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  5. AIが水やりと肥料を自動制御、遊休ハウス活用でアスパラガス栽培を実証|株式会社ルートレック・ネットワークスの導入事例

✓ やさしく事例解説
農業・林業・漁業
スマート農業システム開発・アスパラガス施設栽培

実施 2024.03 ・ 更新 2026.08.17

AIが水やりと肥料を自動制御、遊休ハウス活用でアスパラガス栽培を実証

企画・推進(AI導入・AI戦略)
自社開発(開発・AI搭載)

※イメージ画像です

AIが水やりと肥料を自動制御、遊休ハウス活用でアスパラガス栽培を実証 のプロジェクト概要図解

取り組み概要

やさしく事例解説

プロジェクト解析

実施・導入企業

こんな方へおすすめのAI解説です

  • 水やりや肥料の判断がベテラン頼み
  • 後継者が見つからず産地が細っていく
  • 設備投資にお金をかけられない
OVERVIEW

どのようなAIの取り組み?

土壌センサーと日射のデータからAIが水やりと肥料を判断する仕組みで、遊休ハウスを再利用したアスパラガス栽培の実証に取り組んだ事例

業種

アスパラガス施設栽培(農業)

取り組み領域

圃場の栽培管理/ハウス環境制御

使ったAI

ゼロアグリPlus(AI潅水施肥・環境制御システム)

主な成果

潅水・施肥・換気の自動制御を稼働させ栽培実証中

AIが水やりと肥料を自動制御、遊休ハウス活用でアスパラガス栽培を実証 のプロジェクト概要図解

神奈川県川崎市の株式会社ルートレック・ネットワークスは、長崎県壱岐市に自社圃場「ルートレックファーム」を開場し、アスパラガスの施設栽培でスマート農業の実証を進めています。使われているのは同社が開発したAI統合環境制御システム「ゼロアグリPlus」で、土壌センサーや日射の情報をもとにAIが水やりと肥料の量やタイミングを判断し、あわせてハウスの側窓と谷部分の換気も自動で制御します。圃場には、農業資材の高騰への対応として遊休ハウスを修繕したものを充て、栽培方法も従来の平畝・散水型ではなく、畝を高く立てる高畝栽培と点滴潅水を採用しました。2024年3月に複数品種を定植し、2024年11月時点で栽培実証が続いています。将来的には、この栽培手法をパッケージにまとめ、新規就農者へ提供することを目指しています。

出典:AI潅水施肥システムのゼロアグリ、アスパラガス高畝栽培×スマート農業を実証するルートレックファームを長崎県壱岐市で開場 | 株式会社ルートレック・ネットワークスのプレスリリース 発行元:株式会社ルートレック・ネットワークス

EASY GUIDE

やさしく事例解説

何に困って、AIを入れたのか

壱岐市の農業が抱えているのは、農家の高齢化と担い手不足です。アスパラガスのハウス栽培では、きめ細かな水やりや施肥、防除、収穫といった作業に長年の経験と人手が必要で、技術の習得に時間がかかるうえ身体的な負荷も大きく、それが新規就農の妨げになっていました。

編集部の見立てでは、ここでの障壁は作業のきつさそのものよりも、経験を積み終えるまで成果が出にくいという時間の構造にあったのではないでしょうか。新しく農業を始める人にとって、習熟に要する年月はそのまま収支が安定しない期間になります。腕を上げれば解決するという話ではなく、腕が上がるまで持ちこたえられるかどうかが参入の可否を決めてしまう。データや自動化による最適化と軽労化が求められていた背景には、この空白の期間をどう縮めるかという問いがあったと考えられます。

どうやって、うまくいったのか

注目したいのは、AIによる制御を持ち込む前に、栽培のやり方そのものを組み替えている点です。従来の平畝に散水する方式ではなく、畝を高く立てる高畝栽培と、株元へ少量ずつ水を届ける点滴潅水を組み合わせています。畝が高ければ収穫や管理の姿勢が楽になり、点滴潅水は水の過不足による作物へのストレスを抑えられます。制御しやすい状態を先につくってから自動化を載せるという順序が、この設計の芯にあります。

制御の対象を土の中と地上部の両方へ広げた構成も見逃せません。ゼロアグリPlusは、土壌センサーと日射の情報からAIが潅水量・施肥量とタイミングを算出するだけでなく、側窓と谷換気まで自動で動かします。水と肥料の判断だけを機械に任せても、ハウス内の環境が人手の開け閉めに縛られていれば、結局は現場に張り付く必要が残ってしまう。判断と操作をひとまとまりで引き取る構成にしたことで、経験に頼る場面を面で減らしにいっているように読めます。

