実施 2026.02 ・ 更新 2026.08.16
大和ハウス工業、2,000超の住宅プランをAIが即時提案する仕組みの共同開発
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 提案資料づくりに何日もかかる
- ベテランと若手で提案の質に差が出る
- 要望を聞いても選択肢を出しきれない
どのようなAIの取り組み?
2,000以上の住宅プランからAIが要望に合うものを即時に選び出し、提案までの待ち時間を縮めたAI取り組み
業種
戸建住宅メーカー(建設・土木)
取り組み領域
住宅営業/プラン提案
使ったAI
住宅プラン検索AI(共同開発)
主な成果
提案までのタイムラグを大幅に短縮
大和ハウス工業と燈が共同開発した「AIプランコンシェルジュ」は、規格住宅・セミオーダー住宅「Smart Made Housing.」の2,000以上のプランから、顧客の要望に合うものをAIが即時に選び出す仕組みです。2025年10月にサービスが始まり、全国の営業現場で使われてきました。2026年2月に公表されたver.2では、燈の独自AI技術でゾーニング(部屋や設備の配置=空間構成)のデータを構造化し、敷地図の上に玄関やLDKの位置を置くだけで、その構成に合うプランを探せるようになっています。加えて、一度示したプランに「和室を追加したい」といった要望を重ねて再選定する深掘り検索、展示場の来場予約アンケートの回答を取り込む連携も新たに搭載されました。
出典:大和ハウス工業と2,000以上の戸建住宅プランからAIが最適プランを即時提案する「AIプランコンシェルジュ ver.2」を共同開発 |燈株式会社/Akari Inc. 発行元:燈株式会社
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
新築戸建住宅の検討では、顧客へのヒアリングから具体的なプラン提示までに約1週間を要するのが一般的で、大和ハウス工業はこの提案スピードを課題として捉えていました。AIプランコンシェルジュの開発は、そこを起点にしています。
もっとも、困りごとの中心は日数の長さそのものではなく、住まいへの関心が最も高まっている来場直後の時間帯に、手元に見せられる具体案が存在しなかったことにあるのではないでしょうか。図面という具体物がないまま会話を続ければ、要望は抽象的な言葉のまま往復します。しかも、その言葉を2,000以上ある選択肢へ翻訳する作業は、担当者の経験の厚みに左右されやすい。速さの問題に見えて、その内側には提案の質が人に依存するという構造の問題も重なっていた、と編集部は見ています。
どうやって、うまくいったのか
効いているのは、間取りを言葉の条件ではなく空間構成として扱えるようにした設計です。ver.2では敷地全体を含めたゾーニング情報を構造化し、敷地図の上に玄関やLDKを配置すると、その構成に合致するプランをAIが導き出します。「4LDKで南向き」のような属性の組み合わせに要望を翻訳させるのではなく、住まい手が頭の中で描いている配置のイメージをそのまま検索の入口に据えた点が核心でしょう。提案後に建物位置を敷地内でドラッグして微調整できるところまで含め、実際の設計行為の順番に操作が沿っています。
商品ラインの構造そのものをAIの判断に組み込んだ点も見逃せません。規格住宅では要望を少し満たせないとき、セミオーダー住宅で補う提案へ切り替えるAIが用意されており、「合うものがありません」で会話が止まらない作りになっています。規格化された商品を扱いながら注文住宅に近い体験を出すという難題を、検索精度の追求ではなく提案の逃げ道を先に設計することで解いた、と読み取れます。
一度の検索で完結させない構成も、商談の実態に合っています。提案済みのプランを起点に「和室を追加したい」「アイランドキッチンを優先して見たい」といった追加要望を反映して再選定する深掘り検索は、顧客と営業担当者が話しながら条件を絞っていく進み方をそのままなぞったもの。配置図案を自動生成するAIが顧客の要望だけでなく営業担当者の意図も汲む設計になっているところにも、AIに提案を代行させるのではなく商談の道具として据える発想が表れています。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
2025年10月のサービス開始以降、AIプランコンシェルジュは全国の営業現場で活用され、顧客の要望に近いプランを若手からベテランまで同品質で提案できる状態が生まれ始めています。約1週間を要していた提案までのタイムラグは大幅に短縮されました。ver.2で実装された敷地全体のゾーニング情報にもとづくプラン検索については、国内の主要な戸建住宅プラン検索システム・間取り作成ツール19件を対象とした燈の調査(2026年1月時点)で業界初と位置づけられています。両社は今後、蓄積された顧客ニーズのデータをプラン開発に生かしていく方針です。
うちでも使える?
応用できるかどうかは、扱う商材の選択肢が有限で、その中身を属性として構造化できるかでほぼ決まります。2,000以上のプランという母数があり、部屋の配置や敷地条件を整理できたからこそ、要望をあてはめる検索が成立しました。設備の型番、部材の仕様パターン、サービスのプラン構成のように、カタログとしては存在するのに担当者の頭の中でしか組み合わせられていない領域なら、同じ形に持ち込める余地があります。
反対に、毎回ゼロから仕様を起こす完全な個別設計や、選択肢はあっても違いが図面や写真の中に埋もれていて項目として書き出せていない状態では、そのままの移植は難しくなります。試すなら、直近の商談で顧客が最終的に何を決め手に選んだのかを数件分並べ、その決め手が自社の商品データに項目として存在しているかを確かめるところから。
この事例は2026年2月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
導入部門・データ活用
導入部門:営業
活用したデータ:帳票・紙の資料
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
燈株式会社
「日本を照らす燈となる」という使命を掲げ、AIをはじめとした最先端テクノロジーで社会課題の解決に取り組む東京大学発のAIスタートアップ。建設業、製造業、物流業、卸売・小売業など日本の基幹産業における人手不足や生産性向上、「匠の技」と呼ばれる技術力の継承といった課題に対し、独自のAI技術を駆使したソリューションを提供している。
大和ハウス工業株式会社
出典・参考情報
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