実施 2024.07 ・ 更新 2026.08.13
全社員381名に生成AIを展開、提案資料と制作現場の下書きを効率化した販促支援企業
プロジェクト期間:半年未満
企業規模:500人以内
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 提案資料の骨子作りに時間がかかる
- アイデア出しが人によって差が出る
- 調べれば済む質問が情シスに集まる
どのようなAIの取り組み?
クラウド型の生成AIサービスを全社員381名に展開し、企画立案から原稿の文字起こしまで幅広い業務の効率化に取り組んだAI事例
業種
商業印刷・販促支援(メディア・広告・コンテンツ)
取り組み領域
営業提案・制作業務・社内ITサポート
使ったAI
dailyAI(クラウド型の生成AIサービス)
主な成果
全社員381名に展開し、残業時間の削減につながった
年賀状や商業印刷を軸に販売促進支援を行う総合商研(札幌市)が、ソフトバンクの提案を受けてクラウド型の生成AIサービス「dailyAI」を全社員381名に展開しました。選定にあたってはChatGPT EnterpriseやCopilotなどと比較し、利用者数ではなくトークン(AIが処理する文字量の単位)で管理する定額の料金体系、入力データがAIの学習に使われない仕様、画面の分かりやすさを評価しています。2024年7月にトライアルを開始し、約1カ月で本番運用へ移行。営業部門では提案書の骨子作成やメール文案、制作部門ではデザイン原稿の文字起こしや要約、紙の制作物から動画構成やナレーション原稿を組み立てる作業などに使われ、社内では3名のプロジェクトチームがプロンプト勉強会を開いて使い方を広めています。
出典:総合商研株式会社 | 導入事例 | 法人のお客さま | ソフトバンク 発行元:ソフトバンク株式会社
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
社内には、検索すれば分かる程度の質問でもすぐIT部門に問い合わせが来る状況があり、サポート業務の負担が膨らんでいました。もう一つの悩みは企画の入口です。小規模案件では担当者ひとりで進めることが多く、企画アイデアを発想するスピードに個人差が出て、業務効率の差として表れていました。
編集部の見立てでは、この二つは別々の問題に見えて根は近いところにあります。どちらも「答えを持っている人に頼るしかない」構造で、社内の知識やコツが特定の人に流れ込んでいたわけです。つまり困りごとの本質は、人手や時間の不足そのものではなく、経験の浅い社員が自力で最初の一歩を踏み出せる足場が用意されていなかった点にあったのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
ITリテラシーの差を前提に置いた道具選びが、全社展開の土台になっています。複数の生成AIサービスを比べたうえで、画面がシンプルで直感的に操作できる点が決め手の一つになりました。生成AIに関心がない社員や一度も使ったことがない社員が多数いる状況では、機能の豊富さより「迷わず触れるか」が普及の分かれ目になります。画像付きの使い方マニュアルや、あらかじめ用意されたプロンプト例が、やりたいことに気づくきっかけとして機能した点も見逃せません。
利用者数ではなくトークン量で課金する定額の仕組みを選んだ判断も、全社員381名という広さを可能にした要因と考えられます。人数課金だと「使う人を絞る」設計になりがちですが、処理量ベースなら、まず全員に配って使い道を各部門に探させる進め方が取れます。加えて、入力したデータがAIの学習に使われないと確認できたことで、社員が投入するデータの可否を都度悩む必要が薄れ、実務データを持ち込みやすくなりました。
社内の3名で構成したAIプロジェクトチームが勉強会を回した点は、定着の面で効いています。「AIに役割を与えると回答の質が上がる」「箇条書きの形式で指示を書くと伝わりやすい」といった具体的なコツが共有されており、抽象的なリテラシー研修ではなく、明日の業務で試せる粒度の知識が流通していました。ツール導入と使い方の言語化を同時に進めた設計です。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
企画の壁打ちやドラフト作成が短時間で進むようになり、残業時間の削減につながっています。IT部門への問い合わせについても、生成AIを使って自分で解決できる場面が増えました。制作現場では、アウトライン化されたデザイン原稿でも文字化けせずに文字起こしができ、誤字脱字が少ないことから業務で安心して使える状態になっています。紙の制作物を読み込ませて動画構成を組み立てる作業も、以前より速くなったと受け止められています。今後はExcel作業や日報・週報といった定型業務にも広げ、空いた時間を制作物の品質向上に振り向けたいという展望が語られています。
うちでも使える?
参考になりやすいのは、企画・提案の初期案づくりや文書の下書きに時間を取られている職場、そしてIT関連の質問が特定の担当者に集中している職場でしょう。この事例で効いたのは高度なシステム開発ではなく、全員が触れる状態を作り、社内の数名がコツを言語化して広める体制です。ツールの選定基準に「操作の分かりやすさ」と「入力データの取り扱い」を据えた点も、そのまま検討材料として使えます。
一方で、同じようには進みにくい面もあります。定額・処理量ベースの料金だから全社配布に踏み切れたという構図は、人数課金の製品を選ぶ場合には成り立ちません。また、文字起こしや構成案づくりのように成果物の良否がその場で判断できる業務でこそ手応えが出やすく、正解の検証に専門判断が必要な業務では同じテンポで進まないと考えられます。
まずは、社内で繰り返し寄せられている質問を数件ひろい、生成AIに同じ問いを投げて答えの質を見てみる。それだけでも、自力解決に回せる範囲がどこまでかの見当がつきます。
この事例は2024年7月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
ソフトバンク
環境構築不要で手軽に利用できるクラウド型の生成AIサービス「dailyAI(デイリーAI)」を法人向けに提供する企業。
総合商研株式会社
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