実施 2026.04 ・ 更新 2026.08.15
JR九州、手書き資料も読めるRAG検索と各部署ノーコード開発の生成AI活用
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 社内資料がどこにあるか分からない
- 紙やスキャン資料をAIで活かせない
- ベテラン頼みの調べものを減らしたい
どのようなAIの取り組み?
手書きや図表を含む紙資料もAIが読み取るRAG検索と、各部署がノーコードで生成AIアプリを作る体制づくりに取り組んだ事例
業種
鉄道業(運輸・物流)
取り組み領域
社内ナレッジ検索/各部門の業務支援
使ったAI
Alli LLM App Market(RAG・AI-OCR)
主な成果
自然言語での社内資料の横断検索が可能に
九州で鉄道を中核に不動産やホテル、流通まで手がけるJR九州は、グループ中期経営計画にDX活用範囲の拡大を掲げ、全社で生成AIを使える環境づくりを進めてきました。2023年5月に活用ガイドラインを整え、その後は内製でRAG(社内の資料をAIが検索して回答に使う仕組み)環境も構築しましたが、手書きやスキャン資料への対応、業務への機能拡張、運用負担という三つの壁に直面します。そこで採用されたのがAllganize Japanの「Alli LLM App Market」で、AI-OCRによる手書き・図表対応、ユーザー数に依存しない料金体系、ノーコードでの素早いアプリ作成、AIエージェントへの拡張性という四点が判断材料になりました。現在は社内規程やマニュアルの検索を軸に、議事録作成やRPAのエラー確認まで、各部署が自らアプリを作って業務に組み込んでいます。
出典:■導入事例■【JR九州様】手書き・図表対応RAG×ノーコード開発で、現場と共に進化を目指す全社的な生成AI活用とは 発行元:Allganize Japan株式会社
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
情報を探す作業は、部署ごとに異なるフォルダ構成を覚えることとほぼ同義でした。新人には目的の資料にたどり着くまでの負担が重く、異動のたびに資料の所在と探し方を把握し直す必要があり、結局はベテラン社員に尋ねるという流れが生まれます。内製で構築したRAGにも壁があり、規程などの資料だけでは判断が難しい質問に生成AIが無理に回答を作る傾向や、スキャン済みの手書き・図表資料を十分に認識できないという課題が残っていました。
編集部の見立てでは、ここでの本質的な問題は資料が足りなかったことではなく、紙をPDF化した時点で「保管は済んだが、機械にも人にも読み解けない」状態の資産が積み上がっていた点にあります。デジタル化とデータ活用の間に横たわるこの落差を、個々の社員の記憶と経験が肩代わりしていた。それが属人化の正体だったのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
回答対象の資料を部署・系統別に分類し、AIが見に行く範囲をあらかじめ絞り込んだ設計が、この取り組みの土台になっています。デジタル変革推進部がテンプレートとなるアプリを用意し、各部署はそれをコピーしたうえでプロンプトや画面を自部署向けに調整する形をとりました。全社の資料を一つの巨大な知識ベースに束ねず、業務の系統ごとに小分けにする割り切りが、精度と応答速度の両方を引き上げる方向に効いていると考えられます。
開発を「各部主導型」に振り分けた体制設計も、現場の細かなニーズを拾ううえで大きく働いています。DX推進部署が一括で構築する方式をとらず、各部署のデジタル担当者が自らアプリを開発・設定できるようにしたことで、同時並行の開発が成立しました。支える側はノーコードビルダーの編集箇所をハンズオンや勉強会で案内し、社内チャットツールに相談窓口を置いて、行き詰まりを引き取る役へ回っています。2020年頃から各部署にデジタル担当者を配置し、ローコードツールを業務に取り入れる風土を育ててきた蓄積が、生成AIでもそのまま使い回せた点は見逃せません。
既存の業務環境を動かさないという選定基準も、定着を左右した要素でしょう。新たなデータ移行を伴わない形で使い慣れたBoxと連携させ、作ったアプリは全社ポータルに集めて「課題別に使えるアプリ」として並べる。入口と保管場所を変えずに済ませたこの設計は、導入時の心理的・作業的なハードルを確実に下げます。手書きメモ入りの図版まで読み取れるAI-OCRを前提条件に据えた判断も、すでに手元にあるスキャン資産をそのまま検索対象にできるという意味で、実運用への近道になったはずです。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
数値的な効果よりも業務への自然な浸透と使いやすさを重視する方針のもと、社内では「働きやすくなった」「有識者が不在でも情報を確認できるようになった」という声が挙がっています。フォルダ構造や資料形式を理解しなくても自然言語で横断的に検索できるようになり、打ち合わせの場でも関連資料や過去事例を確認しながら、根拠に基づく合意形成が徐々に進みつつあります。膨大な資料から必要な情報を探す負担の軽減については、これから効果が積み上がっていく段階です。
うちでも使える?
応用しやすいのは、スキャン済みの紙資料が大量に眠っていて、しかも保管の作法が部署ごとにばらばらな組織です。手書きや図表を読めるAI-OCRを前提にすれば、これまで検索対象にすらならなかった資料が使える資産に変わりますし、回答対象を業務の系統ごとに絞る運用は、扱う資料の種類が多い組織ほど効いてきます。
一方で、そのまま持ち込みにくい条件もあります。この事例の速さは、各部署にデジタル担当者が置かれ、ローコードで自分の業務を改善する経験が数年分積まれていたことに支えられています。作り手が情報システム部門に一人しかいない、あるいは資料の分類そのものが定まっていない状態では、テンプレートを配っても展開は進みにくいでしょう。ユーザー数に依存しない料金体系の妙味も、全社規模で使う前提があって初めて成立します。
まず試すなら、手書きメモの入った図面やスキャンPDFを数枚選び、そのままAIに読ませてどこまで答えられるかを確かめてみる。自社に眠っているものが「読める資産」なのかどうかは、そこで見当がつきます。
この事例は2026年4月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
Allganize Japan株式会社
法人向け生成AI・AIエージェントプラットフォーム「Alli LLM App Market」を提供。ユーザー数無制限の料金体系、100以上の生成AIアプリ・AIエージェント、図表・手書きに対応するAI-OCR搭載の高精度RAGを備え、300社以上の導入実績を持つ。
九州旅客鉄道株式会社(JR九州)
出典・参考情報
■導入事例■【JR九州様】手書き・図表対応RAG×ノーコード開発で、現場と共に進化を目指す全社的な生成AI活用とは
発行元:Allganize Japan株式会社
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