実施 2025.07 ・ 更新 2026.08.17
多店舗飲食チェーンの締め作業を最大1時間短縮、AI予測で数値確認を即日に
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 先月の数字が出るのが遅い
- 店舗ごとに数字がバラバラ
- 勘に頼った判断から抜けたい
どのようなAIの取り組み?
経営管理クラウドとAIによる売上着地予測を使い、店舗数値の集約と月中での打ち手づくりに取り組んだ事例
業種
多店舗飲食店経営(飲食サービス)
取り組み領域
経営管理/店舗数値・タスク管理
使ったAI
AI売上着地予測を備えた経営管理クラウド「FLARO」
主な成果
締め作業時間を30分〜1時間短縮
福岡を拠点に「博多うずまき」「鮨 起承転結」などのブランドを展開する株式会社Keytableは、店舗拡大に伴って数値管理が手作業に依存し、会計事務所から上がる数字と現場から上がる数字が食い違う状態を抱えていました。月次の実績が固まるまでに2か月を要し、拠点が北海道や新潟へ広がるとエリア間の比較も難しくなります。同社は2025年7月から、多店舗飲食店向けの経営管理クラウドFLAROを利用し、店舗の数値をスマートフォンからでも確認できる形へ切り替えました。あわせて、月の途中で売上の最終着地をAIが示す予測機能や、清掃・整理といった日々のルーチンワークを扱うタスク機能も、実際の運用に組み込んでいます。
出典:株式会社Key table 導入事例|FLARO|多店舗飲食店向け経営管理クラウド 発行元:FLARO
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
人が手で仕分けしたデータを持ち寄る運用では、会計事務所側と現場側の数値に乖離が生まれ、4月の数字が6月にならないと確定しないという2か月のタイムラグが発生していました。把握していなかった修繕費が後から一気に表面化することもあり、拠点が福岡から北海道、新潟へ広がったことで、仕入れや輸送費をエリアごとに見比べる土台の必要性も高まっていきます。
編集部の見立てでは、ここでの困りごとの本質は数字が足りないことではなく、数字が経営の手元に届くまでの時間差にあったのではないでしょうか。2か月遅れの数値は記録としては正確でも、打ち手を変える材料にはなりません。従業員が50〜60人を超えた段階で共通認識づくりに時間がかかっていたという話も、根は同じところにあります。全員が同じ数字を同じタイミングで見られない限り、話し合いはどうしても各自の感覚をすり合わせる作業から始まってしまうためです。
どうやって、うまくいったのか
会計事務所を経由する数値と現場から上がる数値という二つのルートを、一つのサービス上に寄せ直した設計が土台になっています。手で仕分けする工程が残っている限り、どこかに担当者ごとの解釈や転記のずれが入り込み、突き合わせの手間が消えません。集計の経路そのものを一本化したことで、そもそもどちらの数字が正しいのかを議論する必要がなくなりました。数値のズレを直すのではなく、ズレが生まれる工程を取り除いた点に、この切り替えの要があります。
閲覧の起点をスマートフォンに置いた運用も見逃せません。移動中や通勤中、わずかな空き時間に確認して指示を出し、また戻るという使い方が成り立っており、海外出張中に時差のある環境から店舗状況を見るケースまで生まれています。判断が遅れる原因は情報が足りないことより、見られる場所と時間が限られていることにある——そう捉え直したからこそ、機動性が選定の決め手になったと考えられます。
経営数値と同じ画面に、日々のオペレーションまで載せた運用設計も効いています。グリスト(厨房の排水設備)の清掃や冷蔵庫の整理といった衛生面・守りの作業を、別の仕組みに分けずタスクとして同居させました。以前は社内チャットで報告していたため、流れていくメッセージの中で報告漏れや確認漏れが起きていた領域です。攻めの数字と守りのルーチンを一箇所に集めた設計は、確認する場所を増やさないという意味で、現場に定着しやすい形になっています。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
この事例で出た成果
締め作業の時間は店舗によって差があるものの、30分から1時間ほど短くなり、現場スタッフの残業削減と労働環境の改善に直結しています。月の途中でも最終着地が見えるようになったことで、20日の段階から残り10日の打ち手をメニューの打ち出し方まで含めて具体的に組み立てられるようになりました。根拠のある数字で話を進められるようになり、会議の質が上がったという評価も示されています。今後は「なぜこの数字なのか」を考えられる人材を組織内で増やしていく方針です。
うちでも使える?
応用しやすいのは、同じ形式の売上や経費が拠点ごとに毎日発生し、それを集約して初めて全体像が見える業態です。飲食に限らず、小売やサービス業の多店舗運営、複数現場を抱える事業であれば、数値が集まる経路を一本にするだけでも判断のタイミングは前倒しできる可能性があります。
一方で、拠点が一つで経営者が毎日現場に立ち、数字が肌感覚でつかめている状況では、得られる差は小さくなります。店舗ごとに日報の様式や費用の分類がばらばらのままなら、集約しても比較できる数字にはならず、ツールを入れる前に何を同じ定義で数えるのかを揃える作業が先に必要です。エリアをまたぐ比較を狙う場合は、この足並みの揃え方が成否を分けます。
まず試すなら、先月の数字が自分の手元に届いた日付を確認してみてください。その日付と月末との距離が、いま失っている判断時間そのものです。
この事例は2025年7月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:数値・Excel・ログ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:AIモデル・構築手法
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
FLARO
多店舗飲食店向けの経営管理クラウド「FLARO」を提供。売上・仕入れ・勤怠の一元管理やAIによる売上着地予測、タスク管理機能をスマートフォンからも利用できる形で提供している。
株式会社Keytable
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