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  5. 月12万件の問い合わせに聞き返しで答える、四日市市の生成AI窓口|四日市市×KARAKURI Inc.の導入事例

✓ やさしく事例解説
公共・公益事業
地方自治体(市役所)

実施 2025.09 ・ 更新 2026.08.14

月12万件の問い合わせに聞き返しで答える、四日市市の生成AI窓口

AIツール・サービス

※イメージ画像です

月12万件の問い合わせに聞き返しで答える、四日市市の生成AI窓口 のプロジェクト概要図解

取り組み概要

やさしく事例解説

プロジェクト解析

実施・導入企業

こんな方へおすすめのAI解説です

  • FAQの更新が追いつかない
  • 問い合わせ電話が多すぎて手が回らない
  • 担当が変わると情報が放置される
OVERVIEW

どのようなAIの取り組み?

市の公式ホームページを回答ソースとし、聞き返しで質問を絞り込む対話型AIを市民の問い合わせ窓口に加えた四日市市のAI取り組み

業種

地方自治体(公共・行政)

取り組み領域

市民からの問い合わせ対応

使ったAI

対話型AIエージェント「Generative Navigator」(生成AI)

主な成果

独自の生成AI活用指針を策定し、聞き返し型AIの採用に至る(効果は今後検証)

月12万件の問い合わせに聞き返しで答える、四日市市の生成AI窓口 のプロジェクト概要図解

三重県四日市市は、市民から寄せられる月12万件の問い合わせに対し、公式ホームページを回答ソースとして参照する対話型の顧客対応AIエージェント「Generative Navigator(GeN)」を窓口の選択肢に加えました。提供元はKARAKURI Inc.で、質問が曖昧なときにAIの側から選択肢を示して聞き返す特許技術を備えています。たとえば「納期限」という問いには、税金・保険料・水道料金のどれかをまず確認し、税金であれば市民税・固定資産税・軽自動車税へと段階的に絞り込みます。検討を進めたのは総務課働き方改革推進室とデジタル戦略課行政DX推進室で、市は令和5年6月末に独自の生成AI活用ガイドラインを策定・公表済みです。効果については期待が語られている段階にあります。

出典:生成AIの聞き返し技術が実現する四日市市の新たな市民サービス ── 月12万件の問い合わせに挑む自治体DXの最前線  発行元:KARAKURI Inc.

EASY GUIDE

やさしく事例解説

何に困って、AIを入れたのか

困りごとは3つに整理されています。各部署が管理するFAQは粒度も整備状況もそろわず更新漏れが頻発し、通常業務の合間に手を入れる負担が重いこと。国勢調査のような国の施策のたびに専用窓口を設けざるを得ず、それが月12万件の日常的な着信と重なること。そして以前導入したチャットボットはFAQの登録数に制限があり、年度末の機構改革で担当部署が変わると面倒を見られないFAQが生じ、誤った回答を市民に返すリスクが表に出ていたことです。

編集部の見立てでは、この3つは別々の問題ではなく一つの構造から派生しています。行政では担当部署が定期的に組み替えられるため、知識の持ち主が動き続ける。にもかかわらず、FAQという置き場所を固定した情報に回答を依存させていたことが、更新漏れも誤回答も生んだのではないでしょうか。件数の多さより、情報の所有者が定まらないことのほうが根深かったと考えられます。

どうやって、うまくいったのか

最も効いていると考えられるのは、FAQを新たに作らず、すでにある市の公式ホームページや掲載中のPDF文書を回答ソースとして直接検索させる設計です。市役所のページには制度のお知らせが必ず載り、担当課はもともとそれを更新する責任を負っています。回答の根拠を、別に用意した台帳ではなく本来の情報発信そのものに置いたことで、AIのための保守という余分な仕事が発生しない構造になりました。担当部署が入れ替わっても、更新の対象がホームページのままである以上、引き継ぎの穴がそのまま回答の穴になりにくい。

