実施 2026.06 ・ 更新 2026.08.17
イトーヨーカ堂、新卒の一次選考を100%AI面接へ。日程調整をなくした運用設計
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 面接の日程調整に追われている
- 面接官ごとに評価がばらつく
- 応募者の記録が次の選考に届かない
どのようなAIの取り組み?
新卒採用の一次選考を100%AI面接に切り替え、日程調整の工数削減と評価記録の標準化に取り組んだ事例
業種
総合スーパー(小売・流通)
取り組み領域
新卒採用/一次選考
使ったAI
AI面接サービス「PeopleX AI面接」
主な成果
新卒の一次選考を100%AI面接に移行し、採用担当の工数が大幅に減少
全国に多数の店舗を展開する小売業のイトーヨーカ堂は、新卒採用の一次選考を、PeopleXが提供するAI面接サービス「PeopleX AI面接」に全面的に切り替えました。応募者はまずデジタル履歴書を提出し、一次選考としてAI面接を受験します。通過者はSPIの適性検査に進み、双方を通過した応募者だけが対面の最終選考に呼ばれる流れです。以前の一次選考はZoomを使った面接で、学生と、面接官を務める数十名の社員それぞれの予定を突き合わせる作業が発生していました。サービス選定では複数社を比較したうえで、面接官役として画面に登場するアバターの印象の柔らかさが決め手になっています。AI面接では文字起こしと要約、録画が残り、最終選考を担当する面接官が事前に読み込む運用が敷かれました。
出典:株式会社イトーヨーカ堂|一次選考をAI面接に100%置き換え、移行率・満足度が向上。イトーヨーカ堂社が語るAI面接活用の最前線|PeopleX サービス導入事例 発行元:株式会社PeopleX
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
導入前の一次選考は、学生と、面接官を担当する数十名の社員の双方と日程を合わせる作業から始まっていました。採用市場の早期化によって次年度の準備と並行して動く必要もあり、限られた人員では効率化が追いつかない状態です。加えて、人が面接することによる評価のばらつきや、評価表への記録の仕方が面接官ごとに異なり、共有される情報量に差が生じるという問題も抱えていました。
編集部の見立てでは、この困りごとの中心は面接の回数や応募者数そのものではなく、一次選考が「人の予定」と「人の書き方」という二つの変数に縛られていた点にあります。採用数が不足しがちな業界事情を背景に、評価基準の境界線にいる応募者へ合格寄りの判断が働き、入社後のミスマッチや早期離職につながり得るという懸念も語られており、ばらつきは面接の精度だけの話ではなく、採用の質そのものに跳ね返る構造だったのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
効いたのは、対面かAIかを学生に選ばせる併用運用をあえて採らず、一次選考をAI面接だけに統一した割り切りです。選択制はどちらの応募者にも配慮できる一方で、二つの選考フローを並走させることになり、日程調整という元の負荷が形を変えて残ります。対面を重んじる文化のある組織で例外を作らずに一本化した設計は、調整コストを構造的に消しにいったものと読み取れます。
サービス選定の物差しを、機能の多さではなく学生にとっての話しやすさに置いた判断も見逃せません。面接官役のアバターの言葉遣いや目線、頷き方といった振る舞いの自然さを決め手にした背景には、AI面接の成否が受け手の心理的な抵抗に左右されるという理解があったと考えられます。選考の入り口を機械に委ねる以上、応募者が話しづらさを感じれば、そこで集まる情報そのものが痩せてしまう。受験してもらえるかを起点に選ぶ視点は、社内の使い勝手から入りがちなツール選定とは逆向きの発想です。
AI面接を人手を減らすためだけの仕組みにせず、対面の面接を厚くするための下ごしらえとして位置づけた点も、この取り組みの芯にあたります。文字起こしと要約、録画が残り、最終選考の面接官が事前に読み込む運用になっているため、対面の場は同じことを聞き直す時間から解放されます。書き手によって形が変わる評価表を、同じ体裁の要約と、一次情報そのものである録画に置き換えた設計が、面接官ごとの情報量の差をならす働きをしています。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
この事例で出た成果
AI面接の受験率は想定を上回り、AI面接まで進んだ応募者は最終選考の辞退率が低い傾向が出ています。24時間受付になったことで一次面接の日程調整が不要になり、結果確認もまとめて行えるため採用担当の工数は大幅に減少し、選考結果の連絡も以前より早くなりました。最終面接官が要約を事前に読むことで重複した質問が減り、学生からは想像以上に深掘りされた、自分のことを十分に話せたという声が寄せられています。評価スコアと人物像の一致度についても、利用を重ねるなかで納得感が高まっています。
うちでも使える?
応用しやすいのは、相手との最初の接点で聞く内容がある程度決まっていて、しかも相手と自社の複数の担当者の予定を突き合わせる必要がある業務です。一次面接のように、記録がそのまま次の工程の入力になる場面であれば、この事例と同じ組み立てが機能しやすいでしょう。
一方で、同じやり方が効きにくい場面もあります。応募者数が少なく日程調整の負荷がもともと小さい採用や、初回の接触から個別の口説きや条件のすり合わせが中心になる選考では、標準化して得られる分が小さくなります。この事例で中途採用への展開がまだ検討段階にとどまっている点も、線引きを考える材料になります。対面を重んじる文化がある組織では、社内から出る懸念をどう扱うかまで含めて設計の一部と見たほうがよさそうです。
手をつけるなら、いまの一次面接の記録が最終面接の前にどれだけ読まれているかを確かめるところから。ほとんど読まれていないなら、面接の回数より先に、記録の形と受け渡し方に見直す余地があります。
この事例は2026年6月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
導入部門・データ活用
導入部門:バックオフィス・管理部門(人事・経理・法務)
活用したデータ:画像・動画・3D
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
株式会社PeopleX
採用支援AI、活躍支援AI、評価支援AI、営業支援AIなどのサービスを提供する企業。AI面接のほか、商談解析による顧客評価サービスや360度フィードバックサービスなどを展開し、グループ全体での支援実績は3,000社以上。
株式会社イトーヨーカ堂
出典・参考情報
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