実施 2025.06 ・ 更新 2026.08.13
AIで弁当の販売数量200%、NEC社員向け売店が属人的な販促から脱却
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 売れ筋の外部情報が自社に当てはまらない
- 販促の企画がベテランの勘頼み
- 販促物を作る人手が足りない
どのようなAIの取り組み?
外部の購買ビッグデータと生成AIを組み合わせた施策立案の仕組みで、社員向け売店の販促を属人的な経験則から切り替えたAI取り組み
業種
社員向け売店運営・福利厚生サービス(小売・流通)
取り組み領域
販促企画・マーケティング施策立案/販促物制作
使ったAI
マーケティング施策立案ソリューション「BestMove」(生成AI・顧客分析AI・画像生成AI等)
主な成果
ある弁当の販売数量が利用前比200%
NECライベックスは、NECグループ社員だけを対象とする売店を全国約30店舗運営しています。顧客が限られるぶん外部の売れ筋情報が当てはまらず、企画はバイヤーや担当者の経験に依存し、販促物を作るクリエイターの手も足りない状態でした。そこで採り入れたのが、NECが提供する施策立案ソリューション「BestMove」です。大手クレジットカード会社のビッグデータにNEC独自の属性拡張技術を掛け合わせて顧客の趣味嗜好を可視化し、生成AIがアイデア出しやキャッチコピー、ビジュアル案の作成までを支援します。反応予測AIやフェルミ推定AIで効果を事前に見積もったうえで施策を実行する流れが組まれ、ある弁当では販売数量が利用前の200%に達しています。
出典:クローズドマーケットの壁をAIで突破 売上200%を実現したNECライベックスの挑戦 発行元:NEC wisdom
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
対象がNECグループ社員に限られる「クローズドマーケット」は、安定した顧客基盤という強みである一方、一般的なコンビニエンスストアの戦略や外部の売れ筋データを持ち込んでも噛み合わないという難しさを抱えていました。かつては同業他社との横のつながりから情報を得られたものの、同水準のサービスを続ける企業がほとんど残っておらず、参照先が失われていた点も語られています。加えて、拠点ごとに客層が異なり、販促物を作るクリエイターの数も限られていました。
編集部の見立てでは、ここでの困りごとの本質は「情報が足りない」ことよりも、判断の根拠を社外から借りられない構造にあったのではないでしょうか。市場が閉じていれば、頼れるのは自社の経験だけになり、その経験は個人の中に溜まっていきます。中途採用で若い世代の利用者が増え、これまでの経験則が通用するか不安があったという発言は、属人化の弱点が表面化しつつあったことを示していると読めます。
どうやって、うまくいったのか
社内にない情報を、外部の購買データから推し量る設計が起点になっています。大手クレジットカード会社のビッグデータにNEC独自の属性拡張技術を重ねることで、年齢や性別だけでなく趣味嗜好まで踏み込んだ顧客像を描き、「職域販売」といった自社の事情に近い条件を指定して層を絞り込む使い方がされています。閉じた市場では自社の購買履歴だけを見ても比較対象がないという弱点を、外部データを介して補う発想が効いたと考えられます。
施策を実行する前に効果を見積もる工程を挟んだことも、大きかったのではないでしょうか。反応予測AIやフェルミ推定AIで見通しを立ててから動く流れになっており、担当者の言葉としても「確信を持って施策を実行できた」ことが成果の理由に挙げられています。データ活用というと分析の精度に目が向きがちですが、実際に現場を動かすのは、根拠を持って踏み切れるかどうかという納得感の部分です。アウトプットに根拠と信憑性があるから安心して実行できる、という状態を作った点に、この仕組みの実務的な価値がありそうです。
企画から販促物制作までを一つの流れの中で支えている点も見逃せません。情報の少ないニッチな商品については、知見発見技術(ThinkWell技術)が個人のブログや口コミサイトといった散在するデータをたどり、仮説を立てて評価する探索を繰り返して知見をまとめ、そこからキャッチコピーが導かれています。さらに画像生成AIが見出しに合わせたビジュアル案を出し、ナレッジ共有AIや施策案学習AIが成功したやり方を蓄積して部門内に回す。個人の頭の中にあった判断基準を組織で使える形に置き換える循環まで含めて組み立てられていることが、属人化への対処として機能したと見ています。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
この事例で出た成果
ある弁当では、販売数量が利用前と比べて200%となり、ターゲット層に合わせたコピーとポスターを用意した結果、短時間で完売しています。施策アイデアを調べる手間が省け、企画検討や販促物制作にかかる時間も短縮されました。定性的な変化としては、ポスターを単なる商品カタログではなく、適切な物差しを持って作れるようになったという声が挙がっています。今後は日用品や食料品といった最寄り品、健康保険組合と連携した家庭用常備薬の拡販への活用も検討されています。
うちでも使える?
顧客が特定の集団に限られ、世の中の売れ筋データがそのまま参考にならない業態には、考え方を移しやすい事例です。社員食堂や院内売店、会員制の施設、特定エリアだけを商圏とする小売など、母数が小さく自社データだけでは傾向をつかみにくい現場ほど、外部の購買データで顧客像を近似する発想は検討する価値があります。販促物を作る人手が限られ、企画はできても形にする段階で詰まる組織にとっても、コピーやビジュアル案の生成が滞りを解く手がかりになり得ます。
一方で、この進め方は「外部データから自社の客層をある程度推定できる」ことが前提です。購買行動が一般的な消費と大きく異なる商材や、価格や納期など個別交渉で決まる取引では、同じ形での応用は難しいでしょう。売上の変動要因が天候や競合の動きに強く左右される場合、施策の効果を切り分けて評価できず、予測の妥当性を検証しづらい点にも注意が要ります。まず試すなら、次の販促を一つ選び、狙う客層と反応の見込みを実行前に短く書き留めてから結果と突き合わせてみる。この往復を数回積めば、AIによる予測を自社の判断に組み込む余地があるかどうかが見えてきます。
この事例は2025年6月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:マーケティング
活用したデータ:外部・Web・SNSデータ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
NEC
マーケティング施策立案ソリューション「BestMove」を提供。大手クレジットカード会社のビッグデータと生成AIやNEC独自のAI、知見発見技術(ThinkWell技術)を活用し、顧客の趣味嗜好性の見える化や顧客の絞り込みを実現する。
株式会社NECライベックス
出典・参考情報
クローズドマーケットの壁をAIで突破 売上200%を実現したNECライベックスの挑戦
発行元:NEC wisdom
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