実施 2024.10 ・ 更新 2026.08.16
生成AIの通話要約で後処理時間を約10秒短縮、大丸松坂屋のコンタクトセンター
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 電話対応後の入力作業に時間を取られている
- 要約の書き方が担当者ごとにバラバラ
- 電話がつながらず取りこぼしが出ている
どのようなAIの取り組み?
通話の文字起こしテキストを生成AIで自動要約し、電話対応後の後処理時間を約10秒短縮したAI取り組み
業種
百貨店・EC(小売・流通・EC)
取り組み領域
コンタクトセンター/電話対応後の後処理
使ったAI
生成AIによる通話内容の自動要約(AI文字起こし併用)
主な成果
受電1件あたりの後処理時間を約10秒短縮
大丸松坂屋百貨店は、ECサイト「大丸松坂屋オンラインストア」の問い合わせを受けるコンタクトセンターで、2023年2月にAmazon ConnectとZendeskを組み合わせたクラウド型の基盤へ切り替え、紙で記録していた対応履歴のデジタル化と、電話・メール・FAQといった窓口の一元化を進めてきました。その基盤に、通話を文字起こししたテキストを生成AIが自動で要約する機能が標準搭載されることになり、同社は実際のオペレーター席で精度を確かめたうえで2024年10月から活用を開始。2024年冬の繁忙期のピークにあわせて全席へ広げ、要約内容をZendeskへ入力する役割をスーパーバイザーへ移して、オペレーターが受電に専念できる形に運用を組み替えています。
出典:導入事例(株式会社大丸松坂屋百貨店様) - AWS伴走支援ならサーバーワークス 発行元:株式会社サーバーワークス
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
クラウド基盤への刷新によって、紙の履歴管理やチャネルの分散といった問題はいったん片づき、電話対応の件数そのものも2024年冬の繁忙期には約23%減っていました。それでも手つかずで残っていたのが、通話を終えたオペレーターが顧客の要望をまとめてZendeskへ打ち込む後処理業務です。通話内容は自動でテキスト化されるようになったものの、そこから要点を抜き出す部分は人の手に残されたままで、負荷は手書きメモを見ながら入力していた頃と大きくは変わっていませんでした。
編集部の見立てでは、ここでのつまずきは「入力の手間が重い」ことより、文字起こしと入力のあいだに残った、何を書き何を落とすかを判断する工程が人に依存していた点にあります。この判断は経験やスキルの差が出やすく、報告の粒度がそろわなければ、後工程の管理部門が確認に回る時間まで膨らんでいく。件数を減らしても消えない種類の負荷が、この一工程に凝縮されていたのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
要約に必要な項目や内容、文字数といったチューニングを提供側で済ませ、パッケージの標準機能として届ける形をとったことが、この取り組みの入り口を軽くしています。サーバーワークスが自社で精度を検証し、調整を終えたうえで実装したため、利用する側では特別なカスタマイズを起こす必要がありませんでした。追加費用もわずかで済むため判断のハードルが下がり、機能追加を知ってすぐ検証に動ける状態がつくられたと考えられます。個社ごとに要件を積み上げるのではなく、多くの現場で共通して必要になる要約の型を提供側が先に固めておく分担の置き方が効いた部分です。
精度の確認を管理側の判断だけで完結させず、実際のオペレーター席で実業務のまま試した進め方も見逃せません。いくつかの席で使ってみて、要約に必要な項目が漏れなく入っているかを日々対応している側が確かめ、管理側は要約の精度と内容に加えてZendeskへの流れ込み方を別の観点から点検しています。使う人と運用を預かる人がそれぞれの物差しで確かめたことで、繁忙期のピークという最も失敗できないタイミングで全席展開に踏み切る材料がそろったのでしょう。
機能の導入と同時に、繁忙期の入力をスーパーバイザーの役割へ移すという運用フローの組み替えを行った点も、実務での効き方を左右したと見ています。要約が自動生成されても、その内容を確かめてZendeskへ渡す作業自体はどこかに残ります。残った作業をオペレーターの手元に置いたままにせず、受電に集中できる側へ振り直したことで、自動化で生まれた余白が電話を取る力に向かう形になりました。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
2024年冬の繁忙期には、受電1件あたりの後処理時間が11月で7秒、12月で13秒短くなりました。1カ月で1万件規模の電話を受ける時期にあって、この10秒前後の積み重ねは応答率の向上にもつながっています。業務委託先の責任者からはオペレーターの負荷が大幅に軽くなったという評価が届き、経験差による報告の抜けや漏れも解消。管理部門は要約から状況を判断しやすくなり、情報が足りなければ文字起こしテキストにさかのぼれるため、聞き取りや録音の聞き直しに費やしていた手間が減り、顧客対応までの時間も短くなっています。
うちでも使える?
応用しやすいのは、通話やチャットのやりとりが記録として残っており、そこから要点を決まった形式で別のシステムへ書き写す作業が日常的に発生している職場です。書き写す内容の型が業務ごとにおおむね決まっているほど、標準機能のまま使える見込みは高くなります。逆に、記録すべき項目が案件ごとに大きく変わる場合や、要約に社内の個別事情をふまえた判断が混ざる場合は、汎用の要約では足りず、項目設計から詰め直す作業が発生するはずです。そもそも通話の文字起こしが業務に入っていない段階なら、着手点はそちらになります。
試すなら、直近の対応履歴を十数件ほど並べ、そのうち何割が同じ項目の組み合わせで書けているかを数えてみてはどうでしょうか。ばらつきの正体が担当者ごとの書き方の差なのか、案件の性質そのものの差なのかが分かれば、自動要約が効く業務かどうかの見当がつきます。
この事例は2024年10月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:文書・ナレッジ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
株式会社サーバーワークス
AWSに特化した事業を2009年から手掛けるAWS伴走支援事業者。AWS Premier Tier Services Partner として、AWS請求代行、AWS設計・構築支援、AWS運用・サポート、AWS活用支援などを提供する東証上場企業。Amazon Connect と Zendesk を組み合わせた「クラウドコンタクトセンターパッケージ」を株式会社エクレクトとともに提供し、Amazon Connect の導入支援やIVR自動化、データ分析基盤・IoTプラットフォーム構築などにも取り組んでいる。
株式会社大丸松坂屋百貨店
出典・参考情報
導入事例(株式会社大丸松坂屋百貨店様) - AWS伴走支援ならサーバーワークス
発行元:株式会社サーバーワークス
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