実施 2025.01 ・ 更新 2026.08.15
大日本印刷、利用ログ分析でCopilotの定着施策をユーザー層別に設計
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- AIツールを配ったが使われない
- 誰がどう使っているか見えない
- 研修をやっても定着しない
どのようなAIの取り組み?
生成AIの利用ログと評価シートを分析し、ユーザー層ごとの定着施策とKPIを設計したAI取り組み
業種
総合印刷(製造業)
取り組み領域
全社の生成AI利活用推進・社内定着
使ったAI
Microsoft 365 Copilot(生成AI)
主な成果
利用頻度層・職種・部署別の利用状況と業務削減時間を可視化
大日本印刷(DNP)グループは、社員一人ひとりのデジタル活用によって生産性と付加価値を高めることを経営課題に掲げ、その手段としてMicrosoft 365 Copilotを試験導入しています。ただ、利用率をさらに引き上げる段階では、導入効果がどの程度あるのか、どのような業務で効果的に使えるのかを判断する材料が足りていませんでした。そこでアビームコンサルティングが、Copilotの利用ログと評価シートをもとにしたユーザー特性の分析を担当。利用頻度の層ごと、職種ごと、部署ごとに使われ方の違いを洗い出し、その結果に沿って習熟度別の勉強会やユースケースの周知といった定着施策、KPIの設定、効果検証の計画づくりまでを組み立てました。
出典:ユーザー特性に基づくMicrosoft 365 Copilot利活用促進支援 | 事例 | ABeam Consulting 発行元:アビームコンサルティング株式会社
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
DNPグループが向き合っていたのは、ツールを配ったあとの段階です。全グループ社員をルーチン・ノンコア業務から解放し、より価値の高い時間へ移すという狙いは明確だった一方、さらに利用率を上げようとしたときに、導入効果がどれほどあるのか、どういう業務なら効果的に活用できるのかを示す材料が手元にありませんでした。
編集部の見立てでは、ここでの詰まりは社員の意欲やツールの機能不足ではなく、効果が特定の人と特定の業務に偏って現れている状態を、組織として言語化できていなかったことにあります。生成AIは同じライセンスを配っても、担当業務の性質と本人の習熟度によって効き方が大きく変わる。全体の平均値だけを見ているかぎり、その偏りは平らにならされて見えなくなり、次に何をすべきかが決まりません。判断材料がないという言い方の下には、そもそも現状を見る単位が粗すぎた、という構造があったのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
ユーザーを一枚岩とみなさず、利用頻度の層・職種・部署という複数の軸で切り分けた分析設計が、この取り組みの起点になっています。材料として使われたのは、Copilotの利用ログと、社員が記入した評価シートという性質の異なる二種類のデータでした。ログからは実際にどれだけ使われたかという行動が、評価シートからは本人が業務にどう効いたと感じているかという主観が取れます。利用頻度に対する業務削減時間の差異や、利用者の使い方が時間とともにどう変わったかまで見にいったことで、使われている/使われていないの二分法では捉えられない濃淡を扱えるようになりました。
分析を分析のまま終わらせず、ユーザー層ごとの日常業務とCopilotの機能を突き合わせる作業に落とし込んだ点も見逃せません。習熟度に応じた勉強会とハンズオン、層ごとの想定活用方法を整理したマニュアルやe-learning(社内で受講できる学習教材)、そして具体的なユースケースの洗い出しと周知。並べれば地味な打ち手ですが、いずれもあなたの仕事のこの場面で使える、という粒度まで下ろす作業であり、汎用ツールを配布したときに生じがちな、自分の業務との接点が見つからないという停滞に直接効く設計です。
KPIの設定と効果検証計画の策定を、施策立案と同時に組み込んだ進め方も特徴的でした。施策を打ったあともユーザーごとの利用履歴とKPIをモニタリングし、その結果を次の施策検討へ戻す。社内ニュースレターの配信やユーザーコミュニティの立ち上げ、Copilot利用イベントといった機運を高める打ち手も検討され、スキルの底上げと、自分の業務のどこに改善の余地があるかという気づきを、両側から促す組み立てになっています。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
この支援を通じて、利用頻度別の業務削減時間や、利用頻度層・職種・部署ごとのCopilot利用状況と効果が可視化されました。あわせて、データ分析の結果に基づく評価計画書が作成され、推進されています。個別の数値そのものは公開されていませんが、Copilotがまだ試験導入の段階にあることを踏まえると、次の展開範囲や投資の判断に使える形へ効果を整理できたこと自体が、この時点での成果と言えます。
うちでも使える?
応用しやすいのは、利用ログを取得できるAIツールを全社規模で配っていて、すでに数か月分の利用実績が溜まっている組織です。このやり方の核心は高度な分析手法ではなく、集計の単位を全社平均から利用頻度層・職種・部署へと細かくしたところにあるため、ログの出力機能と表計算ソフトがあれば入口には立てます。
一方、利用者が数十人規模にとどまる場合は、層に分けた途端に各層の母数が数人になり、差が偶然なのか傾向なのかを判別できません。部署ごとに業務内容が大きくは変わらない組織でも、部署別に切る意味は薄くなります。この事例が評価シートという主観データを併用して初めて、なぜ使われないのかという部分に手を届かせている点も押さえておきたいところ。ログだけでは、使わない理由までは見えてきません。
まずは自社の管理画面を開いて、先月一度も起動されなかったライセンスが全体の何割にあたるかを確かめてみる。その一つの数字が、研修を増やすべきなのか、そもそも使いどころを示すべきなのかを分ける、最初の分岐点になります。
この事例は2025年1月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:数値・Excel・ログ
採用したAI技術・ツール
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
アビームコンサルティング株式会社
日本およびアジア発のNo.1グローバルコンサルティングファームを目指し、「Real Partner®」として企業や組織と共に新たな未来を共創し、企業変革の実現を支援するコンサルティングファーム。
大日本印刷株式会社
出典・参考情報
ユーザー特性に基づくMicrosoft 365 Copilot利活用促進支援 | 事例 | ABeam Consulting
発行元:アビームコンサルティング株式会社
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