実施 2024.04 ・ 更新 2026.08.15
関西電力送配電、全社員8,169名のスキル可視化から始めるAI開発環境づくり
プロジェクト期間:1年 〜 2年
企業規模:1,000人以上
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 現場が忙しくAI活用が進まない
- 研修をやっても業務が変わらない
- 誰がDXを担うのか決まっていない
どのようなAIの取り組み?
経営層向けの研修から全社員のスキル可視化、現場部門がAIを自分たちで開発できる環境づくりまでを一続きで進めた、送配電会社のDX変革に取り組んだ事例
業種
送配電(エネルギー・インフラ)
取り組み領域
全社DX推進(人材育成・AI開発環境整備)
使ったAI
AIエージェント開発・運用環境(exaBase Studio)
主な成果
全役員・全従業員(8,169名)のDXスキルを可視化
関西電力送配電は、自社で策定した「関西電力送配電DX戦略2026」のもとで、DXを支える文化・人財・環境の3つを同時に強化する取り組みを進めています。伴走パートナーはエクサウィザーズで、まず社長による「DXブートキャンプをやる」という宣言を起点に、経営層と部長クラス全員が参加する研修の企画・実施を支援しました。人財面では2024年4月から、DX人財発掘・育成サービス「exaBase DXアセスメント&ラーニング」を継続的に提供し、全役員・全従業員を対象にスキルを可視化。2025年11月からは、AIエージェント(AIが手順を判断しながら作業を進める仕組み)の開発・運用環境「exaBase Studio」を使ったSmall Successプロジェクトを、企画部・工務部・系統運用部・配電部の4部門とともに進めています。人手不足が進む業務の自動化・効率化は、ここから成果を積み上げていく段階です。
出典:エクサウィザーズ、関西電力送配電DX戦略2026の取り組みを包括的に支援 ~組織文化の醸成、デジタル人財の育成、AIエージェント環境構築の3つの領域で事業変革に伴走~ - 株式会社エクサウィザーズ 発行元:株式会社エクサウィザーズ
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
送配電の事業環境は、災害への強さの確保や送電網の使われ方の多様化によって期待される役割が広がる一方で、古くなった設備への対応や作業員の減少という足元の課題も同時に抱えています。データとAIによる業務変革が避けられない状況でしたが、取り組みが動き出す転機になったのは技術の話ではなく、社長自らが「DXブートキャンプをやる」と宣言したことでした。
この経緯から読み取れるのは、困りごとの本質が「何をAIにやらせるか」の不足ではなく、変革の優先順位が経営の共通認識になっていなかった点にあったのではないか、ということです。実際、研修を経て参加者の受け止め方は「やったほうがよい」から「やらなければならない」へと移っています。つまり手前で詰まっていたのは、手段の選定よりも、やる/やらないの判断を組織の上層で確定させることだったと考えられます。
どうやって、うまくいったのか
効いているのは、経営層と部長クラス全員を同じ場に集めるという順序の設計です。トップの宣言をCDO(デジタル領域を統括する役員)がプロジェクトとして引き受け、企画・実施はエクサウィザーズが支援するという役割分担が取られています。現場へのツール配布から始めず、意思決定に関わる層の合意形成を先に置いたことが、その後の投資判断や部門をまたぐ調整を進めやすくしたのではないでしょうか。
2つ目は、人財を「活用人財」「推進人財」「高度専門人財」の3つに定義したうえで、全役員・全従業員のスキルを測る進め方です。役割を先に定めてから可視化する順番になっているため、測定結果が「誰にどの育成を配るか」という具体的な判断に直結します。2024年4月から継続して提供されている点も見逃せず、一度限りの棚卸しで終わらせず、育成の効き方を見ながら配分を組み替えられる形が保たれています。
3つ目は、育成された推進人財が実務の中で自らAIエージェントを開発できる環境を、育成と切り離さずに用意した設計です。業務に精通した人がそのまま作り手になるため、どの手順が詰まっているのかを翻訳し直す手間が省けます。対象を企画部・工務部・系統運用部・配電部の4部門に絞り、Small Successという小さな成功を積む枠組みから入っているのも、現場主導を建前で終わらせないための工夫と読めます。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
研修を経て、参加者の意識は「やったほうがよい」から「やらなければならない」段階へ移り、トップダウンで変革を進める文化の土台が形成されています。人財面では全役員・全従業員を対象にスキルの可視化が実施され、エクサウィザーズ調べで国内の送配電会社としては初の取り組みと位置づけられています。一方、AIエージェントによる業務の自動化・効率化は2025年11月に始まったプロジェクトが進行中であり、従業員が創造的な業務に時間を割ける体制は、これから実現を目指す段階にあります。
うちでも使える?
この進め方が移しやすいのは、AI活用の対象が複数部門にまたがり、業務の中身を熟知した担当者が社内にいる組織です。役割の定義とスキルの把握を先に済ませ、そのうえで開発できる場所を用意する順序自体は、規模に関係なく再現できます。
一方で、8,000人規模の全社アセスメントや、AIエージェント専用の開発・運用環境を前提とした構えは、そのままの形では負担が大きくなります。また、この事例の推進力は社長の宣言とCDOによる指揮という強い後ろ盾から生まれているため、担当者レベルの提案だけで同じ速度を出すのは難しいでしょう。送配電のように設備や系統の運用が絡む業務は、扱うデータや安全要件の重さも変わってきます。
小さく始めるなら、部門をまたぐ定例の場で「来月からAIに任せてみる業務」を1つだけ選び、担当と期限をその場で決めてみる。経営が判断を下したという事実を先に作る、この事例の最初の一段は、それだけでも真似できます。
この事例は2024年4月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:数値・Excel・ログ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:AIモデル・構築手法
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
株式会社エクサウィザーズ
AIを利活用したサービス開発による産業革新と社会課題の解決
関西電力送配電株式会社
出典・参考情報
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