実施 2025.10 ・ 更新 2026.08.16
社内データ分析コンペの学習基盤を移行、約4割がリピートした日本総研の人材育成
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 研修をやっても現場で使われない
- データ活用が一部の詳しい人に偏っている
- 社員が学び続ける習慣が根づかない
どのようなAIの取り組み?
eラーニングと社内コンペを一つの基盤でつなぎ、参加者の約4割がリピーターとなる継続参加を生んだAI人材育成の取り組み
業種
金融グループのIT戦略・システム開発(IT・通信)
取り組み領域
人材育成/データ分析スキルの社内展開
使ったAI
SIGNATE Cloud(eラーニングとデータ分析コンペの統合基盤)
主な成果
コンペ参加者の約4割がリピーターに
SMBCグループのIT戦略を担う日本総合研究所は、データ活用の知見が一部の専門組織に集まる状態を変えるため、社員が自主的に参加できる社内データ分析コンペを続けてきました。専門部署が主催するイベントから全社の育成施策へと位置づけが変わる中で、それまで使っていた基盤は初学者にとって操作が分かりにくく、学ぶための機能も足りていませんでした。そこで、eラーニングと実践の場であるコンペが同じ環境でつながるSIGNATE Cloudへ切り替え、学んだことをその場で試せる流れを整えています。運営は人事部とデータサイエンスグループが分担し、参加者の技術的な質問に答える相談会も設けられました。
出典:“イベント”から始まった挑戦の場が、全社的な“データ利活用カルチャー”を醸成する土台へ。 発行元:株式会社SIGNATE
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
専門知識が一部の組織に集中し、裾野が広がらない。日本総研が抱えていたのは、この構造的な課題でした。参加者が増えるにつれて、それまでのプラットフォームでは初学者が操作の段階でつまずき、学習機能も不十分なために、学びと実践の間に隔たりが生じていました。手元のPCの性能によって挑戦のしやすさが変わってしまう状態も残っていました。
編集部の見立てでは、困りごとの本質は関心を持つ社員の数ではなく、参加までのハードルが事実上の選別装置として働いていた点にあります。理論を学ぶ機会が用意されていなければ、もともと素養のある社員だけが最後まで走り切り、それ以外の参加者は「スキルを身につけた」ではなく「タスクをこなした」という感覚だけを持ち帰ることになる。裾野を広げるはずの施策が、専門人材の再確認で終わりかねない構造だったのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
eラーニングと実践の場であるコンペを同じ基盤の上に置き、学びから試行までを一続きのサイクルとして回せるようにした設計が、この施策の骨格です。教材で理論を押さえたうえで手を動かし、行き詰まれば学び直す。この往復が一つの環境の中で完結すると、初学者が最初の一歩で立ち止まる回数が減ります。学習環境がプラットフォーム側で用意されることで、手元の機材の性能が挑戦できるかどうかを決めてしまう不公平も取り除けます。
入口を「研修」ではなく「挑戦の場」として設けた点も効いています。社内ではセキュリティ分野のCTF(旗を奪い合う競技になぞらえた実践型の技術コンテスト)のように、社員が自主的に腕を競うイベントがすでに盛り上がっており、その文脈に乗せたことで身構えずに参加できる間口になりました。自分の実力がスコアという客観的な指標でリアルタイムに見える形式は、順位を上げたいという健全な競争心と探求心を刺激します。テーマが日々の業務と直結していなくても、仮説を立て、検証し、改善するという思考の型そのものは持ち帰れる。
運営を人事部とデータサイエンスグループの二者で担う体制も、見落とせない工夫でしょう。データサイエンスグループには社外の公開コンペに日常的に参加しているメンバーが在籍しており、参加者からの技術的な質問に答える相談会を社内で開けます。プラットフォームの選定でも、グループ内での活用実績と、運営側自身が研修で実際に触れた経験が判断材料になりました。使う側の手触りを知っている運営が選び、支える構図が、つまずきを社内で吸収する余地を生んでいます。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
導入後に実施した参加者アンケートでは、システムの使用感に関する満足度が5段階評価で0.5ポイント、率にして約10%向上しました。「UIが直感的で迷わず使えた」「学習の進捗が見えるのでモチベーションを維持できた」といった声が寄せられています。現在開催中のコンペには約140名が参加し、そのうち約50名は昨年度からのリピーターです。昨年度は参加者の6割以上を20代が占めており、一度参加した人が再び戻ってくる状態は、施策を続けるための土台になっています。
うちでも使える?
応用しやすいのは、学ぶ内容と試す場を同じ環境に置ける領域です。データ分析は環境の準備が比較的軽く、テーマが分かりやすく、成果がスコアという形で誰の目にも見えるため、腕試しの形式と噛み合います。加えて、参加者の質問に実務レベルで答えられる社員が社内に数名いるかどうかも、成否を分ける条件になります。
一方で、正解の置き方が難しく成果を点数で表しにくい仕事や、そもそも学ぶ時間を確保しづらい層には、同じやり方はそのままでは届きません。日本総研でも、30代・40代の中堅層や管理職層へのアプローチは今後の課題として残っています。上長がデータ分析の価値を理解していなければ若手の提案は前へ進まない、という指摘は、形式だけを真似ても埋まらない部分です。
まず試すなら、部署をまたいで誰でも入れる小さな腕試しの機会を一度だけ開いてみること。関心がどこに眠っているかは、募集への反応そのものが教えてくれます。
この事例は2025年10月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
導入部門・データ活用
導入部門:バックオフィス・管理部門(人事・経理・法務)
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:AIモデル・構築手法
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
株式会社SIGNATE
DX推進・人材育成を支援するデータ人材育成プラットフォーム「SIGNATE Cloud」を提供。累計1,200社、220,000人以上の利用実績を持つ。
株式会社日本総合研究所
出典・参考情報
“イベント”から始まった挑戦の場が、全社的な“データ利活用カルチャー”を醸成する土台へ。
発行元:株式会社SIGNATE
掲載企業の方へ:本記事は公開情報をもとに作成しています。内容の修正・削除、または貴社確認のうえでの公式掲載をご希望の場合はこちらからご連絡ください。
