実施 2024.02 ・ 更新 2026.08.13
丸亀製麺800店舗超で使うAI需要予測、発注とシフト作成を自動化
企業規模:1,000人以上
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 毎日の発注量を勘で決めている
- 店長がシフト作成に追われている
- 食材の廃棄ロスが減らない
どのようなAIの取り組み?
AIの需要予測サービスを多店舗展開の飲食チェーンに取り入れ、発注やシフト作成の自動化と、仕込み量・エネルギー利用の最適化を進めているAI取り組み
業種
飲食チェーン(飲食サービス)
取り組み領域
店舗運営/需要予測・発注・シフト作成
使ったAI
富士通 ODMA需要予測(複数モデルを組み合わせるAI需要予測SaaS)
主な成果
丸亀製麺800店舗超で利用、発注・シフト作成の自動化が進行
讃岐うどん専門店「丸亀製麺」などを展開する株式会社トリドールホールディングスが、富士通のAI需要予測サービス「Fujitsu Business Application Operational Data Management & Analytics 需要予測SaaS」(ODMA需要予測)を採用しました。予測は用途別に二種類が用意されており、店舗別・日別の客数予測と販売数予測、そして店舗別・時間帯別の客数予測が出力されます。これらをもとに、ワークスケジュールの作成や食材の発注といった店舗マネジメント業務の自動化、さらに仕込み量やエネルギー利用の最適化が進められています。丸亀製麺では800を超える店舗でこの需要予測が利用され、全店での採用も決定されています。同社はDX戦略「DXビジョン2028」の一環として、食材廃棄ロスとエネルギー消費の削減、そしてカーボンニュートラルへの貢献までを射程に置いています。
出典:株式会社トリドールホールディングス 様 需要予測導入事例 発行元:富士通
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
掲げられていた課題は二つ。店舗スタッフが「食の感動体験」の創出に注力できるよう店舗マネジメント業務の負担を減らすこと、そして食材の廃棄ロスと水・光・熱のエネルギー消費を削減することです。
一見すると別々のテーマに見えますが、編集部の見立てでは、この二つは「今日どれだけお客様が来るか」という一つの読みに束ねられていたのではないでしょうか。発注量も、仕込みの量も、必要な人員も、火力や空調をどこまで使うかも、すべては来店見込みから逆算される判断です。その読みが店長個人の経験に委ねられている限り、負担は減らず、外した分だけ廃棄と余分なエネルギーに変わってしまう。つまり困りごとの本質は、作業の多さそのものよりも、多店舗にわたって需要の読みが属人化していたことにあったと考えられます。
どうやって、うまくいったのか
予測を用途に合わせて二段構えで設計した点が、実際の業務に落ちる形をつくっています。店舗別・日別の客数と販売数の予測は、翌日以降の食材発注や仕込み量の決定にそのまま使える粒度です。一方、店舗別・時間帯別の客数予測は、ピークに合わせた人員配置や、調理火力・水道・照明・空調をいつどれだけ動かすかという判断に対応します。同じ「需要予測」でも、日単位の総量と時間帯ごとの波では使い道がまったく違うため、この切り分けが発注とシフトという性質の異なる業務を同時に自動化する土台になったと見ています。
採用の決め手として予測精度に加えて「誰が使っても予測精度に大きな差がない」ことが評価されている点も見逃せません。ODMA需要予測は複数の予測モデルを組み合わせて最適な予測を導く仕組みで、使い手がモデルを選んだり調整したりしなくても結果が安定します。800店舗を超える規模で横展開する場合、平均的な精度の高さより、店舗間で結果がばらつかないことのほうが運用上は重要になります。使い手のスキルに成果が左右されない設計は、そのまま全店展開の現実性に直結する要素と言えるでしょう。
選定理由にツールの性能と並んで「業務理解の深さ」が挙げられていることも、この事例の性格を示しています。需要予測は数字を出すだけでは価値になりません。予測値を発注単位やシフトの枠、エネルギーの制御にどう翻訳するかという設計は、飲食チェーンの現場運用を理解していなければ組み立てられない部分です。予測の出力精度と、それを業務に接続する知見の両方を評価軸に置いた選び方が、導入後の使われ方を左右したと考えられます。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
ワークスケジュールの作成や食材発注といった店舗マネジメント業務の自動化が進み、仕込み量やエネルギー利用の最適化にもつながっています。丸亀製麺では800を超える店舗で需要予測が利用され、全店での採用も決まりました。同社CIOは、需要予測が食材廃棄ロスとエネルギー消費の削減、ひいてはカーボンニュートラルの実現につながると述べており、コスト削減と環境負荷低減を同じ取り組みの中で捉えている点が特徴です。今後は他業態や海外展開も視野に入れられています。
うちでも使える?
応用しやすいのは、店舗や拠点ごとに日々の来客数や販売数が積み上がっていて、その読みをもとに発注量・人員配置・設備の稼働を決めている業種です。飲食に限らず、小売やサービス業でも構造は近いはずです。逆に、予測の数字が出ても発注ロットが大きくて調整の余地がない、シフトが人員の都合で実質的に固定されている、といった場合は、精度が上がっても業務側が動かず効果が出にくくなります。予測を入れる前に「その数字で何を変えられるのか」を確認しておくことが分かれ目でしょう。
もう一つの判断材料は展開の規模感です。この事例で効いているのは、使い手によって結果がぶれない仕組みを選んだことでした。数店舗なら熟練者の勘で回せても、店舗数が増えるほど「誰が担当しても同じ水準」の価値が大きくなります。まずは自店の直近数か月の日別客数と発注量を並べてみて、どの曜日・どの時間帯でズレが繰り返し出ているかを一つ見つけるところから。そこが予測で埋められる余地の大きさを測る目安になります。
この事例は2024年2月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:数値・Excel・ログ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:AIモデル・構築手法
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
富士通
AI需要予測ソリューション「Fujitsu Business Application Operational Data Management & Analytics 需要予測SaaS」(ODMA需要予測)を提供。複数の需要予測モデルを組み合わせて最適な予測を行う。
株式会社トリドールホールディングス
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