実証の舞台に、資材高騰を踏まえて遊休ハウスを修繕した圃場を選んだ判断にも意味があります。新品の設備を並べた理想的な環境で成立を示しても、これから就農する人が同じ条件を用意できるとは限りません。手に入りやすい古いハウスと、経営状況に応じてモデルを選べるシステムという現実的な条件のもとで栽培を回し、その結果を栽培パッケージとしてまとめて渡す。開発した側が自ら圃場を持って作り続ける体制は、机上の推奨ではなく実際に回る手順を残すためのやり方でしょう。

具体的に、どんな成果が出たのか

改善・向上したこと

業務の自動化

推進したこと

プロトタイプ開発(PoC)

この事例で出た成果

ルートレックファームでは2024年3月にアスパラガスの複数品種を定植し、2024年11月時点で、潅水と施肥に加えて側窓と谷換気の自動制御が動く状態で栽培実証が続いています。壱岐では初めてとなるアスパラガスの高畝栽培という位置づけで、収量や省力化の効果そのものは検証の途上にあります。今後は地温の制御によって収量拡大と品質向上に取り組む予定で、年度末には気候変動にも適応できる新たな圃場を壱岐に建てる計画も示されています。

うちでも使える?

応用しやすいのは、判断の材料が数値として取り出せる現場です。土の水分や日射のように、測れば状態が分かり、その対応が水やりや換気といった決まった操作に落ちる業務であれば、この事例と同じ順序で自動化を組み立てられます。反対に、収穫の見極めや病害の兆候のように、その場の目視と経験に委ねられている部分は、この圃場でも自動化の対象には入っていません。すべてを機械に渡す前提で考えると、かえって話が前に進まなくなるところです。

もう一つ参考になるのが、設備を新調せず、すでにある遊休設備を直して使った点でしょう。初期費用を抑えた条件で成り立つことを確かめておけば、同じやり方を後から広げるときの説得力が変わってきます。いま人の勘で決めている値が、実は既存の計器や記録にすでに残っていないか。そこを一つ確かめるところから始めてみてはいかがでしょうか。

この事例は2024年3月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。

ANALYSIS

プロジェクト解析

プロジェクト内容

AI導入・支援形態

自社活用(自社開発・活用推進)
社内PoC(実証実験)
AIツールの社内導入・業務効率化

導入部門・データ活用

導入部門:全社共通・汎用業務

AIによる定型業務の自動化
専用AIツールの導入
生育状況のモニタリング

活用したデータ:機械・設備・位置

生体・環境・ウェアラブル
設備稼働ログ・機械センサー

採用したAI技術・ツール

採用したAI技術:AIモデル・構築手法

機械学習(数値データからの予測・推論)

AIモデル・ツール

ゼロアグリPlus
ゼロアグリ

連携ツール

連携したシステム・外部サービス

エッジデバイス・IoT機器
COMPANIES

プロジェクト実施・導入企業

実施・支援企業 (VENDOR)

株式会社ルートレック・ネットワークス

神奈川県川崎市高津区久本3-5-7 新溝ノ口ビル1F
設立:2005年08月
神奈川県川崎市高津区久本3-5-7 新溝ノ口ビル1F
設立:2005年08月

2005年の創業以来培ってきたM2M/IoT技術を活用し、2010年の総務省広域連携事業「ICTを利活用した食の安心安全構築事業」への採択を契機に明治大学黒川農場との共同研究を開始、2013年にスマート農業事業へ本格参入。AI潅水施肥システム「ゼロアグリ」シリーズを開発・提供している。2018年に第4回日本ベンチャー大賞(農業ベンチャー賞 農林水産大臣賞)を受賞し、同年に経済産業省のJ-Startup企業、内閣府官邸の先進的技術プロジェクト「Innovation Japan」にも選出。代表取締役社長は佐々木伸一氏。

この取り組みに関心があれば 株式会社ルートレック・ネットワークスの公式情報をご覧ください

出典・参考情報

※本事例は以下の公開情報を元にWarpBiz編集部がリサーチ・作成しました。

AI潅水施肥システムのゼロアグリ、アスパラガス高畝栽培×スマート農業を実証するルートレックファームを長崎県壱岐市で開場 | 株式会社ルートレック・ネットワークスのプレスリリース

発行元:株式会社ルートレック・ネットワークス

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