実施 2023.03 ・ 更新 2026.08.16
広告の薬機法チェックをAIで自動判定、無料公開でサービス売上150%成長
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 広告原稿の法令チェックに時間を取られている
- 確認作業がベテラン任せで属人化している
- 依頼前の下調べを顧客側でも進めてほしい
どのようなAIの取り組み?
自然言語処理を用いた無料の薬機法セルフチェックを公開し、確認業務の負荷軽減と新規顧客の接点づくりを同時に狙ったAI取り組み
業種
マーケティング支援(メディア・広告)
取り組み領域
広告表現の薬機法・景品表示法チェック
使ったAI
自然言語処理AI(テキスト判定)
主な成果
対象サービスの売上が約150%成長
生活者調査を軸にマーケティング支援を手がける株式会社ネオマーケティングは、約7年にわたって提供してきた広告やランディングページの薬機法・景品表示法チェックの業務に、自然言語処理を用いたAIを取り入れました。開発パートナーはAIスタートアップの株式会社Lightblueで、技術検証から判定システムの構築までを担っています。2023年3月に公開された「セルフ薬機法チェック β版」は、同社が蓄積してきた教師データをもとに原稿を自動で確認し、NGの割合を判定する仕組み。利用者は同社サイト上で化粧品記事・健康食品記事・医療広告記事のいずれかを選び、対象のテキストを貼り付けるだけで、平均1分ほどでメールに判定結果が届きます。無料で誰でも試せる形にしたことで、専門チームの確認工数を抑えると同時に、依頼前の自己点検を顧客側でも行える設計になっています。
出典:現場の負担を減らし、売上創出に繋げる。自然言語処理を用いたネオマーケティングの「セルフ薬機法チェック」システム。 | Lightblue 発行元:株式会社Lightblue
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
薬機法の改正で規制は厳しくなり、広告表現のチェック需要は拡大する一方でした。専門チームが月に約500件の対応をこなす状況で、業務負荷は年々増していきます。しかもこのサービスは、法令に触れる箇所を指摘して終わりではなく、訴求したい内容を損なわないようにリライトまで踏み込むため、担当者の経験に強く依存していました。
編集部の見立てでは、困りごとの本質は件数の多さそのものではなく、経験がなければ下せない判断と、誰が見ても答えが決まっている判断とが、一つの作業のなかで分離されないまま扱われていたことにあります。実際、受け取った原稿には明らかに違反と分かる文章も少なくありませんでした。黒に近い部分の選り分けにまで熟練者の時間が吸われる構造が続く限り、対応量を伸ばす手段は人を増やすことしか残りません。
どうやって、うまくいったのか
起点になったのは、「チェックを行う前」と「チェックした後」のデータが対になって残っていた事実を、学習の材料として捉え直した判断です。約7年の運用で自然に溜まっていた業務の副産物が、判定を学ばせるための教師データという別の価値を持ちました。そのうえでAIの役割は、原稿の可否を最終的に決めることではなく、チェックすべきポイントの抽出とNG割合の提示に絞られています。訴求を損なわずに書き換えるという最も属人的な工程を人の手に残した切り分けが、実務に載せられる形をつくったのではないでしょうか。
判定の窓口を社内ではなく顧客側に開いた設計も見逃せません。無料のセルフチェックとして自社サイトに置き、利用者に求める操作は記事ジャンルの選択とテキストの貼り付けだけ。結果はメールで返すため、その場で画面に張り付く必要もありません。専門チームに相談が届く前の段階で、どの程度の校正が必要かを依頼者自身がつかめるようにした点に、工数削減と顧客体験の両方を同時に動かす意図が読み取れます。
進め方の面では、試行錯誤が避けられない前提を最初から織り込んだ開発の組み立てが効いています。技術検証のステップをどう踏むかを重視し、アルゴリズムの組み方を変える、ある機能を落として別の機能を加えるといった軌道修正が実際に行われました。ここではパートナーのLightblueが技術検証と構築を担い、ネオマーケティング側が達成したいゴールと現場の知見・蓄積データを持ち込む分担が成立しています。β版として世に出し、教師データを増やしながら精度を上げていく前提に立った点も、完成を待たずに動かすための現実的な選択でした。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
公開後は多くの企業に利用され、それまで同社が薬機法チェックのサービスを提供していることを知らなかった層が、Webサイトを訪れるきっかけになりました。利用者はそのまま見込み顧客として位置づけられ、リーガルチェックサービスの売上は約150%の成長。無料ツールが集客の入口として働いた形です。今後は教師データを増やして回答精度を高め、将来的には人を介さずSaaS(インターネット経由で使うソフト)として提供できる状態を理想に据えています。
うちでも使える?
応用が利きやすいのは、過去の作業に「手を入れる前」と「手を入れた後」が対で残っていて、判断のよりどころが法令や社内ルールとして外部に書かれている業務です。原稿確認に限らず、申請書のチェックや見積書の記載確認のように、正解の輪郭が言語化されている領域なら、判定の学習材料は業務の中にすでにあります。
一方で、指摘の理由が担当者の頭の中にしかなく、直した後の版だけが残っている業務では、同じやり方は取りにくいでしょう。判定を外したときの影響が大きく、人の確認を必ず挟まなければならない領域も同様です。この事例の無料公開という形も、判定が粗くても利用者が不利益を被らない範囲だからこそ成り立っている面があります。まず試すなら、直近数か月の差し戻しや修正のやり取りをさかのぼり、修正前と修正後の文書がペアで保管されているかを確かめるところから。そこが揃っていれば、AIに教える材料は手元にあります。
この事例は2023年3月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
株式会社Lightblue
東京大学発のAIスタートアップ。自然言語処理などのAI技術を活用したシステム構築を支援する。
株式会社ネオマーケティング
出典・参考情報
現場の負担を減らし、売上創出に繋げる。自然言語処理を用いたネオマーケティングの「セルフ薬機法チェック」システム。 | Lightblue
発行元:株式会社Lightblue
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