実施 2025.06 ・ 更新 2026.08.14
専任の法務がいない化学メーカーが契約業務を標準化、AI契約レビューの活用法
企業規模:500人以内
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 契約書のやりとりが部署ごとにバラバラ
- 専任の法務担当がいない
- 過去の契約書が探せない
どのようなAIの取り組み?
AI契約レビュー機能を備えた契約管理システムを軸に、部署単位で分断していた契約業務の標準化と過去ナレッジの活用に取り組んだ事例
業種
グリセリン製造(素材・化学)
取り組み領域
法務・契約業務
使ったAI
MNTSQ CLM(AI契約レビュー機能を備えた契約管理システム)
主な成果
契約審査とナレッジ管理の基盤が統一され業務が効率化
グリセリンで国内トップシェアを持つ阪本薬品工業は、社内外のサステナビリティ推進の一環として全社横断の業務改革を進めており、その第一歩に契約業務を選びました。同社には専任の法務体制がなく、契約に関する仕事は部門ごとに抱え込まれた状態で、蓄積された過去の契約情報も活かしきれていません。ここに対して、業務の標準化とナレッジの活用をひとつの流れで扱える仕組みとして、MNTSQ株式会社が提供する契約管理システム「MNTSQ CLM」を採用。契約管理・案件管理・AI契約レビュー機能を使い、契約審査とナレッジ管理の土台を全社で共通化しています。推進役を担ったのは、法務の専門家集団ではなく人事総務本部サステナビリティ推進部の担当者たちでした。
出典:非専門家が実践した、全社を巻き込む業務改善 ― 共通言語が、法務と事業部のコミュニケーションを活性化 ― | 導入事例 | MNTSQ株式会社 発行元:MNTSQ株式会社
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
契約業務は部署ごとに切り離されて動いており、どこで何がどこまで進んでいるのかが見えにくく、情報共有にも進捗の把握にも手間がかかっていました。専任の法務体制を置いていない以上、それぞれの担当者が自分のやり方で処理するほかなく、結果として過去のやりとりや判断の蓄積は個人の中にとどまります。
編集部の見立てでは、この困りごとの本質は法務担当者の人数不足ではなく、契約という仕事が「会社の業務」ではなく「各部署の作業」として扱われていたことにあります。部署ごとに閉じている限り、たとえ処理が速い担当者がいても、その速さは隣の部署には伝わりません。過去のナレッジが使われていない状態も、資料が失われていたというより、他部署の人が見に行ける置き場そのものが存在しなかったことの裏返しではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
契約管理と案件管理、そしてAIによる契約レビューを別々に足していくのではなく、ひとつながりの仕組みとして選んだ判断が、この取り組みの起点になっています。契約書のチェックだけを効率化しても、審査した内容がどこに残り、次に誰が参照するのかが決まっていなければ、成果はその場限りで消えてしまいます。標準化とナレッジ活用を同時に成立させる設計を選んだことで、日々の審査を回すこと自体が資産の蓄積につながる構造になったと考えられます。
推進の主体を法務の専任組織ではなく、サステナビリティ推進部という全社を横断する立場に置いた進め方も見逃せません。法務の専門家がいない状況は一見すると不利ですが、専門家の作法に引きずられないぶん、「誰が使っても同じ手順で進む形」を素直に設計しやすくなります。専任体制がないことを導入を見送る理由にせず、むしろ全社改革の第一歩という位置づけに変換したことが、部署をまたいだ協力を引き出す力になったのでしょう。
システムを、機能ではなく部門間の共通言語として扱った運用の置き方も効いています。法務側と事業部側が同じ画面と同じ用語で会話できるようになると、「今どうなっていますか」という確認のやりとり自体が減り、話す内容が中身の相談へと移っていきます。道具を配って終わりにせず、対話の土台として据えた点に、この取り組みの特徴があります。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
契約審査とナレッジ管理の基盤が統一され、必要なデータに手が届くようになったことで、契約業務そのものが効率化しています。加えて、MNTSQを共通言語とする形で法務と事業部のコミュニケーションが活発になり、部門間の連携が強まりました。定量的な指標は公開されていませんが、部署単位で閉じていた仕事が全社の業務として並び直されたこと自体が、この段階での主要な変化と読み取れます。
うちでも使える?
応用しやすいのは、契約や申請のように「書式と手順がある程度決まっているのに、部署ごとに別々のやり方で回っている業務」を抱えている会社です。専任の担当部署がないことは、この種の取り組みでは必ずしも障害になりません。むしろ既存の作法が固まっていないぶん、全社で同じ手順に揃える提案が通りやすいという面があります。
一方で、案件ごとに条件が大きく変わり、判断の根拠を文書として残しにくい業務では、同じ形は当てはめにくいでしょう。仕組みに集約する価値は、後から誰かが参照する見込みがあってこそ生まれるためです。導入を検討するなら、まずは直近に社内で交わした契約や書類を数件たどってみて、それが今どこに保管され、他部署の人がたどり着けるかを確かめてみてはいかがでしょうか。たどり着けないものが多いほど、共通の置き場を作る効果は大きくなります。
この事例は2025年6月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
MNTSQ株式会社
契約管理・案件管理・AI契約レビュー機能を備えた契約業務プラットフォーム「MNTSQ CLM」を提供する企業。ISO 27001(IS 798405)認証を取得。
阪本薬品工業株式会社
出典・参考情報
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