実施 2025.07 ・ 更新 2026.08.13
Copilot研修で受講33名が月97時間削減、川崎重工業の業務可視化ワーク
プロジェクト期間:半年未満
企業規模:1,000人以上
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- ライセンスは配ったのに使われていない
- AIをどの業務で使うか分からない
- 研修が受けっぱなしで終わる
どのようなAIの取り組み?
自分の業務を工程に分けて可視化する実践型研修を通じ、Microsoft 365 Copilotの日常利用率を引き上げ、受講後に実践した33名で月97時間相当の業務時間削減につながったAI取り組み
業種
輸送機器・産業機械製造(製造業)
取り組み領域
全社のオフィス業務/AI人材育成
使ったAI
Microsoft 365 Copilot(生成AI)
主な成果
受講後に実践した33名で月97時間相当の業務時間を削減
100年以上の歴史を持ち、二輪車や鉄道車両、産業用ロボットなどを手がける川崎重工業では、社員約1万人のうち2000〜3000人がMicrosoft 365 Copilotの有償アカウントを持ちながら、日常業務で使いこなせている社員は限られていました。そこで同社のDX戦略本部は、AI人材育成を手がけるスキルアップAIの「生成AIアイデアソン講座 Microsoft 365 Copilot編」を、1ヶ月の研修として試験導入します。受講者は推進部門に限定せず社内ポータルで有志を募集し、先着100名の枠に数日で200名以上が集まりました。講座では活用事例を学んだうえで、自分の業務を業務フローとして可視化し、どの工程にCopilotを使えるかを整理するワークを実施。研修後に実務で活用した33名で、1ヶ月あたり97時間相当の業務時間が削減されています。
出典:川崎重工業株式会社 | 法人向けサービス | スキルアップAI | 組織・人材変革を加速するAI/DX伴走パートナー 発行元:スキルアップAI
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
Copilotの有償アカウントは2000〜3000人規模で配られていたにもかかわらず、日常業務で使いこなせている社員は少数にとどまっていました。すでに業務で使っている層からも「もっと効果的な活用方法を知りたい」という声があがっており、ライセンスが行き渡っていることと、業務で成果が出ていることのあいだには、はっきりした距離がありました。
編集部の見立てでは、ここでの困りごとの本質は機能を知らないことではありません。Copilotは操作を覚えれば動くツールですが、目の前の仕事のどこに差し込めば効くのかは、業務の側を分解しないと見えてこない。すでに使っている社員が「効果的な活用法」を求めていたという事実も、詰まっていたのがツールの理解ではなく、自分の業務とAIの接点を見つける手がかりのほうだったことを示しているのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
機能解説で完結させず、受講者自身の業務を業務フローとして洗い出し、どの工程にCopilotを使えるかを整理させる構成が、この講座の骨格になっています。この順番で進めると、AIに合わせて使える仕事を探すのではなく、すでにある仕事の手順の側から使いどころを特定することになります。受講者からは、自分の業務を可視化して初めて気づいた活用ポイントがあった、こんな場面で使えるというイメージが湧いた、といった反応が多く寄せられました。何にでも使える汎用ツールほど使い道が定まらなくなる、という詰まりを、業務の分解によってほどく設計です。
受講者を推進部門の内側で固めず、社内ポータルで全社に開いて有志を募った点も効いていると考えられます。先着100名の枠に数日で200名以上が応募したという反応は、関心を持つ社員が想定以上に潜在していたことを表しており、指名で集めていれば見えなかった層でもあります。学んだ内容を実務へ持ち帰れるかどうかは本人の動機に左右されるため、手を挙げた人から着手する順番には合理性があります。
eラーニングで身につけた知識を、研修が終わったあとに実際の業務で試すところまでを一続きの流れとして組んだことも、この取り組みの特徴です。研修は受けた時点で終わりになりがちですが、実践の場を地続きに置けば、学びは業務の中で試され、使えるかどうかがその場で分かります。1ヶ月という区切りで試験導入という位置づけにしたことも、効果を確かめてから広げる進め方として理にかなった判断です。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
アンケートでは受講者の92%が内容を理解できたと回答し、日常業務でのCopilot利用率は受講前の約40%から64.6%へ、24.6ポイント上がりました。研修後に実務で活用した33名の分では、1ヶ月あたり97時間相当の業務時間が削減されています。個別の例としては、ExcelでVBAのコードを自動生成してデータ入力作業を自動化し月400分を削減したケース、発注・検収データの収集と整理を指示の工夫で自動化し1回あたり90分短縮したケースが挙がっており、こうした具体例が受講者の意欲を押し上げる材料にもなっています。
うちでも使える?
応用しやすいのは、生成AIのアカウントはすでに配られているのに使われていない、という状態の組織です。この事例で効いたのは新しいツールの調達ではなく、手持ちのツールと自分の業務を結び直す時間をつくったことなので、同じ構図であれば規模を問わず試せます。Excelへのデータ入力や、複数の場所から数字を集めて整理するような、手順の決まった作業を多く抱える職場とは特に相性がよいはずです。
一方で、そのまま持ち込むと難しい面もあります。今回は有志募集の枠に200名超が応募するだけの関心層が社内にいました。関心の薄い人が大半の組織では同じ募集をかけても人が集まらず、基本操作を学べる入り口を別に用意する必要があります(川崎重工業も教育サイトの開設やeラーニングの検討を進めています)。削減時間を数字で語るのであれば、何をどう数えるかを始める前に決めておくことも欠かせません。
手はじめに、来週やってくる定例作業をひとつ決めて、その中の1工程だけをCopilotに指示してみてはどうでしょうか。うまくいかなければ指示の出し方を変えて、もう一度だけ試す。その二往復で、自社の業務との相性はおおよそ見えてきます。
この事例は2025年7月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:数値・Excel・ログ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
スキルアップAI
組織・人材変革を加速するAI/DX伴走パートナー。法人向けにAI人材育成・研修(生成AIアイデアソン講座 Microsoft 365 Copilot編など)、AI・エージェント開発、業界特化型AIエージェント、GX人材育成、試験作成・運用プラットフォーム、AI転職・採用支援などを提供する。
川崎重工業株式会社
出典・参考情報
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