実施 2021.05 ・ 更新 2026.08.16
SIerがeラーニングでAI人材育成、スキル測定で他社平均超え
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- AIに詳しい社員が数人しかいない
- 研修が実務で使える力にならない
- 受講者が増えず社内に広がらない
どのようなAIの取り組み?
AI人材育成のeラーニングを社内に展開し、全社的なデータ活用スキルの底上げに取り組んだ事例
業種
システムインテグレーション(IT・通信)
取り組み領域
AI人材育成/社内教育
使ったAI
DX人材育成eラーニング「SIGNATE Cloud」
主な成果
スキル計測テストで他社平均を大きく上回る成績
アルプスアルパインの100%子会社として親会社のシステム運用を担い、外部向けにもソリューションを提供するアルプス システム インテグレーション(ALSI)は、SIの需要が減りAIソリューションが事業の中心になるという見通しのもと、社内のAI人材不足に向き合いました。選んだのは、SIGNATEが提供するDX人材育成のeラーニング「SIGNATE Cloud」です。2020年9月から12月にかけて10名を対象に約3カ月のトライアルを行い、受講者の反応を社内に報告したうえで本格導入が決まり、2021年5月から社内での受講が始まりました。運用は希望者への開放を基本としつつ、業務上必要と判断された社員には上司から受講を促す形をとり、独自のコースを作成するカスタマイズも加えています。
出典:時代に先駆けたAIソリューション開発を人財育成からブーストする! 発行元:株式会社SIGNATE
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
数年前に社内でAI研究のプロジェクトが立ち上がったものの、コアメンバーは10人ほど。全社を見渡してもAIに明るい社員の絶対数が足りず、ソリューション開発を本格的に進められる体制にはなっていませんでした。外販を担当する立場からは、顧客側のAIニーズの高まりと自社の対応の遅れが、日々の商談を通じて見えていました。
編集部の見立てでは、ここでの困りごとの本質は単純な人数不足ではなく、事業の柱が入れ替わろうとしている速度に、社内に蓄積された知見が追いついていないという時間差にあったのではないでしょうか。SIの受託で培った実装力が高くても、AIを軸にしたソリューションを自ら企画し、顧客に説明して売る力は別物です。だからこそ、少数の専門チームを補強するのではなく、全社のリテラシーを底上げする方向に舵が切られたと読めます。
どうやって、うまくいったのか
サービスの選定基準を「実際の案件に近いアルゴリズムを自分で組むワークがあるか」に置いた判断が、この取り組みの起点になっています。比較検討した他社の学習サービスは、教科書に沿って知識をインプットする形式が中心で、それでは実際の業務で使える活きた知見にならないという懸念がありました。学ぶ内容の網羅性ではなく、学んだ翌日に案件で手が動くかを物差しにしたこと。この一点が、人材育成を研修の実施そのものではなく、開発力の獲得という目的に接続しています。
全社導入の前に10名・約3カ月のトライアルを挟んだ段取りも効いています。初心者から経験者までレベルを問わず学びが得られたという受講者の反応を集め、それを成果としてまとめて報告したことで、本格導入の判断材料が机上の比較表ではなく現場の実感になりました。新しい学習投資は効果を事前に証明しにくいものですが、小さく試して社内の声を稟議の根拠に変えるやり方は、その不確かさを扱いやすい大きさに分解する進め方だといえます。
運用面では、希望者を中心に開放し、業務の関係で必要性が高い社員には上司から直接アナウンスするという二段構えがとられました。自己研鑽の範疇であるため業務として受講させる運用は難しく、各自が業務を調整して時間を確保する必要がある——この制約を隠さず認めたうえで、義務化に頼らず興味の広がりを待つ設計にしている点は特徴的です。加えて独自コースを作成し、既製の教材をそのまま流し込むのではなく自社の文脈に寄せています。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
実践的で、各自のペースで自主的に受講できるカリキュラムを通じて、受講者はデータ活用スキルを習得しています。スキル計測テストでは他社平均を大きく上回る成績が出ました。受講者からは、AIの基礎知識にとどまらず法的な知識やビジネス化の際に課題となる点まで幅広く学べた、個別に覚えていた概念の関連性が整理できた、といった声が挙がっています。一方で受講人数は50名程度にとどまっており、対象を全社員へ広げる社内広報や、修了後に知識を定着させる仕組みづくりが次の課題として残されています。
うちでも使える?
応用しやすいのは、学んだ内容を試せる案件や開発テーマが社内に用意されている組織です。この事例で選定の物差しになった「教科書型か、手を動かす実践型か」という見極めは、業種を問わず持ち込めます。小さく試して受講者の声を集め、それを本格導入の判断材料にする進め方も、投資対効果を事前に示しにくい人材育成では現実的な選択肢になるはずです。
逆に、同じ形をそのまま持ち込むのが難しい条件もあります。ここでの受講は自己研鑽の位置づけで、時間の確保は各自の調整に委ねられています。稼働率が高く日々の納期に追われる組織では、同じ運用のままでは受講が進まない可能性があります。事業の柱がAIへ移るという危機感が社内で共有されているからこそ自発的な受講が成立している面もあり、その動機が薄い組織では、まず何のために学ぶのかを示すところから必要になるでしょう。
始めるなら、まずは関心のある数名で無料トライアルの範囲を試し、受講後に「自分の担当案件のどこで使えそうか」を一言ずつ書き出してもらうところから。学習の価値が案件名で語られ始めれば、社内に広げる説得材料はそこから出てきます。
この事例は2021年5月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
導入部門・データ活用
導入部門:バックオフィス・管理部門(人事・経理・法務)
活用したデータ:数値・Excel・ログ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:AIモデル・構築手法
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
株式会社SIGNATE
DX人材育成システム「SIGNATE Cloud」を提供し、企業のDX推進・人材育成を支援する企業。累計1,200社、220,000人以上の利用実績を持ち、データ活用スキル計測テストや各講座の無料トライアルも提供している。
アルプス システム インテグレーション株式会社
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