実施 2026.04 ・ 更新 2026.08.17
吉野家HD関西DCの荷待ち削減、トラック予約受付で30分超は全体の10%に
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- トラックの到着時間が読めない
- ドライバーを待たせてしまう
- 待ち時間の実態が数字で分からない
どのようなAIの取り組み?
トラック予約受付サービスで入荷の実態を数値として記録し、30分以上の荷待ちを全体の10%に抑えた物流センターの取り組み
業種
外食チェーン(飲食サービス)
取り組み領域
物流センターの入荷受付・荷待ち管理
使ったAI
トラック予約受付サービス「MOVO Berth」(クラウドサービス)
主な成果
30分以上の荷待ちを全体の10%に抑制
牛丼の「吉野家」やうどんの「はなまるうどん」など複数業態を運営する吉野家ホールディングスは、大阪府門真市にある自社運営の配送センター「関西DC」に、Hacobuのトラック予約受付サービス「MOVO Berth」を取り入れました。常温・冷蔵・冷凍の3温度帯の商品が集まるこのセンターでは、定期便以外の仕入先メーカー直送便の到着タイミングが十分に把握できず、到着した車両への連絡や誘導が滞ってドライバーを待たせる場面が生じていました。物流効率化法の特定荷主にあたるため、荷待ち・荷役時間の実態把握と改善という法的な要請も重なっていました。ドライバーの到着時にタブレットで受け付ける運用へ切り替えた結果、これまで数字として残らなかった入荷の実態が記録され、30分以上の荷待ちは全体の10%に抑えられています。
出典:株式会社吉野家ホールディングス|物流効率化事例|“見えなかった”入荷実態をデータで把握。法対応と荷待ち削減を両立できた理由とは 発行元:Hacobu, Inc.
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
関西DCは午前に入荷を受け、午後は店舗向けの出荷に切り替わるという時間の区切りがはっきりした現場です。そこへ届く定期便以外の直送便について、導入前は到着タイミングを十分につかめていませんでした。日々の目安はあったものの実際にはずれることが多く、到着した車両への連絡・誘導もスムーズにいかず、ドライバーを待たせるケースが起きていました。
編集部の見立てでは、この困りごとの本質は車両の数でも人手の不足でもなく、「いつ、どの車が来るか」という現場運営の前提が担当者の経験と感覚の中だけにあり、ずれても記録として残らなかった点にあります。午前中に入荷を終えられなければ午後の出荷準備に響く構造だけに、読み違いのコストは小さくありません。そこへ特定荷主としての実態把握が求められたわけですが、測る物差しがないところに報告義務だけが来る形だったのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
使う範囲を入荷の受付という一点に絞り込んだことが、まず効いています。委託先を含めて全国に9拠点ある物流センターのうち、着手したのは自社運営の関西DC1拠点。しかもセンター業務全体ではなく、午前の入荷領域だけに用途を限定しています。自分たちの判断だけで運用を変えられる範囲から始めるという順序が、現場のオペレーションに無理なく差し込める形をつくったと考えられます。
記録を「作業」ではなく「受付そのもの」に埋め込んだ設計も見逃せません。ドライバーが到着したらタブレットで受付を行い、その操作がそのまま入退場のデータになります。時間を測るために誰かが別途メモを取ったり、後から入力し直したりする手間が増えないため、データの取れ方が担当者によってぶれにくい。実態を可視化したい取り組みが途中で息切れする原因の多くは記録作業の負担にあるだけに、この差は大きいはずです。
もう一つは、法対応と現場改善という性質の異なる目的を、一つのデータで同時に満たした点です。特定荷主として求められる荷待ち・荷役時間の把握は、放っておけば提出のためだけの作業になりかねません。同じ記録が改善の材料としても読める形にしたことで、義務への対応が現場にとっての利益とつながる構造になっています。展示会をきっかけにセミナーへ定期的に参加し、理解を積み上げてから導入に踏み切った進め方も、この目的の絞り込みを助けたのでしょう。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
この事例で出た成果
導入後、30分以上の荷待ちは全体の10%に抑えられています。ドライバー到着時のMOVOタブレットによる受付は100%実施されており、正確な入退場データが取得できる状態です。関西DC側が最も大きな成果として挙げるのは入荷業務の可視化で、車両の到着時刻や荷待ち・荷役時間が数字で残るようになり、これまで見えなかった実態から改善すべきポイントが分かるようになりました。法対応に必要なエビデンスの取得と日常の業務改善が、同じ記録の上で進む形になっています。
うちでも使える?
応用が利きやすいのは、到着時刻がばらつく車両を受け入れている現場です。工場の原料入庫、小売や卸の配送センター、資材の搬入など、荷降ろしの前に必ず「受付」という共通の接点がある業務なら、そこを記録の入口に変えるだけで実態が数字になります。とりわけ関西DCのように、午前と午後で業務が切り替わり、到着の遅れが後工程に直結する現場ほど、記録の効き目は見えやすいはずです。
一方で、そのまま持ち込みにくい場面もあります。届く車両のほとんどが自社便や時刻の安定した定期便なら、予約の枠組みを足しても得られる情報は限られます。受付を通さずに荷降ろしへ進む運用が定着している現場では、まず受付という手順を通す合意づくりのほうが本題になるでしょう。この事例でも、委託先が運営する拠点についてはすでに何らかの仕組みが入っているケースがあり、同じサービスを重ねるか自社の運用を開放するかを検討している段階です。
小さく試すなら、明日の入荷から車両ごとに到着時刻と荷降ろし開始時刻の2つだけを書き留めてみる。1拠点、2項目。それだけでも、感覚と実態のずれは驚くほど早く見えてきます。
この事例は2026年4月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:数値・Excel・ログ
採用したAI技術・ツール
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
Hacobu, Inc.
トラック予約受付サービス「MOVO Berth」を中心に、動態管理「MOVO Fleet」、配車受発注・管理「MOVO Vista」、AI-OCR「MOVO Adapter」、共同輸配送支援「MOVO X-Data」、AI発注・輸送最適化「MOVO PSI」などの物流サービス群を提供。あわせて物流DXコンサルティング「Hacobu Strategy」、SI・AI導入支援「Hacobu Solution Studio」、物流特化型人材紹介「Hacobu Career」を展開している。
株式会社吉野家ホールディングス
出典・参考情報
株式会社吉野家ホールディングス|物流効率化事例|“見えなかった”入荷実態をデータで把握。法対応と荷待ち削減を両立できた理由とは
発行元:Hacobu, Inc.
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