第二の要因は、答える前に質問を確定させる対話の組み立て方です。「納期限」のように複数の制度にまたがる言葉に対して、いきなり文章を生成せず、税金・保険料・水道料金という選択肢を示して選ばせ、税金であれば市民税・固定資産税・軽自動車税へと階層をたどらせる。似通った文章を継ぎはぎして無理に答えをこしらえる事故を、生成の精度を上げる方向ではなく生成する前の入力を確定させる方向で止めた判断は、誤案内が許されない行政サービスでは理にかなっています。

三つ目に挙げたいのが、道具より先にルールを置いた順番です。生成AIのプラットフォームが登場し始めた時期に、AIを直接使う場合とプラットフォームを介して使う場合を分け、個人情報は入力しないといった基本的な注意事項と具体的なユースケースを示したガイドラインが、先行自治体の発表から2か月で公表されました。何が禁止で何が推奨かが先に共有されていれば、個々のツール検討は「使ってよいか」ではなく「どう使うか」から始められます。

具体的に、どんな成果が出たのか

改善・向上したこと

顧客対応の効率化
エラー・ミスの削減
従業員満足度・働き方改善

推進したこと

AIガバナンス・リスク管理
組織変革・DX推進

この事例で出た成果

現時点で示されているのは削減実績ではなく、導入に至るまでに整えられたものと、これから期待する効果です。市は令和5年6月末に独自の生成AI活用ガイドラインを公表し、そのうえで聞き返し機能を備えたAIエージェントの採用を決めています。期待として語られているのは、朝の出勤前に必要書類を確かめたい人、電話が苦手な若い世代、待たされるより自分で調べたい人へ選択肢を増やすこと。市民が自分で解決できるようになれば、職員側にも最新情報をホームページに載せようという意識が生まれ、情報更新のサイクルが回るという見通しも示されています。

うちでも使える?

応用しやすいのは、答えの根拠となる情報がすでに自社サイトやマニュアルとして公開・整備されていて、それを更新する担当が業務として決まっている組織です。この事例の要点は高度なAIを持ち込んだことではなく、AI専用の情報を作らずに済ませた点にあるため、既存の情報発信が回っているほど噛み合うと考えられます。逆に、回答の根拠が文書化されておらず担当者の記憶や電話でのやり取りにしか残っていない場合、参照先が空のままなので同じ形は取りにくい。問い合わせの多くが個別事情の判断を伴い、選択肢を示して絞り込む形に落とし込めない業務も、この設計とは相性が良くありません。

試すなら、直近の問い合わせを10件ほど並べ、そのうち何件が自社サイトの既存ページだけで答えられるかを数えてみるところから。答えられない件のほうが多ければ、AIの検討より先にそのページを書くほうが、順番としては早いはずです。

この事例は2025年9月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。

ANALYSIS

プロジェクト解析

プロジェクト内容

AIツール・サービスの提供形態

自社データを設定
他ツールから乗り換え

導入部門・データ活用

導入部門:全社共通・汎用業務

専用AIツールの導入
AIチャットボット
市民向け案内ボット

活用したデータ:文書・ナレッジ

マニュアル・業務規定・FAQ
市公式ホームページ
掲載PDF文書

採用したAI技術・ツール

採用したAI技術:テキスト・言語AI

チャットボット
問い合わせ対応
聞き返し機能
RAG(社内データ等をAIが参照して回答)
AIエージェント(AIが自律的にツールを使いタスク実行)

AIモデル・ツール

Generative Navigator
COMPANIES

プロジェクト実施・導入企業

実施・支援企業 (VENDOR)

KARAKURI Inc.

この取り組みに関心があれば KARAKURI Inc.の公式情報をご覧ください

導入先企業 (CLIENT)
四日市市
業種:地方自治体(市役所)

出典・参考情報

※本事例は以下の公開情報を元にWarpBiz編集部がリサーチ・作成しました。

生成AIの聞き返し技術が実現する四日市市の新たな市民サービス ── 月12万件の問い合わせに挑む自治体DXの最前線 

発行元:KARAKURI Inc.

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