実施 2026.03 ・ 更新 2026.08.17
育成工数を1,400時間削減、パーソルキャリアがAIに基礎を任せた新人研修
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 新人研修に手が回らない
- 教えるほど新人が受け身になる
- 同じ質問への対応で時間が消える
どのようなAIの取り組み?
知識の習得と基礎練習をAIに移し、新入社員育成の工数を5カ月で累計1,400時間削減したAI取り組み
業種
人材紹介・転職支援(人材サービス)
取り組み領域
新入社員育成/オンボーディング研修
使ったAI
AI活用学習プラットフォーム「UMU」(AIチャットボット・AIロールプレイング)
主な成果
育成工数を期間累計1,400時間削減
転職サービスdodaを手がけるパーソルキャリアのdodaエージェント事業部では、キャリアアドバイザーを育てる部門が毎年50名から100名近い新入社員を受け入れ、約5カ月の長期オンボーディングを行っています。専任トレーナーは約7名。ここにユームテクノロジージャパンのAI活用学習プラットフォーム「UMU」と、その上で動くAIChatbotを取り入れ、知識のインプットと基礎スキルの反復練習をAI側へ委ねました。講義は動画コンテンツに置き換えられ、基本的なロールプレイングもAI相手に一人で繰り返せる形に。空いた時間でトレーナーは「教える」から「問いかける」へ関わり方を切り替えています。5カ月の期間で、育成工数の削減と新入社員の行動量の増加が同時に確認されました。
出典:研修5カ月間で累計1,400時間の工数削減と顧客接点数135%増を両立。パーソルキャリアが踏み出した「教えない育成」への転換- UMUジャパン 発行元:ユームテクノロジージャパン株式会社
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
約7名のトレーナーが50名から100名近い新入社員に密着し、座学から配属後のOJTまで支援する。それだけ手をかけていたにもかかわらず、データ上はトレーナーの手が離れた直後に成長カーブが鈍化していました。丁寧に「答え」や「やり方」を教えるほど、新入社員は教えてもらうことに慣れ、自ら考える力が育たない。加えて大人数を少数で見るため、指導が画一的な「How(やり方)」の伝達に偏らざるをえないという構造的な限界もありました。
編集部の見立てでは、この困りごとの本質は人手の不足ではなく、支援の総量と自走の育ちが同じ時間を奪い合っていた点にあります。トレーナーが説明に使う時間が増えるほど、新入社員が自分で調べ、自分で試す時間は減る。手厚さを積み増す方向の改善では、この矛盾は解けません。だからこそ、量を増やすのではなく、誰が何を担うかの線を引き直すという発想が必要だったのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
「調べればわかること」と「練習すればできること」を機械側へ切り出した線引きが、この設計の中心にあります。知識のインプットは動画コンテンツと理解度テストへ、基礎的なロールプレイングはAIエクササイズへ、素朴な疑問はAIChatbotへ。人が残すのは、問いかけと応用的な指導という、相手の状況を読んで初めて成立する関わりだけです。委譲する範囲を機能単位ではなく「学びの段階」で切ったことが、人の時間を高付加価値な場面に集約させたと考えられます。
導入の前にスキルの言語化を先行させた順序も見逃せません。何をどう教えているのかが言葉になっていなければ、動画にもAIの練習課題にも落とし込めず、AIに任せられるのは表層的な部分にとどまります。属人的に蓄えられていた指導内容を先に取り出す作業が、そのまま委譲できる範囲を広げる工程になっていたわけです。
AIロールプレイングを単体で提供せず、対人のロールプレイングと組み合わせて届けた運用も効いています。AIに任せる領域を作ることは、受け手からは支援を減らされたと映りかねません。受講生側のマインドセットまで含めて設計されたことで、AIは自分の練習相手だという受け取り方が成立し、「わからないことはまずAIに聞く」という行動様式が定着する土台になったのでしょう。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
講義の8割を動画に移し、Q&A対応や基礎的なロールプレイングをAIに任せた結果、トレーナーの業務時間は1人あたり月間40時間、期間累計で1,400時間の削減となりました。採用人数が増えても現状の人員体制で育成品質を保てる、いわゆるスケーラビリティを得たことが大きい成果です。同時に新入社員側でも、面談実施数などの行動量が昨対比135%、生産性は107%に伸びています。今後は1on1ミーティングへのAI組み込みに向け、プロンプトの開発とトライアルが始まっています。
うちでも使える?
応用が利きやすいのは、教える内容がある程度決まっていて、同じ説明を毎年繰り返している育成です。この事例でAIに渡されたのは、基礎知識の伝達と、決まった型を身につけるための反復練習という、答えが定まっている部分でした。研修の受講者数が多いほど、動画化と自習化の効果は積み上がります。
一方で、顧客ごとに事情が変わり正解が一つに定まらない応用領域や、ベテランが感覚で判断している部分は、そのままでは渡せません。この事例でもスキルの言語化という下ごしらえが先に必要でしたし、言語化が進まないうちにツールだけを入れても、動画とテストが並ぶだけの仕組みになりがちです。研修担当が少人数で、そもそも指導にかけている時間が短い組織では、削減幅も限られるでしょう。
まず試すなら、直近の研修を1コマ思い返し、そのうち何分が説明で、何分が問いかけに使えていたかを見積もってみること。説明の割合が大きければ、切り出せる余地はそこにあります。
この事例は2026年3月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
ユームテクノロジージャパン株式会社
2014年にシリコンバレーで誕生したUMUを提供するグローバルAIソリューションカンパニーの日本法人。世界203の国と地域で100万社以上、日本では28,000社以上に導入されているAI活用オンライン学習プラットフォーム「UMU」を核に、実践型AIリテラシー学習プログラム「UMU AILIT」、業務効率化ツール「UMU AI Tools」などを提供し、企業の学習文化の醸成とパフォーマンス向上を支援している。
パーソルキャリア株式会社
出典・参考情報
研修5カ月間で累計1,400時間の工数削減と顧客接点数135%増を両立。パーソルキャリアが踏み出した「教えない育成」への転換- UMUジャパン
発行元:ユームテクノロジージャパン株式会社
掲載企業の方へ:本記事は公開情報をもとに作成しています。内容の修正・削除、または貴社確認のうえでの公式掲載をご希望の場合はこちらからご連絡ください。
