更新 2026.08.16
ほっかほっか亭、130項目のデータでAI売上予測。出店判断の属人化を解消へ
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 出店の判断がベテラン頼み
- 店舗ごとの売上差の理由が分からない
- 数字の根拠なく現場に指導している
どのようなAIの取り組み?
130項目以上のデータで自社専用のAI売上予測モデルを構築し、出店候補地の判断を担当者の経験則からデータに基づく手順へ移した取り組み
業種
持ち帰り弁当チェーン(飲食サービス)
取り組み領域
店舗開発/新規出店の売上予測
使ったAI
オーダーメイドのAI売上予測モデル(Airlake AI models)
主な成果
出店判断をAI予測に基づくフローへ移行中(予測精度は検証段階)
持ち帰り弁当チェーンを全国展開する株式会社ほっかほっか亭総本部は、新規出店の候補地評価が担当者の経験に依存している状態を変えるため、DATAFLUCTのAIモデル開発サービス「Airlake AI models」を使って自社専用の売上予測モデルを構築しました。既存店の売上実績に加え、店舗の視認性、駐車場や自動ドアの状況、人流、競合といった130項目以上のデータを読み込ませたこのモデルは、社内で「HGIS」と呼ばれています。現在は、候補物件の情報をまずHGISに読み込ませて判断するプロセスが社内のフローとして定着しつつあり、既存店の売上ポテンシャル分析への展開も視野に入っています。
出典:【ほっかほっか亭/AI事例】ほっかほっか亭、AI売上予測で「属人化」からの脱却。データに基づく客観的な出店戦略で、持続的な成長基盤を構築 | DATAFLUCT[データフラクト] 発行元:株式会社DATAFLUCT
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
以前の候補地評価は、GIS(地理空間情報システム)のソフトウェアを使った人力の調査に、近隣店舗の状況を照らし合わせる形で行われ、最終的な判断は担当者の経験に寄っていました。同じようなメニューを扱っていても店舗ごとに月間売上のばらつきは大きく、その差の要因を説明できない。品質・サービス・清潔さ(QSC)が低い店舗ほど売上が伴わない傾向は掴めていたものの、改善を促すための数字的な根拠は持てていませんでした。
編集部の見立てでは、困りごとの中心は予測が当たらないことそのものではなく、予測の根拠が個人の頭の中に留まり、外れた理由を後から検証できない構造にあります。実際、予測にブレがあることで、出店後の正しい効果検証が成立していませんでした。検証できない以上、積み重ねた経験は次の担当者へ渡る形にならず、組織の資産として蓄積されません。
どうやって、うまくいったのか
130項目以上の変数を一つのモデルに束ねた設計が、この取り組みの土台になっています。売上実績のような結果のデータだけでなく、店舗の視認性、駐車場や自動ドアの詳細、人流、競合の状況といった、現地に立たなければ分からない条件まで説明変数に組み込まれました。汎用の予測ツールを当てはめるのではなく、開発を担ったDATAFLUCTがオーダーメイドでモデルを組み上げる形をとったことで、持ち帰り弁当という業態の立地条件に固有の変数を拾えたのだと考えられます。社内でこのモデルに「HGIS」という呼び名を与えている点にも、借りてきた道具ではなく自社の判断基盤として扱う姿勢がにじみます。
どの項目をモデルに組み込むかを、週次のミーティングで一つずつ詰めていった進め方も見逃せません。担当者の説明では、この項目選定の過程が最も時間を要し、最も大変な部分でした。ここに時間を集中させた判断は、予測モデルの成否がアルゴリズムそのものよりも「何を見れば売上が決まると考えるか」の定義に左右されることを踏まえたものではないでしょうか。長年の店舗運営で培われた勘所を、モデルの入力項目という形に翻訳する作業だったと読めます。
現地確認が必要なデータの収集を、営業部の社員を巻き込んで行った運用も効いています。その際にDATAFLUCT側が分かりやすい説明資料を用意し、「欲しいデータ」の認識がずれないようにした点は、地味ながら精度を左右する工夫です。同じ項目でも、測る人によって基準が揺れれば、モデルに入る値の意味そのものが変わってしまいます。集める側と使う側の目線を揃えてから収集に入る手順が、130項目という多さを実際に運用可能なものにしたのでしょう。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
売上予測の精度そのものは本格的な検証がこれからの段階で、現時点では大枠の予測にブレがないという見込みにとどまります。それ以上の変化として挙げられているのが、店舗戦略を立てる際にまずHGISへ候補物件の情報を読み込ませて判断するというプロセスが、社内のフローとして定着しつつあることです。AIが算出した売上予測に近い結果となる実際の事例も出てきており、それが後押しとなって社内での活用が広がっています。
うちでも使える?
この手法が効きやすいのは、店舗や拠点のように評価する単位が揃っていて、売上という結果のデータが多数の単位で蓄積されている業態です。ほっかほっか亭の場合、フランチャイズで長年多数の店舗を運営してきた履歴そのものが学習の材料になっています。逆に、案件ごとに条件が大きく異なり、過去の実績を同じ物差しで並べられない事業では、130項目のような共通の入力項目を設計する段階でつまずきやすいでしょう。
もう一つの前提は、モデルを作り終えてからが本番だという点です。特徴量(AIが判断の手がかりにする項目)の設定とデータの入れ方で出力は変わり、誤差が出れば埋めるための情報を足していく。この手間を引き受ける担当者を置けるかどうかで、結果は分かれます。まず試すなら、直近に決めた出店や設備投資の判断を数件取り上げ、そのとき何を見て決めたかを担当者に語ってもらい、そのうち数値として記録に残っている要素がいくつあるかを数えてみてはどうでしょうか。残っている数が少ないほど、AIより先にデータを取る仕組みから着手すべきだという判断材料になります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
導入部門・データ活用
導入部門:経営・企画
活用したデータ:数値・Excel・ログ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:AIモデル・構築手法
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
株式会社DATAFLUCT
「Airlake AI models」により、需要予測をはじめ従来のツールでは対応が難しかった複雑なビジネス課題に対して、オーダーメイドのAIモデルを開発する企業。
株式会社ほっかほっか亭総本部
出典・参考情報
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