実施 2025.10 ・ 更新 2026.08.15
稟議書作成で年350時間削減の試算、日鉄ソリューションズのノーコード生成AI内製
プロジェクト期間:半年未満
企業規模:1,000人以上
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 社内事務や調整に時間を取られている
- 担当を替えても業務量が減らない
- AIの効果を社内で説明できない
どのようなAIの取り組み?
ノーコードの生成AIプラットフォームで業務別アプリを内製し、稟議書の起案支援で年間350時間の削減を試算したAI取り組み
業種
システムインテグレーター(IT・通信)
取り組み領域
営業事務・稟議書作成/SE保守業務
使ったAI
Alli LLM App Market(ノーコードの生成AI・AIエージェント基盤)
主な成果
稟議書の起案支援で年間350時間の削減を試算
日本製鉄グループのシステムインテグレーターである日鉄ソリューションズは、営業部門とSE部門それぞれの業務負荷を下げるため、Allganize Japanの生成AI・AIエージェントプラットフォーム「Alli LLM App Market」を自社業務に持ち込みました。営業部門を中心に3名で立ち上げた社内タスクフォース「AIラボ」が旗振り役となり、プログラミングを使わずに業務単位の生成AIアプリを作る進め方を採ります。新旧の契約書から対照表を作るアプリ、稟議書の起案文を生成してワークフローシステム上で自動入力するアプリ、SEの保守業務で過去の対応事例を検索できるRAGのアプリなどが、1〜2週間に1本のペースで作られています。技術面は社内のDX専門部隊が支援する体制です。
出典:■導入事例■【日鉄ソリューションズ様】営業・SEの課題を生成AIで解決。「動くプロトタイプ」で合意形成を高速化、業務別のAI活用を短期間で実現 発行元:Allganize Japan株式会社
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
営業の現場では社内事務や調整作業に時間が吸い取られ、SE業務では工数を売る形が色濃く残っていました。前者については2022年頃から営業事務を派遣メンバーへ移管する取り組みが進み、営業本部横断のミドルオフィス組織の企画にまで発展しましたが、担い手を替えても仕事の総量は変わらないという壁に突き当たっています。
編集部の見立てでは、この事例の困りごとの本質は業務量の多さそのものではなく、「人の配置を変える方法では減らせない仕事」が積み上がっていた点にあります。移管も増員も、誰かがその作業をやり続ける前提を崩しません。2025年対比で営業利益を約3倍に引き上げる中長期目標を掲げた以上、投入人数に比例して成果が決まる構造そのものを外す必要があった。生成AIは、その構造に手を入れる手段として選ばれたのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
業務を丸ごとAIに渡さず、一連の流れを工程ごとに分解して任せる範囲を決めた点が、この取り組みの土台になっています。SE業務では、思考を伴う上流工程は当面人が担う領域と整理したうえで、起票されたサポートチケットに対して過去事例を探し情報をまとめる保守フェーズの作業を最初の対象に据えました。参照すべき手がかりが過去の蓄積の中にある作業は、外部のデータを検索して回答に使うRAGという仕組みと噛み合いが良く、難しい精度の議論に入る前に価値を示しやすい領域です。顧客課題のリストから業務の汎用性と効果の大きさで対象を絞った選び方も発想は同じで、勝ち筋の見える場所を先に見極める設計だったと考えられます。
動くものを先に出して議論する進め方も、推進力として効いています。ノーコードでアプリを組める基盤を選んだことで、プロジェクト立ち上げから2ヶ月弱で実際の業務課題に沿ったアプリが形になり、その後も1〜2週間に1本のペースと複数並行での開発が成り立ちました。企画書ではなく触れる実物を社内に出せば、相手は使えるかどうかを自分の業務に引き寄せて判断でき、返ってきた要望がそのまま次のアプリの題材になります。3名の小さな体制で回り続けたのは、作る側の負担が軽く、反応が早く戻る循環を組み立てられたからでしょう。
出口を既存の業務画面に埋め込んだ設計も見逃せません。決裁文書の起案をサポートするアプリは、ワークフローシステムと自動連携させ、稟議書の作成画面からアプリを呼び出して生成結果を自動入力する形にしています。AIラボが掲げる「意識せずにAIを業務活用できる仕掛け」という考え方が、ここに具体化されている。利用者に新しい画面と手順を覚えさせないという判断は、社内展開の摩擦を確実に小さくします。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
営業が使う決裁文書起案のサポートアプリでは、1件あたり約15分の短縮を前提に置くと、本部全体で年間350時間の削減になるという試算が示されています。新旧契約書の比較アプリは、英語の契約書や数十項目に及ぶ変更にも対応でき、手間のかかっていた対照表作成の負荷が大きく減りました。SE保守のナレッジ検索アプリには好意的なフィードバックが集まり、他のSEチームからも同じ仕組みを試したいという声が出ています。全社勉強会での紹介後には、他部署から10件以上の相談が寄せられました。
うちでも使える?
応用しやすいのは、入力と出力の型がある程度決まっていて、参照すべき材料が社内に溜まっている業務です。稟議書の起案や契約書の新旧比較のように、読み込ませる資料と出したい書式が決まっている作業は、ノーコードのツールでも短い期間で形にしやすい領域といえます。
一方で、同じ進め方がそのまま効かない場面もあります。案件ごとに前提が変わり、判断材料を人が集め直す必要のある上流工程は、この事例でも当面は人が担う領域として切り分けられました。過去の対応事例が個人のメールや手元の資料に散らばっていれば、検索させる前に集める工程が必要になりますし、生成した結果を既存の申請画面に戻せない場合は、便利でも使われずに終わりがちです。
最初の一歩は、社内で作成回数の多い定型文書を1つ選び、粗くてもよいので実際に動くアプリを1本作って担当者に触ってもらうこと。説明資料を整えるより、動くものを見せたほうが話は早い。
この事例は2025年10月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
Allganize Japan株式会社
生成AI・AIエージェントプラットフォーム「Alli LLM App Market」を提供する企業。ノーコードで業務に適した生成AIアプリを作成でき、Deep ResearchやAgent Builderなどの機能を提供している。日鉄ソリューションズは同プラットフォームの販売パートナーでもある。
日鉄ソリューションズ株式会社
出典・参考情報
■導入事例■【日鉄ソリューションズ様】営業・SEの課題を生成AIで解決。「動くプロトタイプ」で合意形成を高速化、業務別のAI活用を短期間で実現
発行元:Allganize Japan株式会社
掲載企業の方へ:本記事は公開情報をもとに作成しています。内容の修正・削除、または貴社確認のうえでの公式掲載をご希望の場合はこちらからご連絡ください。
