実施 2025.12 ・ 更新 2026.08.13
ニコンのDX人材育成、eラーニングから生成AI開発へ進める三段階の設計
プロジェクト期間:3年以上
企業規模:1,000人以上
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 部署ごとに話が通じず教育の土台がない
- 研修を受けても実務で使われない
- AIを外注すべきか判断できない
どのようなAIの取り組み?
eラーニングと実践研修、伴走支援での生成AI開発を段階的につなぎ、事業部のソフトウェア開発力を育てたAI人材育成の取り組み
業種
光学機器製造(製造業)
取り組み領域
人材育成/社内DX推進・ソフトウェア開発
使ったAI
AI/DXのeラーニングと実践研修、生成AI・RAG開発
主な成果
社内にソフトウェア開発部が新設され、学びの好循環が生まれた
株式会社ニコンのヘルスケア事業部が、アイデミーのサービスを使って三段階の人材育成を進めた事例です。第一段は全社員向けのオンライン学習で、理解度確認テストは80%以上の正答を必須とし、あわせてITパスポート受験も促しました。第二段は2023年の夏と冬に各3ヶ月で実施したハンズオン研修で、Pythonによるデータ処理から機械学習モデルの構築、Flaskを使ったWebアプリ開発までを扱っています。第三段として2024年からは伴走型研修に移り、SharePoint上の設計情報を検索する対話型RAGを参加者自身が開発しました。さらにスキルマップと連動した教育管理システムや、目標管理面談との紐づけ、業務改善を表彰するABCD Awardを組み合わせ、教育を単発の催しで終わらせない仕組みを整えています。
出典:【DX人材育成支援事例】ニコンがアイデミーの伴走支援で築いた「実務で活きる」人材育成アプローチ | Aidemy Business 発行元:アイデミー(Aidemy Business)
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
ニコン ヘルスケア事業部は2017年に複数部署が統合されて発足した事業部で、多様な経歴を持つ社員が同じ言葉で議論するための土台がまだ育っていませんでした。そこへ2022年頃から顧客側でAIソリューションへの関心が高まり、光学というハードウェアの強みだけでは応えきれない問いが持ち込まれるようになります。
困りごとの本質は、個々のスキルの不足というより、組織のなかに学びを続ける型が存在しなかったことにあると考えられます。開発側にはもう一つの悩みもありました。AIを使えるだけでは、外部に委託すべきか自分たちで作るべきかを判断できない。技術を見極める目そのものを、開発経験の不足によって持てない状態だったのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
基礎・実践・自作を明確に分け、前の段が次の段の入口条件になるよう連結した設計が、この育成の骨格になっています。全社員向けのオンライン学習では理解度確認テストで80%以上の正答を必須とし、ハンズオン研修では事前のオンライン講義での予習を条件に据えました。参加者もオンライン学習で高い成果や積極性を示したメンバーから選ばれており、学習の履歴がそのまま次の機会につながる形です。研修を単体の催しとして置かず、段の間に条件を挟んだことが、受けて終わりの状態を構造的に防いだと考えられます。
研修テーマを自社の実課題に据えた判断も効いています。SharePoint上の設計情報を検索できる対話型RAG(外部の文書を検索してAIの回答に活用する仕組み)という題材は、参加者自身が日々不便を感じている領域であり、当事者意識が生まれやすい。実際の作業はデータ収集・整備という地道な工程の連続で意欲が下がりかけた場面もありましたが、そのきらびやかでない裏側を体感すること自体を学びとして位置づけていた点が、この研修の性格をよく表しています。参加は5名という小さな単位で、揃わない回は録画視聴やTeamsでの個別フォローで補う運用にしたため、通常業務と並走できる形に収まりました。
学びを人事の仕組みへ接続した設計が、継続性を支えています。スキルマップと連動した教育管理システムを軸に、上長推薦と本人の手挙げを併用して受講者を決め、研修は目標管理面談と紐づけて評価に間接的につながるようにしました。業務改善につなげた社員を表彰するABCD Awardのように、取り組みを人の前に出す場も用意されています。なお、選抜や制度づくりを担ったのは事業部側で、アイデミーはeラーニング、ハンズオン研修、伴走支援と講師のサポートを提供する側という役割分担でした。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
リテラシー教育では、DXとは何か、AIをどう活用するのかという共通言語が得られ、事業部全体のデジタル理解が一段引き上げられました。ハンズオン研修を経てソフトウェア開発に関わる社員が増え、社内には新たにソフトウェア開発部が発足。メカ設計など他職種からの異動も起こり、製造業としてのDX推進力が高まっています。受講者からは実務に直結するスキルが身についた、自分にもできるという自信がついたという声が多く寄せられ、表彰された人の事例発表が次の挑戦者を生む循環も広がっています。伴走支援で開発を経験した側では、技術の限界と現実的な工数感覚をつかむ機会になったと受け止められています。
うちでも使える?
応用が効きやすいのは、社内に探しにくい文書資産が積み上がっていて、研修のテーマを自前で立てられる組織です。今回の伴走型研修は5名という小さな単位で回っており、大人数を集められない中小企業でも成立しうる規模感といえます。上長が部下のスキルを把握できていて、研修の内容を目標管理や評価の話に接続できる場合は、学びが一度で途切れにくくなるでしょう。
反対に、参加者が通常業務との並走を許されない体制では、録画視聴や個別フォローで補っても勢いが続きにくいと考えられます。教材やeラーニングだけを契約し、選抜の方法や成果を人の前に出す場をつくらないままでは、受講記録が増えるだけで終わる可能性もあります。設計情報のような社内文書が電子化されておらず、検索の題材そのものが用意できない場合も、同じ形は取りにくいはずです。
手をつけるなら、次の研修の参加者を上長推薦と手挙げの二本立てで募ってみる。一度きりの試行でも、誰が前に出てくるかという情報が組織側に残ります。
この事例は2025年12月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
アイデミー
AI/DX人材育成のeラーニングサービス「Aidemy Business」、AI/DX実践型研修「Aidemy Practice」、AIシステム開発「Aidemy Solutions」を提供する企業。オンライン学習・ハンズオン研修・伴走型研修によるDX人材育成を支援する。
株式会社ニコン
出典・参考情報
【DX人材育成支援事例】ニコンがアイデミーの伴走支援で築いた「実務で活きる」人材育成アプローチ | Aidemy Business
発行元:アイデミー(Aidemy Business)
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