実施 2023.04 ・ 更新 2026.08.15
社員1,370名の自動車開発会社、受講率94%の全社DX学習と現場発のAI内製化
プロジェクト期間:2年 〜 3年
企業規模:1,000人以上
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 全社研修を用意しても受講が進まない
- 学んだ知識が実務につながらない
- AI案件を社内で回せる人がいない
どのようなAIの取り組み?
全社員約1,370名へのデジタル学習から、現場の困り事を起点にしたAIの内製開発までを一続きの仕組みとして組み立てたAI取り組み
業種
自動車の開発・生産(製造業)
取り組み領域
全社のDX人材育成/現場課題起点のAI内製開発
使ったAI
AI・DX人材育成e-learning(Aidemy Business)、画像処理・IoTを用いた設備監視PoC
主な成果
全社デジタル学習の受講率94%を達成し、AIシステムを内製できる人材を育成
広島に本社を置き、マツダ車の量産開発と少量生産・カスタマイズ車両の開発生産を手がけるマツダE&Tは、2023年4月から社員約1,370名を対象とする全社デジタル学習を始めました。経営陣から現場担当者まで階層別にカリキュラムを組み、学習時間を就業時間内に確保しながら、部門ごとの進捗を隔週で経営会議・部門長会議に共有する運用を敷いています。基礎学習を終えた層には実データを扱うAI・データサイエンス講座を用意し、そこから選抜した人材を設備監視システムなど実務レベルのPoC(小規模な試験開発)づくりへ橋渡し。並行して、全社の困り事を集約するアプリや月次の報告会を整え、教育と実践を往復させる形をとっています。教育面ではAidemy Business、応用講座やAI開発の伴走ではアイデミーが関与しています。
出典:【DX人材育成/推進支援事例】「小さく始めて大きく育てる」- マツダE&Tの”現場起点”デジタル人材育成とは | Aidemy Business 発行元:アイデミー(Aidemy Business)
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
出発点は、DXを担う専任組織が社内にない状態でした。モデルベース開発本部の主査が2021年からAI・データ分析を独学し、Kaggle Expert(データ分析コンペで上位の実績を持つ称号)となった経験を土台に、2023年に社内DX事務局を立ち上げるところから動き出しています。理想像を「社会課題をデータとデジタル技術で解決し、新たな価値を創造する」と言語化して共有したことで目的の自分事化が進んだという経緯からは、それまでDXが社員一人ひとりの仕事と結びついて見えていたわけではなかったと読み取れます。
編集部の見立てでは、困りごとの本質はデジタル知識の量ではなく、学びと現場の困り事をつなぐ回路が存在しなかったことにあります。1,370名規模の組織で研修だけを配れば、受講は日々の業務の後回しになり、学んだ人が力を試す場も用意されません。教育に着手する前に理想像と2023〜2027年のロードマップを描いた順序は、その回路を先に設計する判断だったのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
学習を個人の努力に委ねず、時間の確保と可視化で支えた設計が土台になっています。「水曜17:00〜17:45は学習時間」と就業時間内に枠を置き、部門別の受講状況を可視化して隔週で経営会議・部門長会議に報告する運用は、学習を業務の一部として扱うという宣言に等しい。経営陣の関与を可視化の回路に組み込んだ点が、受講を現場の裁量任せにしない効き方をしたと考えられます。
研修の順序を組み替えた設計も、この取り組みに固有の要素です。Pythonの文法から積み上げるのではなく、タクシーのGPSや乗客数、運賃、日時といった実データを最初に触らせ、データの意味理解から統計・可視化・予測までの流れを手で追わせる進め方をとっています。しかも受講者自身が分析と示唆をまとめ、報告して共有するところまでが一組。ノーコード活用講座で上司承認を必須とし、受講後は自部署の推進役を担い、上長に仕事がどう変わったかを報告する条件を付けた設計も、学びを個人の関心から組織の約束へ移す仕掛けとして働いたのではないでしょうか。
全社の困り事を集約して仕分ける仕組みが、教育と実践をつなぐ最後の一辺を埋めています。集めた課題を「部門で解決できるもの」と「全社タスクとして取り組むべきもの」に切り分ける判断があるため、選抜された人材が挑む実践先が途切れません。PoCを早く安く作って「できそう感」を見せ、作る過程を展示会や月次の報告会で発信する運び方は、説得ではなく実物で仲間を増やす手順として理解できます。この規模で教育と開発を同時に回すうえでは外部の関与も前提で、リテラシー教育はAidemy Business、難易度の高い応用講座と実務レベルのPoC構築はアイデミーの伴走という役割分担が敷かれています。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
全社学習では受講率94%に達し、AI・データサイエンス講座を経て、社内でAIシステムを内製化できるエース級人材が育っています。設備監視システムのPoCに加え、設計図面のデジタル化や社内ナレッジのチャットボット、Power Appsによる車両管理アプリの内製化といった目に見える成果も生まれ、リアルタイム化した経営ダッシュボードは経営層の意思決定にも寄与しています。社長・役員を含む200〜300名が参加する月次のDX実践報告会が定着し、獲得した技術はマツダグループへの展開や地場企業との共創へ広がりつつあります。
うちでも使える?
応用できるかどうかの分かれ目は、学びの出口として使える現場課題が具体的な形で社内に溜まっているかどうかです。困り事を集めて「部門で解決」「全社で解決」に仕分ける運用自体は業種を問わず持ち込みやすく、AIを使わずに解ける課題を切り分ける用途にも使えます。一方でこの進め方は、進捗を経営会議の議題にできる程度の経営層の関与と、教材として触れる実データが社内にあることを前提にしています。データが紙や個人管理のExcelに散っている状態では、まず教材にできるデータを整える工程が先に立つため、同じテンポで進むとは限りません。
小さく始めるなら、就業時間内に45分の学習枠を1つ決め、その枠で扱う題材を自部署の困り事から1件だけ選んでみるのはどうでしょうか。学習と課題を最初からひもづけておけば、研修が終わったあとに何も起きない空白を作らずに済みます。
この事例は2023年4月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:帳票・紙の資料
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:テキスト・言語AI
AIモデル・ツール
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
アイデミー
AI/DX人材育成e-learning「Aidemy Business」、AI/DX実践型研修「Aidemy Practice」、AIシステム開発「Aidemy Solutions」を提供し、リテラシー教育からAI開発の伴走支援まで行う企業。
株式会社マツダE&T
出典・参考情報
【DX人材育成/推進支援事例】「小さく始めて大きく育てる」- マツダE&Tの”現場起点”デジタル人材育成とは | Aidemy Business
発行元:アイデミー(Aidemy Business)
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