実施 2024.05 ・ 更新 2026.08.14
バルミューダの不要な修理預かりが月2桁から1件以下に、FAQ改善の進め方
企業規模:100人以内
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- チャットボットを作ったきり更新できていない
- 故障ではない問い合わせに時間を取られている
- FAQの手入れが特定の担当者頼み
どのようなAIの取り組み?
電話とメールの対応ログ分析をもとにチャットボットとFAQを継続的に手入れし、不具合ではない修理預かりを月2桁から1件以下まで減らしたAI取り組み
業種
家電メーカー(製造業)
取り組み領域
カスタマーサポート/チャットボット・FAQ運用
使ったAI
AIチャットボット+AI BPO(AIを使った運用業務の外部委託)
主な成果
不具合ではない修理預かりが月2桁から1件以下に減少
バルミューダは2023年にチャットボットを導入し、製品の不具合から修理までの案内経路を整えていましたが、運用が2年目に入り、日々の見直しを担う体制と、運用の到達点をあらためて定める必要が生じていました。そこで、チャットボットの導入時から関わっているカラクリのAI BPO(AIを使った運用業務の外部委託)を利用し、「何をやるのか」「何ができたら達成なのか」という目標設定から共同で整理しています。実務としては、電話とメールの有人対応ログを分析し、そこから見えた論点をもとに会話カード(チャットボットに登録する質問と回答のセット)の新規作成や修正を提案し、チャットボットへ反映する流れを回しています。スチームトースターの焼き色に関する説明を、製品の温度制御の仕組みにさかのぼって書き直すといった改善も、この運用の中から生まれました。
出典:不要な修理預かりが月2桁→1件以下に。AI BPOで実現した、製品理解に基づくFAQ改善 発行元:カラクリ株式会社
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
チャットボットは修理までの導線を整え、電話件数を減らす効果を出していました。それでも、寄せられる声を読み続けて反映する地道な作業に人を厚く割ける状況ではなく、運用の目標も導入当時のまま置かれていました。並行して、スチームトースターでは、正しい使い方で解消する焼き色の相談が「故障」と受け止められ、預かって点検しても不具合が見つからないケースが積み上がっていました。
編集部の見立てでは、ここでの困りごとの本質は問い合わせの量ではありません。説明が「こう操作してください」という手順の提示で止まり、なぜそうする必要があるのかという製品側の理屈が読み手に届いていなかったこと、そしてそのズレを見つけて直し続ける担い手が社内に確保できていなかったこと。この二つが重なると、窓口の負荷は減らないどころか、送料も点検工数もかかる修理預かりという最も重い形で表面化します。
どうやって、うまくいったのか
運用作業を委ねる前に、到達点の定義から共同で行った立ち上げ方が、この取り組みの土台になっています。導入から2年が経ち、利用者の期待が変わった段階では、更新作業そのものが目的化しやすい。理想の議論から入り、最終的に「有人対応ログの分析」「会話カードの更新・作成提案」「チャットボットへの反映」という具体的な作業へ落とし込む順序をたどったことで、日々の細かな判断に共通のものさしが用意されました。
表面的な操作指示で済ませず、製品の仕組みまで踏み込んで回答文を組み直す方針も、成果を分ける要因だったと考えられます。焼き色の相談に「焼く時間を延ばしてください」と返せば形式的には回答になりますが、それでは読み手の中に納得は残りません。スチームトースターがどういう温度帯で動いていて、だから最後まで扉を開けてはいけない、という理由ごと伝える書き方へ変えた設計は、問い合わせに答えるのではなく、問い合わせが起きる状態そのものに手を入れる働きをしています。外部の担当者が製品の技術を学ぶ手間を引き受けた点も見逃せません。
分析を単発で終わらせず、日常の対話として続けられる関係の作り方も効いています。困りごとを社内だけで抱え込まず担当者に投げる姿勢、気づきをその場で書き込めるタスク管理ツール、そして「こうしたい」という手段の相談を「本来達成したいことは何か」へ引き戻す問い直し。暑くなる時期に扇風機の話題を最初のメッセージへ出す、特定製品の不具合相談が増えている兆しを共有して導線を引く、といった先回りの提案は、こうした往復の中からしか出てきません。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
日々の見直しや新製品発売時の会話カード作成を任せられるようになり、社内の作業工数は目に見えて減りました。最も分かりやすい変化は、点検しても不具合ではなかった修理預かりが月に2桁あった状態から、1件あるかないかまで減ったことです。説明の書き直しは、美味しく焼くための温度制御という製品の技術を伝える機会にもなりました。今後については、目指す姿や完成形のイメージを共に整理していく段階と位置づけられています。
うちでも使える?
応用しやすいのは、問い合わせの多くが製品や仕様の誤解から生まれていて、その理由を公開情報として説明できる業種です。家電に限らず、住宅設備や機器を扱う会社、初期設定でつまずきやすいサービスなどは、同じ構図を抱えているはず。逆に、回答が契約内容や個人の状況で変わる領域は、理由まで書き込むと例外が増えてFAQとして成立しにくく、この形はそのまま持ち込めません。外部の力を借りる場合も、相手が製品の仕組みを学べるだけの情報を渡し、疑問を投げ返してもらえる関係を先に作る必要があります。丸ごと任せる前提で始めると、表面的な文言修正の繰り返しに戻ってしまいます。
始めるなら、直近1か月の修理受付や返品相談を見返し、「調べたら不具合ではなかった」ものが何件あったかを数えてみてはいかがでしょうか。そのうち最も多い一件について、いま出している回答文が操作の指示だけで終わっていないか、なぜそうするのかが書かれているかを読み比べる。ここに差があれば、手を入れる場所はすぐに見つかります。
この事例は2024年5月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:マーケティング
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
バルミューダ株式会社
出典・参考情報
不要な修理預かりが月2桁→1件以下に。AI BPOで実現した、製品理解に基づくFAQ改善
発行元:カラクリ株式会社
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