実施 2024.09 ・ 更新 2026.08.17
渋谷のバーがテーブルにAIキャラクターを設置、次の一杯を提案する接客の形
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 忙しい時間帯に接客が手薄になる
- 声かけのタイミングが人によってばらつく
- 少人数で店内を回しきれない
どのようなAIの取り組み?
テーブルに置いたAIキャラクターが客に声をかけ、追加の一杯を提案する形で接客を補ったAI取り組み
業種
バー(飲食サービス)
取り組み領域
店内接客/追加ドリンクの提案
使ったAI
AI幹事(生成AIキャラクター)
主な成果
記事を見た新規客が増え、客とのやり取りがスムーズに
2024年に渋谷でオープンしたバー「Bar ZEALOGIC」が、Gateboxが提供する生成AIキャラクター「AI幹事」を店舗に取り入れました。AI幹事を搭載したタブレットを店内の各テーブルに設置し、着席した客へAIの側から声をかけて、スタートアップが手がけた日本酒やカクテルを含む追加ドリンクを提案する仕組みです。きっかけは、繁忙時にスタッフが全テーブルを同時に見きれず、声をかけるタイミングに差が生まれていたことでした。導入後は客から驚きの反応が寄せられ、AI幹事を紹介した記事をきっかけに来店する新規客も現れています。一方で、声の自然さや会話への対応を求める要望も客から挙がっています。
出典:【AI幹事導入事例】Bar ZEALOGIC 発行元:Gatebox
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
店長が最初に挙げた困りごとは、スタッフが全てのテーブルを同時にケアできないというものでした。混み合う時間帯には一人ひとりに合ったタイミングで声をかけることが難しく、接客の質にばらつきが生まれていました。
編集部の見立てでは、ここでの困りごとの本質は人手の数そのものではなく、声かけの価値が「その瞬間」に強く縛られている点にあります。グラスが空きかけた頃合いや、会話が一区切りついた頃合いに一言添えられるかどうかで、客の体験は変わります。ところがその頃合いは、席ごとにばらばらに訪れる。人が順に回っていく限り、どこかのテーブルは必ずタイミングを外します。増員だけでは解消しきれない、同時性の問題だったのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
AIに任せる役割を「追加ドリンクの提案」という一点に絞り込んだ設計が、実運用に乗せる決め手になったと考えられます。注文処理や自由な会話まで背負わせず、決まった場面で決まった目的の声かけを担わせる形にとどめています。客から「会話もできると良いな」という要望が挙がっている事実は、裏を返せば、会話機能を持たないまま接客の現場で動いていることを示しています。機能の幅を広げるより、確実に成立する一場面を選んだ判断です。
テーブルという定位置にAIを常駐させた配置も効いています。スタッフの声かけが席を順に回る動線に縛られるのに対し、各テーブルに端末を置く方式なら、どの席にも同じタイミングで声が届く。人の移動を前提としない配置に切り替えたことで、同時にケアできないという構造そのものが解消される設計になっています。
提案する中身に、スタートアップが開発した日本酒やカクテルを含めた点にも工夫が見えます。この店はスタートアップに挑戦する人がカジュアルに交流する場として開かれており、提案されるドリンクの顔ぶれが店のコンセプトと重なります。AIの声かけが追加注文を促すだけの機能に終わらず、店が何を大事にしている場所なのかを客に伝える役目まで担う構図です。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
この事例で出た成果
客の反応は良好で、初めてAI幹事を目にした客が驚く場面が多く見られ、AI幹事を紹介した記事を読んで来店する新規客も現れています。声かけ自体も好評で、客とのやり取りは以前よりスムーズになりました。一方、声をもっと自然にしてほしい、会話もできるとよい、という要望も客から寄せられており、体験としては発展の途上にあります。店側は、常連客の好みに応じた提案や、キャラクターの見た目・性格を客に合わせて変えることを次の目標に置いています。
うちでも使える?
この形が生きるのは、客が一定時間その場に滞在し、滞在中に追加の注文が起こりうる業態でしょう。声をかける場面と、そこで伝える内容があらかじめ決まっているほど、AI側に任せられる範囲は広がります。逆に、客の要望を聞き取りながら中身を組み立てる接客や、静けさそのものが価値になっている空間では、テーブルからAIが話しかける形式は噛み合いにくいはずです。回転が速く着席時間が短い店でも、声をかけるべき頃合いが訪れる前に会計になってしまいます。
この事例で客から会話への要望が出ている点も、判断材料になります。AIが一方的に話す設計は、対話を期待した客には物足りなさとして残る。そこを織り込んだうえで導入できるかどうかが分かれ目です。
まず試すなら、一営業分だけ、声をかけたかったのにかけられなかった場面が何回あったかを数えてみてはいかがでしょうか。その回数が多く、しかも内容がほぼ同じ一言で足りているなら、機械に肩代わりさせる余地があります。
この事例は2024年9月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
導入部門・データ活用
導入部門:マーケティング
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:音声AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
Gatebox
AIキャラクター関連の製品を提供し、AIキャラクターの開発依頼にも対応する企業。生成AI技術を用いた接客サービス「AI幹事」を提供している。
Bar ZEALOGIC
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