実施 2023.07 ・ 更新 2026.08.17
ビズリーチのAIレジュメ作成機能、スカウト受信が40〜46%増えた仕組み
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 自分の強みを文章にできない
- 書類づくりに時間を取られる
- 担当者ごとに文章の質がばらつく
どのようなAIの取り組み?
GPTモデルと自社に蓄積したデータを組み合わせ、職務経歴書の作成を支援する機能を提供したAI取り組み
業種
転職・求人サービス(人材サービス)
取り組み領域
求職者向け機能/職務経歴書の作成支援
使ったAI
GPTモデル(生成AI)
主な成果
スカウト受信数が平均40〜46%増加
転職サービスを運営する株式会社ビズリーチは、OpenAIのGPTモデルを使ったレジュメ自動作成機能を自社アプリに組み込みました。利用者が職種、ポジション、業務のミッション、業務領域といった質問に答えると、業務内容を説明する文章がAIによって生成される仕組みです。汎用の文章生成をそのまま載せたのではなく、同社が蓄積してきた膨大なデータとノウハウを反映した独自のロジックでAIへの指示を組み立てている点に特徴があります。キーワードを入力する場面では、会員の経歴に合った内容を推薦する機能も用意されました。採用企業やヘッドハンターがスカウトの判断をしやすいよう、情報が整理されたレジュメを手早く用意できる環境が整えられています。性能の評価は、東京大学マーケットデザインセンター(UTMD)との共同研究として実施されました。
出典:ビズリーチ「GPTモデルのレジュメ自動作成機能」を開発 東京大学マーケットデザインセンターと共同で、GPTツールの性能評価を発表 発行元:株式会社ビズリーチ
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
転職を希望する人は年々増えている一方で、実際に転職する人の数は横ばいが続いていました。その入口でつまずきを生んでいたのが職務経歴書です。自分のキャリアを振り返り、強みや実績を読み手に伝わる形へ言語化する作業には相当な時間と労力がかかりますし、書き上げた内容が採用企業にとって魅力的なものになっているかを自分で判断するのは簡単ではありません。
編集部の見立てでは、この困りごとの本質は書く手間そのものよりも、評価の基準が書き手の側から見えないことにあったのではないでしょうか。スカウトを送る採用担当者やヘッドハンターは職務経歴書の内容を重視して判断していたわけですから、書き手と読み手のあいだには「何が評価されるのか」という情報の落差が横たわっていた。労力がかかるうえに、かけた労力が報われるかどうかも分からない。この二重の不確かさが、書き直しへ踏み出す動きを鈍らせていたと考えられます。
どうやって、うまくいったのか
効いたのは、自社に蓄積された膨大なデータとノウハウを独自のロジックとしてAIへの指示に組み込み、出力を目的に合わせて絞り込んだ設計です。同じGPTモデルを使っても、指示が一般的なままなら出てくるのは当たり障りのない紹介文にとどまります。どういう書き方が読み手の判断材料になるのかという知見を指示の側に持たせたことで、モデルの汎用的な文章力が、この用途に必要な形へと方向づけられました。
利用者に求める入力を、職種・ポジション・ミッション・業務領域という限られた問いに切り詰めた点も見逃せません。白紙に向かって自分の言葉をひねり出す作業は、書き慣れていない人ほど重くのしかかります。答えれば形になるという流れに変換し、さらにキーワード入力の場面では経歴に合う内容を推薦する仕組みまで添えたことで、負荷の山そのものが低く均されました。
出力の良し悪しを測る基準を、書き手の満足ではなく読み手の判断しやすさに置いたことも、この設計の芯にあたります。整理された情報が並んでいれば、スカウトを送る側は短時間で見極められる。書類作成の支援でありながら、狙いは受け取る側の意思決定を助けることに向けられており、その視点の置き方が、単なる文章生成ツールとの差を生んだ要因だったと読み解けます。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
東京大学マーケットデザインセンター(UTMD)との共同研究による性能評価では、この機能を使って職務経歴書を更新したユーザーが、使わなかったユーザーと比べて平均で40%〜46%多くスカウトを受け取ることが統計的に確認されています。有識者による文面の定性評価でも、構成のわかりやすさや問題解決能力のアピールといった項目で高いスコアが得られました。書き手の負担軽減にとどまらず、読み手の反応という外形的な行動の変化として効果が現れた点に、この評価の重みがあります。
うちでも使える?
応用が利きやすいのは、良し悪しの判断基準が社内に事実として溜まっている文書業務です。提案書や求人票、商品説明のように「反応が良かったもの」の記録が残っている領域なら、その知見をAIへの指示に落とし込むという同じ道筋をたどれます。逆に、読み手の反応を確かめる手立てがない業務では応用が難しくなります。この事例が成立したのは、スカウトが届いたかどうかという読み手の行動が数として観測でき、外部機関との共同研究という形で客観的に検証できたからです。出力の当たり外れを測れないまま指示を作り込んでも、精度を上げているつもりで手応えのないまま終わりかねません。
また、蓄積したデータやノウハウが乏しい段階では、汎用の生成AIをそのまま使った場合との差がつきにくい点にも留意が必要です。まず試すなら、社内で評判の良かった文書と平凡だった文書を数点ずつ並べて読み比べ、何が違うのかを一行でも言葉にしてみること。その一行が、指示に組み込むべきロジックの最初のかけらになります。
この事例は2023年7月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
株式会社ビズリーチ
「すべての人が『自分の可能性』を信じられる社会をつくる」をミッションに、2009年4月より働き方の未来を支えるインターネットサービスを運営。即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト「ビズリーチ」、人財活用プラットフォーム「HRMOS(ハーモス)」シリーズ、OB/OG訪問ネットワークサービス「ビズリーチ・キャンパス」を展開。東京本社のほか大阪、名古屋、福岡、静岡、広島に拠点を持ち、VisionalグループにおいてHR TechのプラットフォームやSaaS事業を担う。代表取締役社長は酒井哲也氏。
出典・参考情報
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