実施 2025.08 ・ 更新 2026.08.13
オムロンのCopilot研修トライアル、20名合計で月約50時間の削減報告
企業規模:1,000人以上
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 研修をしても現場で使われない
- 生成AIの社内定着が進まない
- 社内だけの研修に限界を感じる
どのようなAIの取り組み?
Microsoft 365 Copilotの研修と現場伴走をトライアル実施し、受講者20名の合計で月約50時間の業務削減効果が報告されたAI人材育成の取り組み
業種
制御機器・電子部品製造(製造業)
取り組み領域
全社のAI/DX人材育成・Copilot活用定着
使ったAI
Microsoft 365 Copilot(生成AI)
主な成果
受講者20名の合計で月あたり約50時間の業務削減効果を報告
オムロン株式会社は、全社一律のDX教育をグローバルに展開しながら、2023年からは生成AIで実際の業務課題を解くプロジェクト「AIZAQ(アイザック)」を進めてきました。約1年半の運用で実践の型が見えてきたことから、それを全社へ広げる段階として教育の強化に着手し、内製の研修と外部プログラムをどう組み合わせるかを検討します。そこで実施されたのが、スキルアップAIによるCopilot定着化支援プログラムのトライアルです。全社から希望者を募り、eラーニングとライブ講義を段階的に受講したうえで、アイデアソン形式で自分の業務に紐づく活用案を出し、現場での実践に伴走支援を受けるという流れが組まれました。トライアルを終えた現在は、本格導入の検討が進められている段階です。
出典:オムロン株式会社 | 法人向けサービス | スキルアップAI | 組織・人材変革を加速するAI/DX伴走パートナー 発行元:スキルアップAI
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
オムロンは早い時期から全社一律のDX教育をグローバルに展開し、AIやデータ、RPA(定型的なパソコン作業を自動化する仕組み)などの内容を各国・地域の特性に合わせて用意してきました。それでも、学んだことを現場で使う機会が足りず、教育だけではDXが進まないという状態が続いていました。
編集部の見立てでは、ここでの困りごとの本質は教育コンテンツの量や質ではなく、学びの「出口」が用意されていなかったことにあります。2023年の生成AI登場を機に立ち上がったAIZAQは、まさにその出口、つまり実践の場そのものを社内に作る動きでした。そして約1年半で実践の型が見えた段階になると、今度は逆に、その型を全社へ広げるための体系的な知識の土台が薄いという課題が浮かび上がってきます。実践から入った組織が、あとから理論を必要とするという順序が、この事例には表れています。
どうやって、うまくいったのか
学びの段階を、自習の場と対面の場に分けて積み上げた組み立てが効いています。eラーニングは時間や場所を選ばずに受講できる利点を活かして基礎の習得に充て、ライブ講義では自分以外の受講者のプロンプト活用事例に触れ、その場で講師に質問できる状態をつくる。同じ内容を一度に詰め込むのではなく、個人で吸収する部分と、他者との比較や即時のやり取りでしか得られない部分を切り分けたことが、学びの密度を押し上げたと考えられます。
Copilotの基本概念から、Excel、PowerPoint、Outlook、Teamsといった製品ごとの具体的な使い方までを順序立てて並べた研修設計も、この組織との相性がよかった部分です。使ってみることを優先して走ってきた組織には、実践知が個別の成功体験として散らばりやすく、他部門へ移すときに再現が難しくなります。セオリーを体系として先に置く構成は、その散らばった経験を共通の言葉に束ね直す役割を果たしたのではないでしょうか。
アウトプットを研修の終点に据えた設計も見逃せません。アイデアソン形式で受講者自身が自分の業務に即した改善案を作り、そのまま現場での実践に伴走支援がつくため、受講した時点で「明日どこに使うか」が手元に残ります。加えて、当初は個人と組織のユースケースが混在していた状態から、2024年4月に組織課題へ軸足を移すという判断がなされており、個人の便利さで止まらない方向づけが研修の出口側にも用意されていた点は、設計思想としてこの取り組みの芯にあたる部分です。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
トライアルの評価は総じて高く、対話型生成AIとMicrosoft 365 Copilotを扱うeラーニングには「10段階で10をつけたい」という言葉が寄せられました。受講者からも、動画の活用テクニックの豊富さ、ライブ講義の分かりやすさと的確なフィードバック、他部署との意見交換や事例共有が役立ったという声が上がっています。アイデアソンでは業務改善アイデア出しと管理フォーム作成、不具合の真因分析、新しい部署に配属された際の情報収集と要約、契約書のレビューと修正点の要約といった案が生まれ、受講者がこれらを実務で実践した結果、20名の合計で月あたり約50時間の業務削減効果が報告されています。体系的な知識の補完にも貢献し、現在は本格導入が検討されています。
うちでも使える?
応用しやすいのは、AIツールをすでに契約していて利用が一部にとどまっている組織や、社内で研修を回しているのに現場の成果につながらないと感じている組織です。この事例が示しているのは、教材を増やすことではなく、基礎の自習・他者との学び合い・自分の業務への当てはめという三段構えを一続きにした点にあります。オフィスソフトの操作という誰もが持つ共通の土台の上で進むため、部門をまたいでも同じ研修を回しやすいという性質もあります。
一方で、そのまま真似しにくい条件もあります。ここでの学びの出口は、業務課題を解くAIZAQという実践の場が社内に先にあったことで機能している面が大きく、実践の受け皿がない状態で研修だけを外部に発注しても、アイデアが出たところで止まりかねません。また削減効果は本人が自分の業務を把握しているからこそ測れたもので、担当業務の範囲が曖昧な組織では効果の確認自体が難しくなります。まず試すなら、研修の最後に「自分の業務のどこで使うか」を一つ書き出させ、一か月後にその一件だけを追いかけてみる。小さく閉じた検証から始める手もあります。
この事例は2025年8月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
スキルアップAI
様々な業界業種で1,000社以上の企業・自治体のAI/DX推進を支援するAI人材育成事業者。生成AI活用やDX推進に関する研修プログラム・伴走支援を提供している。
オムロン株式会社
出典・参考情報
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