実施 2025.05 ・ 更新 2026.08.15
NECグループの生成AI浸透策で活用サイト閲覧60倍、業務別事例集と利用ログ分析
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- AIツールを配ったのに使われない
- 誰がどれだけ使っているか分からない
- 使い方の問い合わせが担当者に集中
どのようなAIの取り組み?
業務別の活用事例集と利用ログ分析にもとづく施策で、Microsoft 365 Copilotのグループ全体への浸透を進めたAI取り組み
業種
電機・ITサービス(製造業)
取り組み領域
全社・グループ会社の生成AI利活用推進(社内DX)
使ったAI
Microsoft 365 Copilot(生成AIアシスタント)
主な成果
活用サイトの閲覧回数が施策実施前の60倍に増加
日本電気(NEC)グループは生成AI領域の強化を進めるなかでMicrosoft 365 Copilotを活用していましたが、グループ全体のアクティブユーザー率は低く、業務に即した活用事例も十分には生まれていませんでした。支援に入ったアビームコンサルティングは、利用ログとアンケートからユーザー特性を分析し、業務領域ごとのヘビーユーザーを特定したうえでインタビューを実施。情報処理サービス、知的財産関連業務、コールセンター管理業務といった業務別に、活用シーンや指示文(プロンプト)、想定される削減時間まで具体化した事例集をまとめました。あわせて、利用者の行動モデルに沿ったコンテンツ整備とコミュニティの仕組みづくり、勉強会や社内ニュースレターによる情報発信を行い、推進事務局に集中していた問い合わせを利用者側で解決できる形へ移しています。
出典:グループ会社を含めた大規模なMicrosoft 365 Copilotの利用推進を支援 | 事例 | ABeam Consulting 発行元:アビームコンサルティング株式会社
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
Microsoft 365 Copilotの活用そのものは始まっていたものの、グループ全体で見ればアクティブユーザー率は低いままで、活用事例を自社のビジネスへ取り込み顧客に提供したいという構想の前提が満たされていませんでした。しかも、どの層が定期的に使い、どの層が触れていないのかという利用実態が見えず、効果的な施策を組み立てにくい。ツールの使い方に関する問い合わせは増え続け、その受け皿はCopilot推進事務局に一本化されていました。
編集部の見立てでは、ここでの本質的な詰まりはツールの機能でも研修回数でもなく、「自分の担当業務のどこで使えるのか」という具体像が、個々の社員の手元になかったことにあります。汎用的なアシスタントは、使い道を自分で設計できる人には強力に働きますが、そうでない多数派にとっては入口が見えにくい。事務局に問い合わせが集まっていた状況も、その空白を人手で埋め続けていた結果と読めます。
どうやって、うまくいったのか
起点に置かれたのが、利用ログとアンケートによるユーザー特性の把握と、業務領域ごとのヘビーユーザーの特定だった点が効いています。全社平均の利用率だけを見ていては打ち手が総花的になりますが、すでに成果を出している層を業務領域ごとに見つけ出せば、そこに実在する使い方を取材対象にできます。生成AIの特性を理解したコンサルタントがそのユーザーへインタビューし、活用効果の高い方法を抽出するという流れは、机上で用途を想像するのではなく、社内で先に起きている成功を掘り起こして再配布する設計といえるでしょう。
事例集の粒度設定も、この取り組みの要と考えられます。業務別の活用シーンにとどめず、Copilotへの指示文(プロンプト)と想定される削減時間までを具体化したことで、読んだ社員はその場で同じ操作を再現でき、やってみる価値も判断できます。スタートガイドや実際の業務に即した活用事例を積極的に展開したことが、利用の心理的ハードルを下げる方向に働いたのも、この「そのまま真似できる形」への落とし込みがあったからではないでしょうか。
もうひとつの柱は、利用者の行動モデルを踏まえてコンテンツを整備し、コミュニティの仕組みへつなげたやり方です。導入から業務活用に至るまでのどの段階で人がつまずくのかを想定して情報を配置すれば、不足している情報が特定しやすくなり、問い合わせに個別対応する前に自己解決の経路を用意できます。勉強会や社内ニュースレターによる継続的な発信も、一度きりの説明会で終わらせず、活用機運と機能理解を細く長く維持する装置として組み合わされていました。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
アクティブユーザー率は目標値を達成し、ライセンス保有者が10人以上在籍する12社のうち11社が週1回以上利用するレギュラーユーザー率の目標を、9社がより利用頻度の高いヘビーユーザー率の目標を達成しました。Microsoft 365 Copilot活用サイトの閲覧回数は施策実施前と比べて60倍に増加しています。事例の作成・集約による知識共有と業務効率の向上に加え、活用サイトやコミュニティの整備によって推進事務局の運用負荷が軽くなった点も、単なる利用率の数字以上に持続性のある変化といえます。NEC側からは、分析データに基づき施策の立案から実行、効果分析までを一貫して根拠立てて進められたこと、行動モデルにもとづく整備によって不足情報を的確に発見し、利用者目線の改善を素早く講じられたことが述べられています。
うちでも使える?
応用しやすいのは、生成AIツールをすでに全社配布していて利用が伸び悩んでおり、かつ誰がどの程度使っているかを管理側で確認できる環境がある組織です。利用状況が数字で見えるなら、「使っていない人を励ます」のではなく「使いこなしている人を探す」方向に発想を切り替えられます。逆に、利用ログが取得できないツールを使っている場合や、そもそも母数が小さくて社内にヘビーユーザーが見当たらない場合は、この方法をそのまま持ち込むのは難しくなります。業務が担当者ごとに固有すぎて、抽出した使い方が他の人に転用できない職場でも、事例集の効果は限定的になりやすいでしょう。
また、事例集やコンテンツは作って置くだけでは読まれず、勉強会や社内発信といった継続的な接点とセットで初めて回り始めます。その手間を担う人を確保できるかどうかが、実務上の分かれ目になります。まず試すなら、社内で一番うまく生成AIを使っている人に、直近で実際に打ち込んだ指示文をひとつ、そのまま見せてもらうところから。その一文が、自社版の事例集の最初のページになります。
この事例は2025年5月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:帳票・紙の資料
採用したAI技術・ツール
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
アビームコンサルティング株式会社
日本およびアジア発のNo.1グローバルコンサルティングファームを目指し、「Real Partner®」として企業や組織と共に新たな未来を共創し、企業変革の実現を支援するコンサルティングファーム。
日本電気株式会社
出典・参考情報
グループ会社を含めた大規模なMicrosoft 365 Copilotの利用推進を支援 | 事例 | ABeam Consulting
発行元:アビームコンサルティング株式会社
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