実施 2025.06 ・ 更新 2026.08.16
生成AI研修を起点に内製研修へ、導入初月で業務2.4%削減した森林分野の社団法人
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- AIツールを配っても使われない
- 研修が一度きりで終わってしまう
- AI活用の効果を数字で示せない
どのようなAIの取り組み?
外部の生成AI研修を起点に、職員自身による内製研修と削減時間の可視化まで広げ、導入初月で業務量の約2.4%削減につなげたAI取り組み
業種
森林・林業分野の一般社団法人(農業・林業・漁業)
取り組み領域
全社共通の文書業務/AI人材育成
使ったAI
ChatGPT(生成AI)とGPTs
主な成果
導入初月で業務全体の約2.4%(287時間)を削減
2025年6月、DX人材育成を手がける株式会社SIGNATEが、一般社団法人日本森林技術協会の選抜職員約30名を対象に、生成AIの基礎から実業務への応用、プロンプト設計までを扱うワークショップ研修を実施しました。協会側は研修後の9月からChatGPTのアカウント付与を始め、全職員122名のうち78名が利用しています。受講した職員が講師役となる内製研修を自分たちで3回企画し、基本的な使い方に加えて、統計解析業務が多いという自組織の実情に合わせた内容も用意しました。あわせてサイボウズ上に報告用アプリを作成し、どの業務でどれくらいの時間を削減できたかを利用者自身が計上する運用を整えています。メール文面の添削のように汎用性の高い使い方は、プロンプトをGPTs化して社内に展開されています。
出典:生成AI研修後、本格導入1ヶ月で10%超の業務削減も! ROIも即時達成し、組織に根付く「自律的なDX推進力」 発行元:株式会社SIGNATE
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
この研修は、使い方を覚えて終わりではなく、受講した職員が推進リーダーとなって組織全体に活用を広げることを一つのゴールとして設計されました。アカウント付与を始める際に協会側が抱いていた問題意識も、ただ配布するだけでは形骸化してしまう、というものでした。
ここから見えてくる困りごとの本質は、ツールが手元にないことではなく、目の前の業務のどこを生成AIに任せられるのかを自分で判断できないことだったのではないでしょうか。研修後に課題として残っているのも利用者間の活用頻度のばらつきであり、一部の部署では職員のITリテラシーの差が壁になっています。使える人とそうでない人を分けているのは、アカウントの有無ではなく、自分の仕事を分解してAIに当てはめる発想があるかどうか。編集部はそう見ています。
どうやって、うまくいったのか
研修を受けた職員が自組織の講師役へ回るという流れを作ったことが、この取り組みの起点になっています。協会は外部研修の内容を参考に内製研修を3回実施し、基本的な使い方だけでなく、統計解析業務が多いという自分たちの実情に寄せた内容まで組み立てました。教材づくりの段階でも生成AIを使い、統計解析の演習用にCSV形式のダミーデータを作らせています。外から与えられた知識を、自分たちの言葉と題材に翻訳し直す工程を挟んだことが、学んだ内容を組織の中に残す働きをしたと考えられます。
利用実態を数字で拾う仕組みを、活用の広がりとほぼ同時に立ち上げたことも効いています。サイボウズ上の報告用アプリでは、どの業務でどれくらいの時間を削減できたかを利用者自身が計上する形にしました。報告されたプロンプトもアプリ上で共有できるため、効果測定の記録がそのままナレッジの蓄積を兼ねる構造になっています。測る道具と広める道具を一つにまとめた設計は、報告作業が現場にとって余計な負担と受け取られる事態を避けるうえでも理にかなっています。
個人の工夫のうち汎用性の高いものを選び、GPTs化して社内に配った運用も見逃せません。メール文面の添削は、一見するとAIに頼むほどの作業ではないように映りますが、客観的な視点を入れて表現を整えるという点では誰の業務にも当てはまります。うまくいったプロンプトを個人の手元に置かず、誰でも呼び出せる形に固定してしまえば、活用の質は使い手のスキルに左右されにくくなります。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
導入初月の集計では、利用者78名の合計で業務全体の約2.4%にあたる削減が報告され、削減時間の総量は287時間に上りました。削減実績の上位10名に限ると平均で約11%に達しており、SIGNATEと一緒に設定した今年度中の全社業務削減目標10%も一定の射程に入っています。数字以外の変化としては、職員が自発的に「これもAIに相談できるか」と考えるようになったこと、プロンプトを自ら開発して共有する推進役の人材が現れたことが挙げられています。
うちでも使える?
応用しやすいのは、メールや資料、議事録の作成のように、部署を問わず誰の手元にもある文書業務が一定量を占めている組織です。この事例で削減が積み上がったのも、専門性の高い個別業務ではなく、全職員に共通する作業から手をつけた結果と考えられます。一方で、同じやり方を持ち込みにくいのは、業務の大半が対面対応や現場作業で構成される職場でしょう。また、削減時間の自己申告は、職員が効果を実感していて初めて機能します。報告が評価や管理の材料として受け取られる空気があると、数字はそもそも集まりません。
始めるなら、誰か一人がうまくいったプロンプトを一つ選び、他の人がそのまま貼り付けて使える形に整えて共有してみる。その一つが二人目、三人目に届くかどうかが、組織全体に広がるかどうかの最初の判定材料になります。
この事例は2025年6月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
株式会社SIGNATE
DX推進・人材育成を支援する企業。DX人材育成サービス「SIGNATE Cloud」を提供し、累計1,200社、220,000人以上の利用実績を持つ。社内の生成AI利用状況を組織別・個人別に可視化するモニタリングツールも開発している。
一般社団法人日本森林技術協会
出典・参考情報
生成AI研修後、本格導入1ヶ月で10%超の業務削減も! ROIも即時達成し、組織に根付く「自律的なDX推進力」
発行元:株式会社SIGNATE
掲載企業の方へ:本記事は公開情報をもとに作成しています。内容の修正・削除、または貴社確認のうえでの公式掲載をご希望の場合はこちらからご連絡ください。
