更新 2026.08.16
化学品商社が3年で200人のデジタル人材育成へ、経営層には生成AI研修
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 社内でIT用語が通じない
- デジタル人材の育成が進まない
- 経営層のAI理解が追いつかない
どのようなAIの取り組み?
デジタルマーケティング研修と経営層向けの生成AIセミナーで、グループ全体のデジタル人材育成に取り組んだ事例
業種
化学品専門商社(小売・流通)
取り組み領域
人材育成/マーケティング部門のデジタル研修
使ったAI
生成AI(経営層向けセミナーの学習テーマ)
主な成果
デジタル用語の共通言語化が進み、業務の初速が向上
1832年創業の化学品専門商社である長瀬産業は、2032年の創業200年に向けてDX推進を掲げ、グループ全体で3年間に約200人のデジタル人材を育てる目標を置いています。その実務を担う経営企画本部マーケティング推進室では、グループ会社ナガセヴィータからの逆出向者を迎えたものの、コンテンツ制作や広告運用の現場でSEOやCVといった用語が通じず、マーケティングシステムの構築に着手する以前の段階でつまずいていました。そこで基礎知識の底上げを目的に、IT研修を手がけるインターネット・アカデミーの研修を導入します。Webマーケティングに特化したメニューを軸に、対面とeラーニングを組み合わせて学習を進め、あわせてナガセヴィータの経営層に向けた生成AIセミナーも実施されました。
出典:NAGASEグループ(長瀬産業株式会社)- DX研修、情報セキュリティ研修の事例 - インターネット・アカデミー 発行元:インターネット・アカデミー
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
着任直後に直面したのは、コンテンツ制作や広告運用に関わる現場でSEOやCVといった言葉がほとんど通じず、会話や意思疎通そのものが難しいという状況でした。その一方で、グループには3年で約200人のデジタル人材を育てるという目標がある。この落差が出発点です。
編集部の見立てでは、ここでの困りごとの正体は個々人の知識量の不足そのものではなく、会話が成立しないために設計や依頼が前へ進まないという構造的な詰まりだったのではないでしょうか。マーケティングシステムを構築しようにも、要件を伝える側と受け取る側で語彙が噛み合わなければ、議論は毎回用語の説明から始まってしまいます。逆出向というかたちで外から加わった人が最初に覚えた違和感が、システム構築よりも先に言葉の整備を置く判断へつながった点は見逃せません。
どうやって、うまくいったのか
システム構築の前に共通言語の獲得を置いた順序設計が、この取り組みの起点になっています。マーケティングシステムを開発・実装し、運用指導まで担う部署にとって、現場と語彙が噛み合わない状態は仕様の伝達そのものを不安定にします。ツールを先に入れて後から慣れてもらうのではなく、基礎知識の整備を先行させたことで、その後の開発も運用指導も同じ土俵の上で進められるようになったと考えられます。
研修先の選定基準を「いま必要な内容が揃っているか」ではなく「この先も伸ばせる階段があるか」に置いた点も効いています。Webサイトの再構築という当面のテーマに直結するWebマーケティング特化のメニューに加え、基礎的なITリテラシーから企業のDX推進、さらにエンジニア系スキルやバックエンド技術までを一本の線でつなげられる構成が選ばれました。現役エンジニア講師による指導と、対面でもeラーニングでも学べる受講形態の組み合わせは、業務の合間に学ぶ社員の実態に合わせて学習の進め方を調整しやすくします。学びを一過性で終わらせないという発想が、選定の段階からすでに織り込まれていた形です。
現場のリテラシーと経営層の理解を、別々の入り口で並行して扱う設計も特徴的でした。ナガセヴィータの経営層に向けた生成AIセミナーでは、業務効率化の道具という位置づけを超えて、ミッションの実現やビジネスモデルの変革にどう結びつくかが論点に据えられています。部下を育てるように生成AIを育てるという捉え方や、法的整備、活用ルールの策定といった経営が判断すべき領域へ関心が向かったのは、聞き手に応じて話す高さを変えたからではないでしょうか。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
研修後は基本的なマーケティング用語が通じるようになり、Webサイト制作といった実践的なスキルの習得も進みました。業務に取り組む初速が確実に上がったという実感に加え、フォームの最適化のような改善提案が現場から出てくるようになっています。経営層向けの生成AIセミナーは関心を引き出す大きなきっかけとなり、生成AIを単なる効率化の道具ではなくDXの起点として捉える認識が広がりました。今後は長瀬産業の経営層にも理解を広げ、自社の知識や経験をもとに独自の生成AIを育てることが構想されています。
うちでも使える?
デジタル施策が思うように進まない理由が、ツールの不足ではなく会話の噛み合わなさにあると感じている組織なら、この進め方は参考になります。用語の共通化は費用の見通しが立てやすく、システム導入より手前の段階で着手できるため、順序を入れ替える判断自体はそれほど重くありません。経営層向けと現場向けで扱うテーマを分ける考え方も、規模を問わず持ち込めます。
一方で、この事例には固有の前提もあります。グループ内にすでにマーケティングオートメーションや営業支援システムを使いこなす会社があり、その環境を知る人が外から加わったからこそ、何が足りないのかを具体的に言語化できました。社内に比較の物差しがない場合は、不足を特定する最初の段階でつまずきやすくなります。育成人数がグループの目標として掲げられていたことも、予算と時間を確保できた背景でしょう。
まずは直近の打ち合わせを思い返し、説明なしに飛び交っていた横文字をいくつか拾ってみてはいかがでしょうか。それを全員が同じ意味で受け取れていたかどうかが、着手すべき地点を教えてくれます。
プロジェクト解析
導入部門・データ活用
導入部門:マーケティング
プロジェクト実施・導入企業
インターネット・アカデミー
IT研修・プログラミング研修を提供するスクール。現役エンジニア講師が在籍し、対面・eラーニングの双方に対応した研修環境を持つ。基礎的なITリテラシーから企業のDX推進、Webマーケティング、エンジニア系スキル・バックエンド技術まで幅広い研修メニューを提供する。W3Cメンバースクール。
NAGASEグループ(長瀬産業株式会社)
出典・参考情報
NAGASEグループ(長瀬産業株式会社)- DX研修、情報セキュリティ研修の事例 - インターネット・アカデミー
発行元:インターネット・アカデミー
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