実施 2025.09 ・ 更新 2026.08.16
タイトーが画像生成AIでデザイン案を1時間100枚、校閲や翻訳も時短
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- デザインの外注費と納期がネック
- 海外とのやり取りに時間がかかる
- 資料の校閲に手が回らない
どのようなAIの取り組み?
Microsoft Azure上に構築した生成AI環境で、外注していたゲーム機のデザイン案づくりを自社に取り込んだAI取り組み
業種
ゲーム機開発・アミューズメント施設運営(メディア・広告・コンテンツ)
取り組み領域
資料の校閲・多言語対応/ゲーム機のデザイン制作
使ったAI
Azure OpenAI Serviceなどの生成AI・画像生成AI
主な成果
外注で1週間かかっていたデザイン案の制作が、自社で1時間に100枚可能に
アミューズメント施設の企画・運営やゲーム機の開発を手がける株式会社タイトーが、社内業務に生成AIを取り入れた事例です。クラウド基盤のMicrosoft Azureを導入し、その上にAzure OpenAI Serviceなどを組み合わせた生成AI環境を整えています。対象となったのは、資料の校閲、英語や中国語での取引対応、そしてゲーム機の筐体に使うパース絵(完成イメージを描いたデザイン案)の制作という、いずれも時間と外部コストがかかっていた業務です。特にデザイン案は専門業者への外注で1枚あたり十数万円、納品まで1週間以上を要していました。導入にあたっては、ソフトバンクが事前説明とソリューション選定の窓口を担っています。
出典:株式会社タイトー | 導入事例 | 法人のお客さま | ソフトバンク 発行元:ソフトバンク
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
ゲーム機の筐体に用いるパース絵は専門業者を通さなければ用意できず、1枚に十数万円と1週間以上がかかっていました。資料の校閲や、英語・中国語での取引対応も、担当者の時間を確実に削り取っていく作業として積み上がっていた状況です。
編集部の見立てでは、ここでの本質的な問題は一つひとつの作業が遅いことではなく、案を試す回数が費用と納期によって縛られていた点にあります。1枚に十数万円かかる前提では、複数のデザイン案を並べて比べるという発想そのものが持ちにくくなる。校閲や翻訳も構造は似ていて、直すたびに手間が発生する状態が続けば、社内では確認を省く方向に力が働きます。制作物や書類の質は結局のところ「何回やり直せるか」に左右されるはずで、外注や手作業を前提とした体制は、その回数に見えない上限を設けていたのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
用途ごとにAIサービスを個別に買い集めるのではなく、Microsoft Azureというクラウド基盤の上に自社の生成AI環境をまとめて構築した設計が、この取り組みの土台になっています。校閲、翻訳、画像生成は求められる処理が異なりますが、基盤を共通にすれば、利用ルールや認証、費用の管理を一本化したまま用途だけを足していけます。Azure OpenAI Serviceなどを必要に応じて組み合わせる形にしたことで、最初に何をどこまで使うかを決め切らずに走り出せる余地も生まれました。
着手する業務に校閲・翻訳・アイデア出しを最初に置いた順番も効いています。いずれも出来のよしあしを人がその場で判断でき、違っていれば差し戻せば済む作業で、AIの出力がそのまま社外に出るわけではありません。判断の主導権を人の側に残せる工程から入れば、精度への不安が導入自体を止めてしまう事態を避けられます。
社外に出していた工程を社内へ引き戻す使い方も、方向性として明快です。筐体のパース絵は、発注書の用意、業者とのやり取り、仕上がりを待つという段取りごと社外にあった作業で、そこを画像生成AIに置き換えると、時間の節約にとどまらず制作の進め方自体が変わります。入口では、ソフトバンクが事前説明で活用イメージを具体化し、ポータルを一本化して最適なソリューションを選べる状態を用意する役割を担いました。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
校閲ではA4書類1枚につき15分、英語や中国語での取引ではメール1通あたり15分、企画書では2時間の削減が報告されています。筐体のパース絵は自社で1時間に100枚作成できるようになり、コストも大きく下がりました。この制作力は高額なゲーム機の受注にもつながっています。活用はゲームの背景やキャラクター制作にも広がり、従業員の満足度向上にも結びついています。今後は業務プロセスへの組み込みを強めるとともに、電子機器を使わない業務が大半を占める事業特性を踏まえ、音声認識の実装も検討されています。
うちでも使える?
応用しやすいのは、外注の単価と納期がはっきりしている制作物を抱えている場合です。1枚いくら、納品まで何日という数字が既に出ている工程なら、内製に切り替えたときの差を計算しやすく、社内の合意も取りやすくなります。案を数多く出して比べることに意味がある工程ほど、効き目は出やすいはずです。
一方で、この事例のパース絵は、そのまま商品として売るものではなく、企画や提案の段階で使う中間の成果物という性格を持ちます。最終的に世に出る意匠や、権利関係の確認が欠かせない素材を置き換えようとすると、確認の手間が増えて割に合わなくなることもあります。タイトー側が音声認識の検討に触れているように、パソコンに向かわない業務が多い現場では、AIに触れる接点をどう作るかが先に立ちはだかる課題になります。まずは直近で外注した制作物の請求書を1枚開いてみてはどうでしょうか。そこに並ぶ金額と納期が、自社に何回のやり直しを許していたのかが見えてきます。
この事例は2025年9月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
株式会社タイトー
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