実施 2024.07 ・ 更新 2026.08.15
府中市の職員向け生成AI研修、Copilot活用を3段階に分けた設計
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 生成AIを入れたのに社内で使われない
- AIを使ってよい範囲を決められない
- 研修が基礎知識だけで終わる
どのようなAIの取り組み?
生成AIの基礎からCopilotの実務活用までを3段階の研修に分け、自治体職員の利用開始を支えたAI取り組み
業種
地方自治体(公共・行政)
取り組み領域
庁内業務全般/職員研修
使ったAI
Copilot for Microsoft 365(生成AI)
主な成果
3段階の職員研修を提供(効果の数値は未公表)
東京都府中市は2024年7月から「Copilot for Microsoft 365」をはじめとする生成AIを庁内に入れ、職員の業務効率化によって、直接的な支援が必要な市民への対応時間を生み出すことと、職員のワークライフバランスの実現を目指していました。ただし導入初年度であり、職員が生成AIの特徴やリスク、使い方を正しく理解したうえで安心して使い始められる場が必要とされていました。ここで株式会社AVILENと株式会社大塚商会が共同で開発したのが、府中市役所の職員に向けた学習プログラムです。生成AIリテラシー研修、Microsoft Copilot活用研修、Microsoft Copilot実践研修という3ステップに分け、基礎知識の習得から庁内の実業務への当てはめまでをつなぐ形で提供されました。
出典:AVILENと大塚商会、共同開発した生成AIリテラシー研修/Microsoft Copilot活用・実践研修を府中市が導入〜生成AI・Copilotのビジネス活用に不可欠な要素を数時間に凝縮して学習できる〜 | NEWS(ニュース) | 株式会社AVILEN 発行元:株式会社AVILEN
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
庁内に生成AIが行き渡っても、職員一人ひとりが「この資料を読ませてよいのか」「この回答をそのまま使ってよいのか」を判断できなければ、ツールは机の上で止まります。府中市が求めていたのは、Eラーニングを含む基礎的な職員研修と、庁内のニーズを反映した実践的な研修の両方でした。
編集部の見立てでは、この困りごとの本質は知識不足そのものではなく、判断の基準が個人任せになっている状態にあります。基準がなければ、慎重な職員は使わず、抵抗の少ない職員だけが使うという偏りが生まれ、庁内での活用推進という当初の狙いから遠ざかっていく。導入初年度に研修が求められた理由は、そこにあったのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
理解・操作・適用という3つの段階に研修を切り分けた構成が、この学習プログラムの軸になっています。生成AIとは何かを知る段階、Copilotの操作を覚える段階、自分の担当業務に当てはめる段階では、つまずく場所も必要な時間も異なります。ひとつの研修に詰め込めば、基礎の説明で時間切れになるか、機能紹介で終わって「では自分の仕事のどこで使うのか」が宙に浮いたままになりがち。段階を区切ったことで、各回の到達点が受講する側にも見えやすくなったと考えられます。
提供方式を段階ごとに変えた設計も効いています。基礎知識とリスクの理解はオンラインのライブ講義、Copilotの基本的な使い方はEラーニング、実務への当てはめは再びライブ講義という配置です。身につけるべきものが「納得」なのか「手順」なのかで、適した形式は変わります。手順は各自のペースで何度も戻れるEラーニングが向き、判断の基準づくりは講師とやり取りできる場のほうが向く、という切り分けです。
庁内から集めたニーズを取り込み、府中市役所で実際に行われている業務に当てはめる実践研修を最終段に置いた点も見逃せません。汎用的な生成AI研修は、その場の理解度は高くても、翌日の窓口業務や書類作成には接続されずに終わることがあります。さらに、学習プログラムを設計する側と、Microsoftソリューションパートナーとしてライセンス購入から導入までを担う側が組んだ体制は、「入れたが使われない」と「学んだが使える環境がない」の両方を避けやすい形になっています。
具体的に、どんな成果が出たのか
推進したこと
この事例で出た成果
公開されている範囲では、削減時間や利用率といった数値は示されていません。確認できるのは、生成AIリテラシー研修、Microsoft Copilot活用研修、Microsoft Copilot実践研修の3つが府中市役所の職員に提供され、生成AI活用に対する意識醸成と安全な利用方法の習得を目的とした職員教育が行われている、という段階です。府中市が掲げていたのは、業務効率化を通じて市民への対応時間を確保することと、職員のワークライフバランスの実現。効果が数字で語られるのはこれからということになります。
うちでも使える?
応用しやすいのは、すでに使っているオフィスソフトに生成AIが組み込まれ、部署を問わず一斉に配られるようなケースです。担当業務がばらばらでも、基礎知識とリスクの理解は共通化でき、業務への当てはめだけを各自に開くという構造がそのまま持ち込めます。Eラーニングとライブ講義を混ぜる進め方も、規模の大小にかかわらず組みやすい形です。
一方で、実践研修は現場のニーズを吸い上げられることが前提になります。庁内ニーズを取り込んだからこそ実業務に当てはめられたわけで、要望を集める窓口も、業務の例を出してくれる職員もいない状態で同じ形をなぞると、実践パートが一般的な使用例の紹介に戻ってしまう。受講状況を追える仕組みがないままEラーニングを配ると、受けた人と受けていない人の差が見えなくなる点にも注意が要ります。
まず試すなら、生成AIを触った人が迷った場面を数件、言葉のまま集めてみるところから。「この文書を貼ってよいのか」「この回答を信じてよいのか」といった迷いは、基礎研修で扱うべき論点と、実践研修で扱う業務テーマの下地になります。
この事例は2024年7月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
採用したAI技術・ツール
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
株式会社AVILEN
「データとアルゴリズムで、人類を豊かにする」をパーパスに掲げ、上場企業を中心に700社以上(2023年12月末時点)に対し、AI搭載のソフトウェア開発とビルドアップパッケージ(デジタル組織の構築支援)を主軸としたAIソリューションを提供。AIトランスフォーメーション戦略の策定からテクノロジー活用アビリティの向上、AIの導入まで一気通貫で支援している。
東京都府中市
出典・参考情報
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