実施 2026.03 ・ 更新 2026.08.15
ミズノが販売パートナー向けポータルをAzureで構築、生成AI活用は今後の構想
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 取引先からの在庫・納期の問い合わせが多い
- 営業担当が情報の取り次ぎに追われている
- 取引先に最新情報が届くのが遅い
どのようなAIの取り組み?
Microsoft Azureのクラウド基盤上に、全国数千社の販売パートナーが使うBtoBポータルを構築した取り組み
業種
スポーツ用品製造(製造業)
取り組み領域
販売パートナー向け情報提供・営業支援
使ったAI
現時点でAIは未使用(Microsoft Azureのクラウド基盤、生成AI活用は構想段階)
主な成果
営業担当者の負担軽減と情報伝達の迅速化に寄与
スポーツ用品メーカーのミズノは、全国数千社・数万人規模の販売パートナーとの取引を通じて事業を展開しており、製品情報や納期に関する問い合わせの増加が営業担当者の負荷と情報伝達のスピードを圧迫していました。同社はパートナーとのやり取りを支えるデジタル基盤としてBtoBポータル「Mizuno Partner Hub」の構築を決め、AIソリューション事業を手がける株式会社ヘッドウォータースがクラウドアーキテクチャの設計から運用設計までを担当しています。基盤にはMicrosoft Azureを採用し、サーバレス構成で数万人規模の同時アクセスに備えました。夜間には商品在庫・出荷・納期のデータを更新し、ミズノ社内のデータプラットフォームとも連携させています。2026年3月に公表された取り組みです。
出典:ミズノの販売パートナー向けプラットフォーム「Mizuno Partner Hub」を構築しました〜全国数千社・数万人規模の販売ネットワークを支えるパートナービジネスのDXを支援〜 - 株式会社ヘッドウォータース 発行元:株式会社ヘッドウォータース
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
ミズノが抱えていたのは、製品情報や納期に関する問い合わせが増え続け、営業担当者の負荷と情報伝達のスピードの両方が同時に圧迫される状態でした。
編集部の見立てでは、ここでの本質は問い合わせの件数そのものではなく、パートナーが必要とする情報が営業担当者という一本の通り道を経由しないと届かない構造のほうにあります。在庫や納期の数字は社内のどこかに確かに存在しているのに、その最新の値を知る手段が「人に聞く」しかないのであれば、取引先が数千社・利用者が数万人という規模では担当者が滞留点になるのは避けられません。問い合わせが増えたから負荷が上がったというより、事業規模の拡大に情報の届け方が追いついていなかった、と読むほうが実態に近いのではないでしょうか。
どうやって、うまくいったのか
パートナー自身が必要な情報を取りに行けるBtoBポータルという形に着地させた設計が、この取り組みの起点になっています。問い合わせをさばく道具を営業担当者に持たせるのではなく、情報の出口そのものを人から画面へ移した判断です。ただし、この形が機能するかどうかは載せる情報の鮮度に大きく左右されます。夜間に商品在庫・出荷・納期のデータを更新し、ミズノ社内のデータプラットフォームと連携させて全社的なバッチ処理やデータ同期の一部として動かす構成は、ポータルを「見に行っても古い数字しかない場所」にしないための土台でしょう。
同時アクセスの読みにくさをサーバレス構成で吸収した設計も見逃せません。App ServiceやFunctionsを組み合わせたAzure上のクラウドネイティブ設計は、数万人規模が一斉に使う可能性のあるポータルにとって、繁忙期と閑散期の落差を事前に見積もり切らずに済ませる選択肢になります。画面側にReactとNext.js、API層にTypeScriptを採用して操作性を作り込んだ工夫も、パートナーが電話ではなく画面を選ぶ動機に直結する部分です。
運用の作法を最初から設計へ織り込んだ点が三つ目の要因と考えられます。Logic AppsからAzure Front Doorのルールを制御し、営業時間に合わせてメンテナンスモードを自動で切り替える仕組みは、止める時間帯まで業務の時計に合わせた設計といえます。Azure DevOpsによる自動デプロイ、Key VaultとPrivate Link、Entra IDを組み合わせたゼロトラスト設計、Azure Monitorによる監視は、取引に直結する情報を社外の企業へ開くうえでの前提を固めるものです。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
公表されている効果は具体的な数値ではなく、営業担当者の負担軽減と情報伝達の迅速化を通じて、ミズノと販売パートナー双方の業務効率化に寄与するという形で示されています。クラウド基盤の柔軟な拡張性によって利用状況の変化にも安定して対応し、パートナーが必要な情報をタイムリーかつ安全に取得できる環境が整うことで、取引の信頼性と利便性が向上するとされています。今後は、ポータルに蓄積される問い合わせデータや利用履歴を用いた生成AIによるサポート自動化やナレッジ検索の強化が構想されている段階です。
うちでも使える?
応用しやすいのは、取引先からの問い合わせが在庫・納期・製品仕様のように答えの決まった情報に集中していて、その元データが社内のシステムにすでに存在している場合です。この事例の要点は高度な分析ではなく、社内にある数字を取引先自身が見られる場所へ運ぶことにあり、規模が数千社でなくても構造は変わりません。
一方で、回答が取引先ごとの条件や個別交渉に左右される取引では、同じやり方はうまく噛み合いません。数量や納期が担当者の裁量で最終的に決まる商習慣が残っていると、画面に出せる確定情報が乏しく、ポータルは中身の薄い箱になります。元データが担当者個人のExcelや口頭のやり取りで回っている状態も同じで、その場合は更新の流れをシステムへ載せる工事が先に必要です。
まず試すなら、直近1か月に営業へ届いた問い合わせを眺めて、同じ答えを何度も返しているものが何割を占めるかを数えてみるところから。
この事例は2026年3月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AI導入・支援形態
導入部門・データ活用
導入部門:顧客対応・サポート
活用したデータ:数値・Excel・ログ
連携ツール
連携したシステム・外部サービス
プロジェクト実施・導入企業
株式会社ヘッドウォータース
AIソリューション事業を手がける企業。代表取締役社長は篠田庸介。ミズノの販売パートナー向けプラットフォーム「Mizuno Partner Hub」のクラウドアーキテクチャ設計から運用設計までを担当した。
ミズノ株式会社
出典・参考情報
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