実施 2025.09 ・ 更新 2026.08.13
AIエージェントが無人店舗を自律運営、カメラで来店客の動きを数値化する仕組み
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 日々の業務に追われ改善が進まない
- 店内で客がどう動いているか見えない
- 販促の企画と制作に手が回らない
どのようなAIの取り組み?
カメラ映像から来店客の動きを数値化し、AIエージェントが無人店舗の在庫管理から販促までを担う仕組みを共同開発したAI取り組み
業種
無人店舗運営(小売・流通)
取り組み領域
店舗運営・在庫管理/販促
使ったAI
AIエージェント(GPT-5・Grok)、骨格検出
主な成果
無人店舗向けAIエージェントソリューションを共同開発し、提供開始を予定
AIソリューション事業のヘッドウォータースと、監視カメラを軸にセキュリティ事業を手がけるセキュアが、無人店舗の運営を担うAIエージェントのソリューションを共同で開発しました。土台になったのは、両社が未来型無人店舗「SECURE AI STORE LAB 2.0」で重ねてきた共同実証です。店内のカメラ映像から人の関節の動きを読み取る骨格検出によって来店客の行動を数値に変え、購買動線を可視化します。そのうえでGPT-5による自律的な店舗運営と、Azure AI Foundry上のGrokモデルによるリアルタイム分析を組み合わせ、在庫や棚割り、発注を扱う店舗業務Agent、サイネージ広告を自動生成するコーディングエージェント、アプリ上で個別提案を行うハイパー・パーソナライズエージェントの三つを連携させる構成をとりました。両社は速やかに提供を開始する方針を示しています。
出典:ヘッドウォータース、セキュア社と無人店舗の運営課題を解決するAIエージェントソリューションを共同開発 - 株式会社ヘッドウォータース 発行元:株式会社ヘッドウォータース
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
無人店舗の運営には、日常業務や来客対応に追われて戦略立案やサービス改善にまで手が回らないという課題があります。販促の面でも、従来型の一方向のキャンペーンでは来店促進や売上向上に結びつきにくく、画一的な施策が顧客満足度を阻害するという指摘が挙げられています。
編集部の見立てでは、これらは別々の問題というより、一つの欠落から派生したものです。無人化で人手を減らすことはできても、店員が目で見て気づいていた「どの棚の前で足が止まったか」「今日はどんな客層が来ているのか」という情報まで、一緒に失われてしまう。判断材料が欠けたまま運営すれば、施策は勘か前例踏襲になり、効果が読めないぶん改善のサイクルも回らなくなります。困りごとの根は人員の数ではなく、店内で起きていることを誰も観測できていない点にあったのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
来店客の行動を骨格情報だけで捉えるという割り切りが、この取り組みの土台になっています。カメラ映像から関節の動きを解析する骨格検出は、どの商品棚の前にどれくらい滞在し、どんな動作をしたかを数値として残す一方で、顔など個人を特定できる情報は記録しません。取得する情報をあえて絞ったことで、店内を常時観測することとプライバシーへの配慮が両立し、分析を前提にした運用が現実的なものになったと考えられます。
観測したデータを、判断と実行まで一本の流れにつないだ設計も大きいでしょう。AIカメラのリアルタイムデータやPOSデータはデータ分析基盤のMicrosoft Fabricで統合管理され、そこからGrokモデルによるリアルタイム分析、Agentic Webと呼ばれる考え方に基づく社内システムとの自律的な連携までが、同じ経路の上に載っています。分析結果を人が読み解いて手作業に落とし直す工程を挟まないため、棚割りの提案や発注、レポート作成がその場で動く。SNSや気象、地域イベントといった外部情報を同じ流れに引き込み、サイネージ広告や館内アナウンスの生成まで含めた点も、この一貫性の延長線上にあります。
機能ごとに責任範囲を切り分けた三つのエージェント構成は、無人店舗という扱いにくい対象を手に負えるサイズに分解しています。在庫と発注を担う店舗業務Agent、販促物を自動生成するコーディングエージェント、アプリ側で一人ひとりに向き合うハイパー・パーソナライズエージェントというように、扱うデータと役目が明確です。ヘッドウォータースがAIエージェント設計と業務支援のノウハウを、セキュアがスマートストア環境と映像トラッキング技術を持ち寄る分担も、この切り分けとうまく対応しています。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
発表時点で示されているのは、共同実証を通じて開発が完了し、両社の体制で速やかに提供を開始するという段階までで、数値による導入効果は公表されていません。実証の中で確かめられた成果として挙げられているのは、これまで把握できなかった来店客の行動を定量化し、購買動線を可視化できるようになった点です。今後は無人店舗の運営を目指す企業に向けて本格的に導入提案を進める方針が示されています。
うちでも使える?
応用しやすいのは、来店客が店内を歩いて商品を選ぶ業態で、カメラとPOS、在庫のデータがすでにデジタルで揃っている場合です。この取り組みの肝は個々のAIの賢さよりも、観測したデータを一箇所に集めて次の行動へつなぐ経路のほうにあるため、データが店舗ごとの端末や紙の記録に散らばったままでは同じ形は成り立ちにくいでしょう。逆に、対面での相談や交渉が売上を左右する業態や、客の動線が短く単純な小型店では、行動を細かく数値化しても打てる手の幅が広がらず、投資に見合わない可能性があります。
まず試すなら、店頭の販促物や掲示の内容を、いま誰が何をもとに決めているのか、直近一か月分だけたどってみる。決め手が担当者の記憶や勘だけだったなら、そこがデータで置き換えられる余地の最も大きい部分です。
この事例は2025年9月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:数値・Excel・ログ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
株式会社ヘッドウォータース
AIソリューション事業を手がける企業(代表取締役:篠田庸介)。AIエージェント設計と業務支援ノウハウを持ち、セキュアと共同で無人店舗向けAIエージェントソリューションを開発した。
株式会社セキュア
出典・参考情報
ヘッドウォータース、セキュア社と無人店舗の運営課題を解決するAIエージェントソリューションを共同開発 - 株式会社ヘッドウォータース
発行元:株式会社ヘッドウォータース
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