実施 2024.10 ・ 更新 2026.08.15
東洋紡が20以上のセキュリティ製品をAI運用基盤に集約、海外拠点も一元管理
企業規模:1,000人以上
※イメージ画像です

取り組み概要
やさしく事例解説
プロジェクト解析
実施・導入企業
こんな方へおすすめのAI解説です
- 対策ツールが増えすぎて運用が回らない
- 海外拠点の運用実態が見えない
- 警告の確認と突き合わせに時間を取られている
どのようなAIの取り組み?
AIと自動化を備えたセキュリティ運用プラットフォームに20以上のツールを集約し、海外拠点を含む全社の運用を日本から一元化した取り組み
業種
繊維・化学素材製造(製造業)
取り組み領域
情報システム/セキュリティ運用
使ったAI
AI・自動化を備えたセキュリティ運用プラットフォーム「Cortex XSIAM」
主な成果
海外拠点を含む全社のセキュリティ運用を日本から一元管理
東洋紡株式会社は、フイルムや機能繊維などの素材事業を手がける製造業です。高度化するサイバー攻撃に対応するため毎年のように新しい対策ツールを追加していった結果、稼働するセキュリティ製品は20以上にのぼり、担当者がそれぞれのデータをつなぎ合わせて分析する作業に追われる状態が続いていました。同社は、個別に優れた製品を組み合わせる構成から、必要な機能を1つに束ねたプラットフォームへ方針を転換し、パロアルトネットワークスのセキュリティ運用プラットフォーム「Cortex XSIAM」を海外拠点も含む全社へ導入しています。導入から構築、運用までの支援を担ったのはNTTドコモビジネスです。日本からの一極集中で運用する体制に切り替え、サプライチェーンを含めたセキュリティの底上げを図りました。
出典:導入事例 東洋紡株式会社 | NTTドコモビジネス 法人のお客さま 発行元:NTTドコモビジネス
やさしく事例解説
何に困って、AIを入れたのか
新たなツールを毎年のように積み増した結果、東洋紡で動くセキュリティ製品は20以上に膨れ上がっていました。担当者はそれぞれの製品が吐き出すデータをつなぎ合わせ、分析する作業に人手を割いていましたが、その一方で、本来もっとも重要な「素早く検知して素早くアクションを起こす」ことができなくなっていたという課題が示されています。海外に目を向けると、本体のセキュリティポリシーを十数カ国語に翻訳して周知する取り組みはすでに進んでいたものの、拠点によってはそれを運用できるメンバーがいませんでした。
編集部の見立てでは、この困りごとの本質は製品の数そのものではなく、ツールを1つ増やすたびに「情報を統合して読み解く仕事」だけが人の側に積み上がっていく構造にあったのではないでしょうか。ルールを配ったところで運用状況が把握できていない海外拠点の問題も、根は同じところにあります。守るための道具は増え続けているのに、それらを束ねて判断する部分だけが自動化されないまま残されていた。
どうやって、うまくいったのか
個別に優れた製品を組み合わせるベスト・オブ・ブリードの構成をやめ、必要な機能を1つのプラットフォームに束ねる選択をした点が、この取り組みの起点です。採用されたCortex XSIAMは、ログの収集・分析、端末の監視と封じ込め、対応作業の自動化、脅威情報の管理、ネットワークや利用者のふるまい分析といった、セキュリティ監視に必要な機能群を1つの基盤に載せています。注目したいのは、判断の軸が「検知能力を最大にする」ではなく「運用そのものを単純にする」に置かれたこと。道具の性能ではなく運用の複雑さを削る方向へ目的を定義し直したからこそ、集約という手段が選べたと考えられます。
海外拠点の底上げを、教育や周知の強化ではなく運用体制の設計で解こうとしたところも見逃せません。ポリシーを翻訳して配る方法は、それを回せる人材が現地にいて初めて機能します。日本から一極集中で運用する形へ切り替えた設計は、拠点ごとの人材の厚みという不確実な条件に、セキュリティの水準を依存させない構造をつくったと読めます。
先進的な基盤は入れただけでは運用レベルが上がらない、という前提を最初から置いた進め方も特徴的です。導入・構築・運用までを見据えたパートナーとしてNTTドコモビジネスが選ばれ、パロアルトネットワークス製品の長期にわたる取り扱い実績と国内上位の有資格者数、他ベンダー製品を含めたセキュリティ全般の移行支援、そして自社環境の運用やサービス開発で培ったAI・自動化のノウハウという3つの軸で支援にあたっています。製品の調達と運用設計を切り離さず一体で組み立てたやり方が、20以上の製品からの移行という重い工程を現実的なものにしたのではないでしょうか。
具体的に、どんな成果が出たのか
改善・向上したこと
推進したこと
この事例で出た成果
海外拠点を含む全社導入によって、社内外の拠点のセキュリティを日本から一元的に管理する体制が整い、サプライチェーンセキュリティの強化につながっています。AIと自動化の適用範囲も、相関分析や動的シグニチャによる検知、感染を検知した端末の即時隔離といった高度な運用にまで広がり、効率化が進んでいます。ただし同社は、セキュリティは入れて終わりではなくスタート地点に立ったところだとし、ツールを減らして集約を進めながら使いこなす習熟度を上げていくことが重要だという認識を示しています。
うちでも使える?
同じやり方が効きやすいのは、対策を積み増した結果としてツールが並立し、それぞれが出す警告や記録を人がつなぎ合わせて判断している組織です。とくに拠点や子会社ごとに運用の力量差がある場合、ルールを配って各所に任せるより、運用そのものを中央に寄せたほうが水準の下限を引き上げやすくなります。
一方で、集約は既存製品の入れ替えを伴うため、契約期間が残っている製品や、現場が使い慣れた仕組みを一度に手放す判断が要ります。中央で運用を引き受ける以上、そこに人と時間を確保できなければ、集約はかえって詰まりを生みかねません。国ごとにデータの取り扱い規制が異なる場合は、ログをどこに集めるのかという整理も先に必要になります。まずは自社で動いているセキュリティ製品を数え、そのうち日常的に画面を見ているものが何割あるかを確かめてみてはどうでしょうか。誰も見ていない製品の存在が浮かべば、集約の議論はそこから始められます。
この事例は2024年10月時点の情報です。AI分野は変化が速いため、現在は同様の取り組みをより短い期間・少ない負担で実現できる場合があります。
プロジェクト解析
プロジェクト内容
AIツール・サービスの提供形態
導入部門・データ活用
導入部門:全社共通・汎用業務
活用したデータ:数値・Excel・ログ
採用したAI技術・ツール
採用したAI技術:AIモデル・構築手法
AIモデル・ツール
プロジェクト実施・導入企業
NTTドコモビジネス
パロアルトネットワークス製品を長期間にわたり多数取り扱う実績と国内上位の有資格者数を持ち、マルチベンダー製品の導入実績によるセキュリティ全般の移行支援や、社内環境での運用・自社サービス開発で培ったAI・自動化のノウハウに基づく運用支援を提供する。
東洋紡株式会社
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