材育成/社内データ活用
使ったAI
AI人材育成講座「iLect」(機械学習・データ分析)
主な成果
9つのチームが現場の課題解決に取り組み一定の成果
化粧品のブランディングから製造、販売までを手がけるポーラ・オルビスホールディングスは、グループのDX(デジタル技術による事業や働き方の変革)を進めるにあたって社内でのAI人材育成を掲げ、NABLASが運営するAI人材育成講座「iLect」を受講しました。受講者の多くはプログラミング未経験で、理論とプログラミングの座学に加え、自社の現場データを使って実際の業務課題を解くプロジェクトワークショップまでを一続きで実施しています。運営側のティーチング・アシスタントがエラーの原因究明から修正方法までを個別に解説し、毎週の講義後アンケートをもとに難易度や復習の範囲を調整する運用も伴いました。最終的に9つのチームが現場の課題解決に取り組み、その内容は社内の発表会でグループに共有されています。
出典:社内AI人材の育成により自前で業務改善を実現~AI人材育成講座「iLect」受講者インタビュー~ 発行元:NABLAS株式会社(iLect)
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
出発点にあったのは、データがないという問題ではありません。化粧品のブランディングから製造、販売までを一貫して担うなかで、お客様の顔写真や店頭のカウンセリングで得た情報など、現場には多くのデータが蓄積されていました。それにもかかわらず、活用されているものより、眠ったまま、埋もれたままのデータのほうがずっと多いという認識が社内にありました。
編集部の見立てでは、ここでの本質的な困りごとは分析技術の不足そのものではなく、事業側とエンジニア側をつなぐ共通の言葉が社内になかったことです。企画立案から外部へ丸投げすると、内部に判断できる人がいない分だけ時間も費用もかさむ、という懸念が語られている点が象徴的で、求められていたのはデータを扱える人材である以上に、データで何ができるかを事業の言葉で語れる人材だったと読み解けます。
どうやって、うまくいったのか
講座選定の決め手になったのは、理論とプログラミングを学ぶ段階の先に、実際の現場データで問題解決まで行うプロジェクトワークショップを据えた構成でした。学んだ内容が業務のどこに効くのかを、受講中に自分の手で確かめられる並びになっています。研修と実務のあいだにできやすい「学んだが使わない」という断絶を、カリキュラムの構造そのもので埋めにいった設計が効いたと考えられます。
手段の選択を受講者側に委ねた点も、この取り組みを特徴づけています。ExcelやノーコードツールではなくプログラミングとAI理論から入る判断の背景には、道具だけを覚えても使いこなせないのではないかという懸念がありました。そのうえでワークショップでは、複数の解決方法を検討した結果としてExcelやノーコードツールが最適ならそれでよい、という前提が置かれています。難しい側から学ばせて選択肢を広げ、実務では最適な手段を選ばせる二段構えが、研修を道具の操作習得で終わらせない働きをしたのではないでしょうか。
もう一つは、つまずきを前提に置いた運用の作り込みです。ティーチング・アシスタントがエラーの原因を一緒に追い、修正方法まで解説する体制に加え、毎週の講義後アンケートを見ながら難易度を調整し、理解が追いつかない受講者には手前まで遡って復習する時間が設けられました。プログラミングの学習は序盤でつまずくと以降の講義がまるごと無駄になるため、進度の遅れを個別に拾い上げるこの仕組みは、カリキュラムの中身と同じくらい結果を左右したと見ています。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
受講後には9つのチームが現場の課題解決に取り組み、それぞれが一定の成果を出しています。プログラミング未経験からデータ分析コンペに参加するまで上達した社員が現れた一方、全員が修了できたわけではなく、序盤でつまずいて離脱した人もいました。成果を共有した社内発表会は業務時間中の長時間開催にもかかわらず100名以上が視聴し、情報システム関係者やマネージャー、役員層からも高い評価が寄せられ、次回以降の実施が検討されています。
うちでも使える?
応用が利きやすいのは、使いきれていないデータが社内に実際に溜まっていて、それを演習の題材として持ち出せる企業です。この事例で成立の鍵になったのは、自社の現場データで自社の課題を解くという題材設定でした。扱えるデータが手元にない場合や、個人情報・取引先との取り決めで研修に持ち込めない場合は、同じ形にはなりません。
もう一つの前提は時間です。プログラミングと理論から入る講座は業務の合間に片手間で進められる内容ではなく、学習に時間を割ける調整と、つまずいた人を個別に引き上げる支援がなければ、離脱者が出るだけで終わる可能性があります。ここを用意できるかどうかが、研修を投資として成立させられるかの分かれ目でしょう。
最初の一歩は、社内で「これが分かれば仕事の進め方が変わる」と言えるデータを一つ選び、それを研修の題材として演習に出せるかを確かめてみること。題材が決まれば、必要な学習範囲も、誰に受けてもらうべきかも自然と見えてきます。
この事例は2023年7月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
導入部門・データ活用
導入部門:経営・企画
活用したデータ:数値・Excel・ログ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:AIモデル・構築手法
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
NABLAS株式会社
AI人材育成・人材開発サービスのブランド「iLect」を運営。東京大学から正式にライセンスを受けた教育プログラムを提供し、講義内の演習には独自開発のプログラミング環境「iLect System」を用いる。Webブラウザからアクセスできる GPU 環境を利用でき、受講者側での事前の環境構築を不要としている。
株式会社ポーラ・オルビスホールディングス
出典・参考情報
社内AI人材の育成により自前で業務改善を実現~AI人材育成講座「iLect」受講者インタビュー~
発行元:NABLAS株式会社(iLect)
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