実施 2025.08 ・ 更新 2026.08.14
広島県福山市、生成AI活用を広げる職員向け技術サポート研修を2025年度に開始
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- AIを契約したが一部の人しか使っていない
- 文章や議事録の作成に時間を取られている
- 管理職がAI活用を判断できず話が進まない
どのようなAIの取り組み?
すでに使い始めていた生成AIサービスの活用を庁内に広げるため、職員を層で分けた研修と相談会、効果測定を組み合わせた支援に取り組んだ事例
業種
地方自治体(公共・行政)
取り組み領域
庁内の文書・資料・議事録作成/職員向け研修
使ったAI
エンタープライズ向け生成AIサービス「GaiXer」(大規模言語モデル)
主な成果
2025年度から層別の研修と相談会を開始。効果は今後アンケートで測定する段階
広島県福山市は、文章作成や資料づくり、議事録の作成といった日常業務の負担を軽くする狙いで、2024年6月からFIXERのエンタープライズ向け生成AIサービス「GaiXer」を使い始めています。今回はその利用をさらに広げる段階として、2025年度からFIXERが技術サポート研修を提供します。内容は、頻繁に利用している職員20名を対象とした高活用者向けワークショップと、課長級・部長級を対象とした管理職向け研修の二本立てで、生成AIの基礎知識からプロンプトの作り方、業務改善につながるアイデアの検討までを扱います。あわせて、GaiXer利用職員向けの相談会と、活用事例や時間削減効果を把握するための効果測定アンケートも予定されています。
出典:FIXER、広島県福山市へ生成AIの技術サポート研修を提供〜職員の業務効率化と行政サービス向上を目指し、2025年度より開始〜 - 株式会社FIXER 発行元:株式会社FIXER
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
福山市が抱えていたのは、業務の幅が広く、社会情勢の変化にも素早く対応しなければならない状況のなかで、文章作成・資料作成・議事録作成といった日々の作業に時間が取られるという課題です。その手当てとして2024年6月に生成AIサービスの利用が始まっていますが、今回のサポートが向けられているのは、ツールを入れた後の段階になります。
編集部の見立てでは、ここでの困りごとの本質は「AIが使えない」ことではなく、使いこなしの差が組織のなかで開いていくことにあります。研修が高活用者と管理職という異なる層に分けて設計されているのは、日々使い込んでいる職員と、そもそも活用を後押しする立場にある職員とでは、つまずく場所が違うという認識のあらわれと読めます。
どうやって、うまくいったのか
まず効いていると考えられるのは、受講者を役割で分け、それぞれに別の狙いを持たせた設計です。頻繁に利用している職員20名向けのワークショップは、使い方を教える場ではなく、先進的な活用方法について意見を交わし、業務課題の解決策を検討する場として組まれています。一方の管理職向けは、生成AIの概要と活用事例という入口の内容で、管理職自身が使うことに加え、職員の活用を促す役割までを視野に入れた構成です。活用が広がらない理由は現場と管理職で異なるという前提に立った、実務的な切り分けと言えます。
もう一つの柱は、研修をやりっぱなしにしない仕掛けが最初から組み込まれている点です。相談会で研修内容のフォローアップと疑問解消を行い、活用事例と時間削減効果を把握するアンケートで結果を測り、それをもとにサポート内容自体を評価・改善する流れが示されています。測る対象を受講後の感想ではなく実際の業務での使われ方に置いているところは、定着を狙う進め方として筋が通っています。
土台の面では、行政特有の「使ってよいのか」という論点を先に片づけていることが大きいはずです。GaiXerはAzure OpenAI Serviceを基盤に開発され、データ保護機能とアクセス制御機能を備え、政府のセキュリティ基準を満たすSaaSとして評価されるISMAP-LIUの特別措置サービスリストに登録されており、行政専用ネットワークのLGWANからも利用できます。安全面の前提が固まっているからこそ、支援の力点を導入そのものではなく使いこなしの側へ振り向けられているのでしょう。
具体的に、どんな成果が出たのか
推進したこと
この事例で出た成果
今回の発表の時点では、研修による具体的な効果は公表されていません。高活用者向けワークショップは8月29日、管理職向け研修は9月下旬から10月上旬に予定されており、これから実施される段階にあります。活用事例と時間削減効果は効果測定アンケートで把握し、その結果をもとにサポート内容を評価・改善して、さらなる活用促進につなげる計画です。数値としての成果は、この測定を経て見えてくることになります。
うちでも使える?
応用しやすいのは、全社で使えるAIツールをすでに契約したものの、使う人と使わない人が固定化しはじめている組織です。よく使っている人を集めて活用例を持ち寄る場と、判断する立場の人に向けて概要と事例を伝える場を分けるやり方は、業種を問わず持ち込めます。測り方を先に決めておき、その結果で支援の中身を組み替える流れも、規模の大小に関わらず取り入れられる部分でしょう。
一方で、そのまま真似しにくい条件もあります。福山市の場合、2024年6月からの一年以上にわたる利用の蓄積があり、頻繁に使う職員が20名規模で集まる母数も存在します。導入直後で庁内・社内に成功例が一件もない段階では、意見交換型のワークショップは空回りしやすく、まずは自分の業務で試した人を数名つくるところからになります。人数の限られる会社であれば、研修という形をとらずとも、月に一度、使ってみた例を持ち寄って共有する場を設けるだけで、同じ役割は果たせるはずです。
この事例は2025年8月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
株式会社FIXER
クラウド黎明期の2009年に創業したクラウドネイティブカンパニー。Microsoft Azure の正式サービス開始と同時にエンタープライズシステムのクラウド化を手がけ、クラウドネイティブなテクノロジーで日本のDXを加速させることをミッションとする。エンタープライズ向け生成AIサービス「GaiXer」を提供。
広島県福山市
出典・参考情報
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