実施 2025.08 ・ 更新 2026.08.13
研修と伴走支援でCopilot毎日利用率76.9%へ、JTBの自分ごと化の設計
プロジェクト期間:半年未満
企業規模:1,000人以上
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- ツールは配ったのに使われない
- 機能説明だけでは業務に結びつかない
- 社内研修にリソースを割けない
どのようなAIの取り組み?
段階的な研修と実践型の伴走支援でCopilotの活用を促し、毎日利用する社員の割合を76.9%まで高めた取り組み
業種
旅行業(宿泊・観光)
取り組み領域
全社の生成AI活用推進・人材育成
使ったAI
Microsoft 365 Copilot(生成AI)
主な成果
毎日Copilotを利用する社員の割合が51.6%から76.9%へ向上
旅行業界の大手である株式会社JTBは、全社員が使える社内専用の生成AIチャットを自社で開発・提供し、あわせてMicrosoft 365 Copilotを希望部門が費用を負担する形で導入していました。ただ、環境を整えても利用率は伸び悩んでいます。そこで、AI・DX領域の人材育成を手がけるスキルアップNeXtと組み、約2か月にわたる段階的な研修と実践型の伴走支援を実施しました。組み立ては、対話型生成AIの基礎を扱うeラーニングでの事前学習、Microsoft 365 Copilot活用講座、参加必須としたハンズオン形式の生成AIアイデアソン講座、質問会である「Copilot道場」という流れ。対象は全社から希望を募ったメンバーで、受講の前後で毎日Copilotを使う社員の割合が大きく変化しています。
出典:株式会社JTB | 法人向けサービス | スキルアップAI | 組織・人材変革を加速するAI/DX伴走パートナー 発行元:スキルアップAI(Beyont Ltd.)
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
JTBが向き合っていたのは、生成AIを使える環境はあるのに使われない、という状態でした。社内には全社員向けの生成AIチャットがあり、Copilotも希望部門から導入が進んでいましたが、デジタルリテラシーがあまり高くない傾向があり、機能説明や汎用的なユースケースの紹介だけでは「自分の業務にどう活かせるのか」という像を結びにくい社員が多い状況です。手を動かすハンズオン形式の必要性は推進側も認識していたものの、自社ツールの普及に手一杯で、Copilotの研究や教育にまでリソースを割けない事情が重なっていました。
編集部の見立てでは、困りごとの本質は利用率という数字そのものではなく、ツールの機能と一人ひとりの担当業務との間を橋渡しする作業が、誰の仕事にもなっていなかった点にあります。導入の意思決定と機能の周知までは担当が明確でも、その先の翻訳作業は現場の各自に委ねられていた。リテラシーの差は、その翻訳を自力でやり切れる人とそうでない人の差として表れたのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
知識のインプットをeラーニングに預け、集合の時間を手を動かす場に振り分けた段階的な構成が、この設計の土台にあたります。事前学習は操作説明にとどまらず、近年の生成AI全体の動向まで体系的に扱う内容で、その上で参加必須のハンズオンに臨む順番が組まれています。前提知識の差を集合研修の場で埋めようとすれば、時間の大半は説明に消えてしまう。役割を分けた結果、限られた同期の時間を試行そのものに使い切れる形になっています。
教える対象をツールの操作ではなく、自分の業務を分解して活用アイデアを見つける考え方に置いた点も、この取り組みの芯です。機能や画面はアップデートのたびに変わりますが、業務を工程に分けてAIに任せられる部分を切り出す手順は、対象がCopilotでも別のツールでも通用します。受講者が持ち帰るものを操作手順ではなく判断の型にした選択が、研修が終わった後まで効き続ける余地を作っている。
誰に届けるかを絞り込んだ運用も見逃せません。案内は全社一斉ではなく、2,400名以上が参加する社内の生成AIコミュニティ内で行われ、情報感度と学習意欲の高い層が自然に集まる経路が使われました。ハンズオンでは顔出しやコメントを必須にするなど、途中で離脱させないための運用ルールも敷かれています。初心者向けの啓蒙とは切り離し、すでに関心を持つ中間層に照準を合わせたやり方は、同じ内容でも届き方が層によって変わることを織り込んだ判断と読めます。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
毎日Copilotを利用する社員の割合は、受講前の51.6%から76.9%へと25.3ポイント上がりました。質問会に参加した17名では、月に合計約48時間の業務削減効果が出ています。研修で生まれた活用法を全受講生が実施した場合、年間で最大約3,240時間の削減が見込めるという試算も示されており、こちらは今後の活用に期待をかける段階。数字以外でも、同じ課題を持つ受講者同士が業務改善につながるプロンプトを共有する部門を越えた交流や、アイデアソンの案を練り直して社内の生成AIハッカソンに挑む動きが生まれています。
うちでも使える?
応用しやすいのは、利用できる環境はすでに配り終えているのに使われていない、という状態の組織です。この取り組みの効きどころは新しいツールの選定ではなく配った後の橋渡しにあるため、同じ構図であれば業種を問わず参考にできます。利用率のように前後で比べられる指標を持っていることも条件の一つで、変化が見えなければ、研修に長い時間を割く判断そのものが社内で通りにくくなります。
そのまま真似しにくいのは、意欲の高い層にまず火をつけるという入口の部分。JTBには2,400名以上が参加する社内の生成AIコミュニティという母集団があり、そこへ案内を出せば熱量のある人が集まる構造ができていました。この受け皿がなければ、誰に声をかけるかの見極めから始めることになりますし、対象を絞る進め方は全社の底上げにすぐ直結するわけでもありません。まずは次に生成AI関連の案内を出すとき、宛先を全社一斉から、普段ツールの話題を持ち出す数人へ変えてみる。小さく始めるなら、そのあたりからです。
この事例は2025年8月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
スキルアップNeXt
組織・人材変革を加速するAI/DX伴走パートナー。AI人材育成(スキルアップAI)、AI・エージェント開発、業界特化型AIエージェントなどを提供する。
株式会社JTB
出典・参考情報
株式会社JTB | 法人向けサービス | スキルアップAI | 組織・人材変革を加速するAI/DX伴走パートナー
発行元:スキルアップAI(Beyont Ltd.)
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