実施 2025.07 ・ 更新 2026.08.13
人事5名で月56時間削減、パナソニック インダストリーのCopilot活用研修
プロジェクト期間:半年未満
企業規模:1,000人以上
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 生成AIを入れたが議事録作成しか使えていない
- アンケートの自由記述集計に何十時間もかかる
- 研修をやっても現場で使われず終わる
どのようなAIの取り組み?
Microsoft 365 Copilotの活用研修と質問会形式の伴走支援により、人事業務で5名合計月56時間の削減につながったAI取り組み
業種
電子部品・電子デバイス製造(製造業)
取り組み領域
人事・バックオフィス業務
使ったAI
Microsoft 365 Copilot(生成AI)
主な成果
実践した5名で月約56時間の業務時間を削減
電子部品や電子デバイスを開発・製造するパナソニック インダストリーの本社・機能人事部では、意欲のあるメンバーが自ら希望して有償版のMicrosoft 365 Copilotに切り替えたものの、使い道は議事録作成といった一部の業務に偏っていました。そこで人材育成を手がけるスキルアップAI(スキルアップNeXt)のプログラムを採用し、対話型生成AIの基礎講座、Excelやスライド作成など実務に沿ったCopilot活用講座、活用アイデアを出し合うアイデアソン、講師に直接聞けるプロンプト作成質問会という順序で、約2か月にわたって学ぶ形をとっています。受講したのは同部の14名と、他の人事部門から手を挙げた有志7名の計21名。研修後は従業員アンケートの自由記述の集計や会議資料の下書きなど、日々の人事業務にCopilotを組み込む動きが部門内に広がりました。
出典:パナソニック インダストリー株式会社 | 法人向けサービス | スキルアップAI | 組織・人材変革を加速するAI/DX伴走パートナー 発行元:スキルアップAI
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
有償版への切り替え自体は現場発で進んでいたにもかかわらず、Copilotが持つ機能や利点への理解が広がらず、活用は議事録作成にとどまっていました。グループ独自のチャット型AIツールとの使い分けを説明する場は社内にあったものの、内容は一般的なガイダンスの域を出ず、多種多様な人事業務のどこにどう当てはめるかという像を描くには足りていません。
編集部の見立てでは、この部署が抱えていた困りごとの本質は、ツールが無いことでも操作が難しいことでもなく、「一般論として語られるAIの説明」と「自分の目の前にある人事の仕事」をつなぐ翻訳が欠けていた点にあります。加えて、AIを何でもできる万能の道具と捉えてしまうと、不得意な用途に挑んでは期待外れに終わり、そのまま距離を置く、という空回りが起こりやすい。使われていなかったのは、機能の問題というより、使いどころが誰にも見えていなかったためではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
知識の習得と自業務への翻訳、そして個別の詰まりの解消を、別々の段階として設計した点がまず効いています。eラーニングでは基本的な使い方に加えて他社での活用事例に触れられるようにし、アイデアソンで自分の担当業務に引き寄せて考えさせ、最後のプロンプト作成質問会で講師に直接ぶつける、という順序が組まれていました。受講者からはeラーニングの後半を難しく感じたという反応も出ていますが、その消化しきれなかった部分を質問会が回収する構造になっていたことが、途中脱落を防ぐ働きをしたと考えられます。
学ぶ対象を、機能の一覧ではなく毎日触れている道具の中に置いた設計も見逃せません。Excel、PowerPoint、Outlook、Teamsという既に使い慣れたアプリの上で何ができるかを体系立てて扱い、前提条件を書き添えるとプロンプトの結果が変わるといった汎用のコツも、従業員向け文書の作成という人事の具体的な場面で試させています。抽象的な作法として教えるのではなく、その場で自分の成果物に効くと分かる形にしたことが、研修室を出た後の実践につながる分かれ目になったのでしょう。
本格導入の前に試す機会を設け、受講後の活用推進まで支援範囲に含めたプログラムの組み立て方も、この取り組みの土台にあります。研修を一度きりの行事で終わらせず、実務に適用する段階に伴走者がいる形にしたことで、詰まったときの逃げ場が確保されました。グループワークを通じて参加者の間に「同じところで困っている」という共通認識が生まれたことも、質問を出しやすい空気をつくるうえで働いています。さらに、AIには得意と不得意があると線引きできたことで、向かない用途に時間を注いで諦めるという消耗が減りました。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
Copilotを毎日の業務に活用すると答えた参加者の割合は、研修前の28.1%から研修後は63.6%へと35.5ポイント上がりました。研修後に実践した5名では、115時間かかっていた業務が59時間となり、合計で月約56時間、1人あたり月11時間にあたる削減。国内従業員1万4000人近くを対象とした従業員アンケートの自由記述集計でも、カテゴリー分類と重要な意見の抽出にCopilotを使うことで55時間が31.5時間へと縮まり、担当者は抽出された意見を施策へ反映する作業に時間を向けられるようになりました。議事録もアウトプットの精度が上がり、会議に議事録係を置く運用そのものがなくなっています。
うちでも使える?
近い成果を見込みやすいのは、Microsoft 365を日常的に使っていて、文書の下書き、会議記録、定型的な集計といった型のある作業が業務時間の相当部分を占めている部門です。この事例でCopilotが担ったのは、自由記述をカテゴリーに分けて重要な意見を拾い上げる作業や、伝えたい相手と立場を指定した文章の草案づくりであり、最終的な判断は人が握ったまま前段の手間だけを外に出す構図。同じ形が取れる業務なら、応用の余地はあります。
一方で、扱うデータに個人情報や機微な情報が含まれる場合、この事例の進め方をそのまま持ち込むことはできません。個人情報を含まないアンケートに限って使われている点は、前提として押さえておきたいところです。また、研修を用意しても、受講後に質問できる相手が社内にいなければ、最初に詰まった時点で利用が止まりがちになります。
まず試すなら、次の会議の議事録を一本だけCopilotに書かせ、手直しに要した時間を前回と比べてみるあたりが手頃でしょう。そのうえで、毎月繰り返している集計作業をひとつ選び、立場・相手・目的を書き添えたプロンプトで結果がどう変わるかを確かめてみる。
この事例は2025年7月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
スキルアップAI(スキルアップNeXt)
組織・人材変革を加速するAI/DX伴走パートナー。AI人材育成研修や伴走支援、AI・エージェント開発などを法人向けに提供する。
パナソニック インダストリー株式会社
出典・参考情報
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