更新 2026.08.17
面接内容をAIで整理し、面接官ごとの評価のばらつきを可視化した採用改善
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 面接官ごとに評価の基準がばらつく
- 面接の中身が見えず改善点が分からない
- 候補者の個人情報をAIに入れられない
どのようなAIの取り組み?
面接内容と申し送り情報をAIで整理し、面接官ごとの傾向まで可視化して採用プロセスの改善につなげたAI取り組み
業種
対話AIプラットフォーム開発(IT・通信)
取り組み領域
採用・面接プロセス
使ったAI
HERP AI Recruiter(採用向けAIサービス)
主な成果
面接内容の可視化により、採用判断に向き合う時間を創出
株式会社IVRyは、電話やチャットでの顧客対応をAIで効率化・自動化し、その対話データの活用まで担う対話AIプラットフォーム『アイブリー』を開発・提供しています。この2年で社員数は約80名から300名に迫る規模へと拡大し、年間100名規模の採用を進めるなかで、面接に関わるメンバーが増え、見極めの観点やアトラクト(候補者に自社の魅力を伝える働きかけ)の質に差が出やすくなっていました。そこで採り入れたのが、HERPが提供するHERP AI Recruiterです。各面談の前後にAIが面接内容を整理し、フェーズごとに確認すべき情報や次の面接官への申し送り事項をまとめます。あわせて「面接官イネーブルメント機能」で、面接官ごとのジャッジやアトラクトの傾向を把握できるようにしました。採用の可否そのものはAIに判断させず、人が担う運用です。
出典:AIで面接の“質”を見える化。採用の「再現性」と「効率」を高めた、HERP AI Recruiterの活用方法とは? |導入事例|HERP Hire(ハープハイアー) 発行元:HERP, Inc.
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
導入前のIVRyでは、選考通過率や辞退率といった数字は見えていたものの、その数字が動いた理由までは追えない状態が続いていました。理由を確かめるには実際の面接内容まで見にいく必要がありますが、採用数が増えるなかで全面接への同席や録画の確認は現実的ではありません。面接の進め方はOJTで伝えられ、なぜその質問をしたのか、なぜそのアトラクトをしたのかは個々人の経験に委ねられていました。
編集部の見立てでは、この困りごとの本質は面接官の力量差そのものではなく、面接という業務が「結果の数字だけが残り、過程は誰の手元にも残らない」構造になっていた点にあります。過程が記録として蓄積されなければ、どれだけ改善の意欲があっても打ち手の当たりを付けられません。さらに候補者情報は機微な内容を多く含むため一般的なAIツールにそのまま入力できず、採用領域でのAI活用はスカウト文面やアジェンダ作成といった個人単位の作業補助にとどまっていました。過程が見えないことと、チームの資産としてAIを使えないことが重なっていたと言えます。
どうやって、うまくいったのか
効いたのは、AIに任せる範囲を情報の整理と標準化に限り、採用可否の判断は人の側に残した役割の切り分けです。IVRyは、迎え入れたい理由や入社後に期待する活躍を人が責任を持って言語化できなければ採用判断として不十分だという考え方を明確に置いています。この線引きがあるからこそ、現場はAIの出力を「決められた答え」ではなく「議論のための材料」として受け取れます。AIが判断まで踏み込む設計では、出力の妥当性を検証する負荷が新たに生まれかねません。
次に、面接内容を一定の粒度で構造化し、次の面接官へ渡せる形に整えた運用設計が挙げられます。AIが各面談の前後にフェーズごとの確認事項と申し送りをまとめ、そこに面接官自身が「次回はこの点を深掘りしてほしい」といった観点を追記する流れになっています。AIの出力を最終成果物にせず、人が上書きする余白を残した点が、選考という一回性の高い業務に合っていたのではないでしょうか。
三つ目は、個人の癖として片づけられがちだった面接の差を、組織の設計課題として扱えるようにした点です。面接官イネーブルメント機能でジャッジが強いのかアトラクトが強いのかを可視化したところ、標準的にできていると感じていたアトラクトが、実際には面接官個人の魅力に支えられている部分があると分かりました。あるポジションで一次面接後の辞退が増えた際も、45分の面接のうち会社説明に20〜25分を使っているケースが見つかり、感覚論ではなく事実に基づく仮説から検証を始められています。この気づきは各面接ステップの役割の整理や、評価フォーマットと面接トリガーの見直しへとつながりました。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
情報整理にかかっていた手間が減り、採用判断そのものに向き合う時間が生まれています。感覚でしか語れなかった課題をファクトをもとに議論できるようになったことで、採用プロセス改善の議論も活発になりました。申し送り情報が充実したことで面接官同士の連携がスムーズになり、候補者体験の向上にもつながっています。採用担当者と事業責任者の間でも、AIが生成したログをもとに判断基準をすり合わせやすくなり、候補者の温度感に応じた優先順位付けがしやすくなりました。
うちでも使える?
応用しやすいのは、結果の数字は取れているのに、その数字を生んだ過程が記録に残らない業務です。面接に限らず、商談や窓口対応のように会話が中心で、担当者ごとの進め方に差が出る仕事であれば、同じ発想が当てはまります。前提として、記録を扱える環境が業務側に用意されていることが欠かせません。IVRyのケースでも、候補者情報の機微性から一般的なAIツールを使えなかった点が、個人利用から抜け出せない要因になっていました。
一方で、そのまま持ち込みにくい条件もあります。年間100名規模という件数があるからこそ、面接官ごとの傾向がデータとして見えてきます。年に数回しか面接がない組織では、可視化しても傾向とは呼べないばらつきしか出てこないでしょう。また、整理された情報を持ち寄って議論する場と、そこで決めたことを評価フォーマットなどに反映する担当が決まっていなければ、可視化は眺めるだけで終わります。
手をつけるなら、直近の面接を数件振り返り、会社説明にどれくらいの時間を割いていたかを実測してみるところから。それだけでも、感覚で語っていた部分がどこにあったのかが見えてきます。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
導入部門・データ活用
導入部門:バックオフィス・管理部門(人事・経理・法務)
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
HERP, Inc.
採用管理サービス「HERP Hire」や、面接内容の整理・可視化を行う「HERP AI Recruiter」を提供する企業
株式会社IVRy
出典・参考情報
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